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never enough

僕はカッコつけだと思う。

それを恥ずかしいとも思わない。
男である以上モテたいと思うしカッコいいと思われたい。

ただカッコつけて上手くいった試しがない。

小学校の頃はイケメンパラダイスに憧れ襟足を伸ばしていた。
写真撮影のときにはなるべく小栗旬の顔に近づけるべく、あごを不自然に伸ばしてスカした顔をした。

ただの無愛想なしゃくれになった。


高校ではサッカー部に属し、頑張ってる奴と思われたくて朝の自主練に励んだ。試合で一度も使わないであろう左足のミドルシュートのみを練習した。

利き足である右足のシュートフォームを崩し、もちろん勝てなかった。

大学では、初めて髪をセットし学校に行くようになった。ジェルで濡れ感を出したつもりが、
なんで髪濡れとん?と女の子に言われた。

思い切ってパーマをかけたが、講義室に入った瞬間、
「似合ってな。」という女の囁き声が聞こえた。

そこからカッコつけることが怖くなった。

だが最近思うようになった。
それでいいじゃねえか。

this is me .

ある女優が言っていた。
人のためにおしゃれしているのではない。
自分が気に入っているんならそれでいいじゃないの。

さて、ショーを始めよう。

どれ、手始めに長襟足パーマのあごしゃくれにでもなろうか。


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