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企業人材育成コンサル22年目の今~キャリア自律について話そう⑥コンピテンシーの誤解、半沢直樹モデル

2013年、2020年に話題となった経済ドラマ「半沢直樹」。半沢直樹は「上を目指す」と公言するバンカー(銀行員)。主題歌なし、恋愛シーンなしにも関わらず、記録的な視聴率をたたき出した話題ドラマ。本当は上司に言いたい…という心理を如実に表現しているところや、リアル且つ時代劇調の言い回しやら顔芸やらが緊迫感を煽る、という声もありますね。

このドラマを観た方は話が早いでしょう。半沢直樹という人物と言えば、

・尋常でない問題解決力

・流儀かつ決めセリフを言って反感を買ってしまうことも多々

・曲がったことが嫌い

・部下からの信頼が厚い

などなど、ある意味分かりやすいキャラとも言えそうです。そして、なぜ、この半沢直樹に多くの人が惹きつけられたのでしょうか。皆さまは半沢直樹という人の魅力はどんなところだと感じましたか?

こんな同僚がいたらどうでしょうか?

こんな人が上司だったらどうだろう?と一度は考えたのではないでしょうか。

さて今回は、コンピテンシーの誤解についてお届けします。コンピテンシーは行動を評価する方法です。

図解人材マネジメント入門(坪谷邦生著)には

コンピテンシーとは高業績者の特性をベストプラクティスとして最大多数の社員に移植する(ベンチマークする)仕組

と書かれています。

あの人のようになりたい!などと目標にしている人物がいるという方も少なくないと思うのです。

そこで、職場や周りにいる「すごい人」や「できる人」のようになりたい!と考え、そっくりそのまま真似をする人がでてきますが…どうでしょうか。

今日はドラマの主人公、半沢直樹さんを例に挙げながら話を進めていきますね。

では、会社の中で、半沢直樹のような「やられたらやり返す」「倍返しだ!」と叫んだらどうでしょうか。果敢に不可能に向かって行く!それはそれだと思いますが、それだけではいけませんよね。

行動を真似る、というのがコンピテンシーだと思われがちです。行動をモデル化するために詳細に定義していくのは大きな間違いなのです。

先に紹介した同書には誤解されたコンピテンシーと本来的なコンピテンシーが紹介されています。

ここでぜひ押さえたいのは、高業績者の行動をモデル化するのは間違いで、高業績者の動機や意識をモデル化することが正解ということです。

半沢直樹を突き動かすのは何なのでしょうか。

彼は何を、なぜ、追い求めているのでしょうか。

それゆえ彼は、どうありたいと思っているのでしょうか。

そのために彼は、どのような行動をとるのでしょうか。

彼の判断基準は何なのでしょうか。

行動を真似することで半沢直樹になれるのではなく、半沢直樹的意識を真似してみることが正しいモデル化ということなのです。

困難の中でも高い成果を求められる、そこで成果を生み出したい、という動機こそ、最も着目すべき特性である、とも坪谷氏は書いています。

できる人の行動をマニュアルのようにモデル化しても意味がないのです。その時々の最適な判断と行動が求められるからです。

行動に縛りを設けたり、QA式にしてみても成果は安定しないということです。成果を安定させるためには、正しい判断基準や明確な意図、原動力となる動機、これらをもってして、柔軟に事に当たるということがコンピテンシーの仕組みとなる、と考えていきましょう。

「真似る」ことはビジネススキル習得において効果的な方法であると思います。見た目ややり方を真似てみる…キャリア開発においてもロールモデルという言葉もあります。

さらなる能力開発のために、今後は、一歩踏み込んで「動機」や「意識」を考えてみたいですね。




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