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【感想】『それいけ ズッコケ三人組』を読んで、懐かしさがこみ上げてきました。

本記事は「note×ポプラ社こどもの本編集部」の合同企画「#読書の秋2021」の課題図書「それいけ ズッコケ三人組」の読書感想文です。過去に趣味で撮影した写真を交えて読書感想文を書いてみました。本企画の詳細は下記に記載されています。

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「ズッコケ三人組」のハチベエ、ハカセ、モーちゃんのうち、「どのキャラクターが一番好きか?」と問われれば、私は「ハカセ」が好きである。どのキャラクターも個性豊かで素敵であるが、やはりハカセ(山中正太郎)を推したくなる。

私は小学生の頃に初めて「ズッコケ三人組」を読んだので、もう30年近くの月日が経ったことになる。今回の企画で改めて「ズッコケ三人組」を読んでみて、遠い記憶が蘇ってくるようで楽しかった。小学生時代の私はスポーツをしていたので、「ハカセ」のようなキャラクターではなく、「ハチベエ」ような雰囲気であった。そのため、豊富な知識で皆に頼りにされている「ハカセ」の存在に憧れた記憶がある。

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本書の冒頭で「ハカセ」は、容量の悪さのため「バカセ」と友達から陰口を言われているという記載があった。「ハカセ」に対しては、頭脳明晰なイメージが先行していたので、ちょっと意外であったが、そういった人間臭さの部分もあったんだと懐かしくなった。また、日常のルーティンとして、トイレで過ごす様子には思わずニヤッとした。自分自身のコンディションを整えるために、他の人にはない習慣を取り入れている「ハカセ」の存在は、読者に対して「自分らしく生きていいんだよ」というメッセージが込められているような気がしてハッとなった。

本書の「万引きの話・防空壕の話・怪談の話・クイズ番組の話」は、身近な友人の昔話を聞いているような感覚で読み進めることができた。『あぁ、そんなこともあったんだ』と当時の記憶を探りながら読んでみた。当時は日常に潜む冒険話の一種として、楽しく読んだ記憶がある。大人になって読んでみると、「楽しかった」という読書後の感想に加えて、「なぜ、そんなことが起きたのか?」という部分にも目を向けるようになっていた。

「万引きの話」では社会問題的な観点や家庭教育的な観点で色々と考えさせられた。「こういう状況を発生させてしまった家庭背景には何があるのか?」、「仕組みとして防止する手段はないのか?」などなど、自分で自分に問いかける良い機会であった。「防空壕の話」では風化していく戦争体験に対して思いを馳せた。「怪談の話」では生と死に関して思いを巡らせるとともに、結末の不気味さには身震いした。「クイズ番組の話」では、「モーちゃんはかっこいいぜ!」と素直に思った。逃げずに挑戦することの大切さを学んだ気がする。

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本書を読んでみた結果、子供の頃の「楽しかった。面白かった。」という感想に加えて、大人になった自分の新たな視点を発見することができ、非常に良かった。私の中で、「ズッコケ三人組」は大切な思い出であるとともに、今もなお輝き続ける思い出であることを再認識した。「ハカセ」のような博識で周囲から頼られる存在になりたい、と改めて決意することができた。

最後になりましたが、素敵な作品を残して下さった作者の那須正幹先生に心から感謝致します。ありがとうございました。

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#読書の秋2021   #それいけズッコケ三人組 #ポプラ社

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