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メイワクかけちゃいけない、って結構手ごわい呪いの言葉かも

近所の高齢者施設で週に一度短い時間だけ、ボランティアをしています。そこで感じたことが子育てにもつながってるなと思いまして。

入所者の方々、私が関わっているのはみんな女性で、明るくて話好きだったり、口数少な目で穏やかだったりとタイプはいろいろ。けれども半分くらいの方々が「迷惑かけちゃって申し訳ない……」的な言葉を口にします。

「スタッフはみんなとてもいい人たちで、よくやってくれる。でも私は動けないから迷惑かけちゃって……」とか。
私の作業が終わったことにお礼を言いながら、「迷惑かけちゃってごめんなさいね」とか。
さらには「こんなに色々やってもらって申し訳ない」や「こんなことまでしてもらってバチが当たるわね」なんておっしゃる方も。

ぜんぜん、まったく、そんなことないです!
迷惑とか申し訳ないとかバチが当たるとか、ひとかけらも思いません!
と伝えたいのですが、皆さんあまりにもナチュラルにそうおっしゃる。それでつらつら考えているうちに、確かに私たちは「迷惑かけてはいけない」って幼少のころからずーっと言われつづけてきているなと思ったのです。

私自身も「人に迷惑をかけたくない」という気持ちは強いし、当然ながら子供にも「人に迷惑をかけてはダメ」と言ってきました。
子供にはやりたいことをのびのびやらせる、という主義の人でも、「人に迷惑をかけない限り、何をしてもいい」なんて言いますよね。

こういう考えがあるから日本は比較的マナーが良いとされるし、日常も平穏に過ごしやすいのは事実。けれど「人に迷惑をかけてはいけない」が行き過ぎると、一種呪いの言葉になってしまう気がします。

それを解くには「迷惑をかけてもいい」と考えることではなく、「何を迷惑と感じるのか」を考え直す必要があるのかなと思いました。
例えば、子供や高齢の方たちの日常生活ではいろいろな場面で手助けが必要なのは当然のこと、手伝う側にとって大変なこともあるけれど「迷惑」ととらえることではない。
子供の健康や生活、勉強、高い学費(!)を心配したり、老親の安全や体調、行く末を案じていろいろ対処するのは、確かに大変だし苦労もある。でも、決して「迷惑」ではない。
私たちもそう考えるほうがいいし、それを受ける側(この場合は子供や老親)も「感謝の気持ちは持ったとしても、迷惑をかけているとは感じない」ようになったらいいなと思いました。

まあ、だからって子供に「気にせず迷惑かけていいよ!」とは言えませんが、「迷惑かけてごめんなさい」とは言われないようにしたいです。


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