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ファーブルになれなかったオッさんの末路

ジャン・アンリ・ファーブルって知ってますか?そう、かの有名なファーブル昆虫記を書いた人ですよね。

私の愛読書の一つにファーブル昆虫記があります。


昆虫は不思議だ

ファーブルのように、幼少期から昆虫が大好きで、実物と図鑑を比較しながら、いといろと幼いなりに調べたりしていました。

一通りの事は知っていたので、虫博士などと言われいい気になっていた時代も有りましたねぇ。

特に一般的な子供と同じように、甲虫🪲が大好きで、休みの日には野山を駆け回り、棲家を探しまくっていました。

そして誰も知らない場所を見つけると、有頂天になり仲間内の秘密になりました。

当然ながら、当時の夢はファーブルのような昆虫学者になる事だったと思います。


遠ざかった夢

しかしながら、中学校に入ると部活動が忙しくなりました。昭和の中学は、部活動も徹底しており土日も活動が行われていました。

どの部活も一生懸命にやらないと、なぜか高校進学の内申書に影響があったからなんです。今思えば、何で部活が進学に影響するんだ?って思いますけどね。

運動が特別秀でていれば、特待生って言う道もあるかもしれませんが、何となく集団行動と根性をチェックしているように感じます。

中学以降は大好きだった昆虫とも距離が空き、知らずうちに忘れてしまい、そのまま何十年も過ぎて行ってしまいました。


蘇る少年時代

そして月日は流れ、今から18年前に地元で開催された今森光彦先生の「昆虫4億年の旅」と言う写真展を見て、頭をハンマー🔨で殴られた衝撃を受けました。

自分の好きな昆虫が、生き生きと写真で映し出されている。見た事ないような昆虫から見た事あるような昆虫まで。

じっくり写真展を見ていると、あぁ〜やっぱり自分は昆虫が好きなんだって事を思い出しました。

昆虫学者になれなくても、昆虫写真家もどきにはなれるんじゃないか。


そう思いながら、持っていたデジイチのカメラ用のマクロレンズを購入して、ひたすら昆虫写真を撮るようになりました。

昆虫写真を撮るようになって分かったことは、毎年同じ頃同じ場所で撮影していると、今年はこの昆虫をたくさん見かけるが、こいつはほとんど居ないな。

なんて言うように、種類別の発生状況がわかるようになって来ました。

そして、今まで図鑑でしか見た事無かった昆虫を、身近で発見できるようになった事。コレには感動しましたね。

図鑑と同じものが、目の前に居るのですから。でも悲しいかな、感動を伝える人が周りに皆無であるがため、自己満足の世界で過ごしていたと言う事です。


9年くらい写真撮影をライフワークのように続けておりましたが、転勤によりその活動も途切れる事になりました。


再び低迷期へ、そして復活

転勤して都会に移ってから、写真は昆虫写真からストリートスナップにジャンルは変わりましたが、ずっと続けておりました。


そしてコロナの来襲です。

外出もままならくなり、写真を撮る事も激減してしまいました。撮りたい気持ちが有るんですが、心が動かないんですよ。

不思議です、時間が有り余ると逆に気力が無くなるんですよ。そう言う体験した事無いですか?

コロナが猛威を振るっている中、四年前に定年を迎え地元に戻ってくる事ができました。

コレで心機一転だと気分を入れ替え新たな気分で昆虫写真を再開し始めたのですが、ここでもまた試練が待っていました。


次々襲いかかる壁

1つ目は、環境破壊が大きく進んでおり、いつも撮りに行っていた場所では、草木が大きく伐採されており、今までいた昆虫を見つける事ができません。

そして問題なのはこの2つ目なんです。10年以上昆虫を見つけ出すと言う行動から遠ざかっていた為、里山に行っても昆虫をなかなか見つけられないのです。


同じ場所を2〜3回見て回ると、やっと居るのがわかる程度にまで観察力が落ちてるんです。

コレは環境破壊だけでなく、見つけようと言う強い意思が無いと見つけられないんです。コレにはハッキリ言って参りました。

写真を撮りに行っても、昆虫を見つけられずにボウズなんて事もしばしば。


更には気候温暖化の影響も有り、日が少し高くなってからでは、暑くて探しにも行けない、そんな状況が続いています。


しかしながら、名だたる昆虫写真家の方々は、そんな事も気にせず活動を続けていらっしゃる。素人だからと言う甘えが有るのだろうとも思えて来ました。

昆虫学者になる夢を途中で忘れてしまったのだから、せめて地元の昆虫写真は撮り続けて行かないと。


そして今がある

今年から庭に昆虫の集まりそうな木も植え、自宅に居ても身近な昆虫の写真が撮れるようにしたいと考えました。

更には、一昨年から再開したオオクワガタのブリード。昨年は失敗してしまいましたが、今年はリベンジしようと思っており、準備を進めております。

オオクワガタのブリードは、近所の子供達に昆虫を育てる楽しみを味わってもらう為、無償で配布するためにやっています。

ジャン・アンリ・ファーブルに憧れ昆虫学者を夢見ていた少年は、今は昆虫写真を撮りながらオオクワガタをブリードするオッさんになってしまいました。

しかし、昆虫が好きだと言う思いは永遠で、形こそ変わってしまいましたが、今も心に脈々と流れて活動はしております。

これがファーブルになれなかったオッさんの末路です。

要は、形は変わっても夢は捨てずに追いかける、それが大事だと言う事だと思います。

夢を諦めないで



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じぇいかわさきです。生産技術者として35年、今まで培った経験とスキルを元に、ものづくりに関わる世の出来事に対して思ったことをホンネで書いてます。ノウハウやアイデアもありますよ。 また写真も全力で撮っています、気に入った写真があればサポートや感想をぜひお寄せください。