見出し画像

【感想】『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』を読んで、「色の力」を感じました。

本記事は「note×光文社新書」の合同企画「#読書の秋2021」の課題図書『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』の読書感想文です。過去に趣味で撮影した写真を交えて読書感想文を書いてみました。本企画の詳細は下記に記載されています。

--------------------------------------------------------------------------------------

画像1

私達の日常生活は「色」の恩恵を受けている。「色」とともに喜怒哀楽を感じることもある。自分の体験談を語る時は、過去の記憶とともに「色」も一緒に思い出す。でも、自分の頭の中の光景は他人に説明しづらい。だから、写真があれば助かる。でも、その写真がモノクロ写真だと、記憶の中の「色」と実際の「色」が同じかどうか不安になってくる。だから、カラー写真だと、とてもとても助かる。

画像2

本書を通して、写真の「色の力」を強く感じることができた。本書には、カラー化された「戦前から戦後の写真355枚」が掲載されている。白黒写真では感じにくかった人々の息づかいをカラー写真から感じることができる。白黒写真とカラー写真が対比されて掲載されているページもあるため、白黒写真から受ける印象とカラー写真から受ける印象の違いを、自分の中で整理することができた。私は、白黒写真のみでは「どこか遠い過去」として感じてしまうが、カラー写真だと「自分達に繋がっている過去」として感じることができた。巻頭と巻末に記載されたメッセージから、二人の著者の想いを知ることができ、とても良かった。

本書には、子供たちの写真も多く掲載されており、特に子供たちが遊んでいる様子は微笑ましかった。遊戯会の様子は時代を感じさせるものであった。多くの人々の生活が「そこにあった」と感じることができた。また、呉軍港に並ぶ大量の「蛟龍」の写真から時代の重みのようなものを感じた。その他、八丁堀の福屋デパートの写真は廃墟の中でも希望を感じさせるものであった。一枚一枚の写真に物語があり、多くの人達の想いが詰まっていると考えると、深く見入ってしまった。

画像3

また、白黒写真をカラー写真にするために、AIによる自動色付け技術だけでなく、多くの人手作業が費やされていることを知り、頭が下がる思いであった。「正しい色」を復元するために、著者達の情熱を感じることができた。テクノロジーの可能性と限界を見極めて、「正しい色」を追求されている様子が目に浮かぶようであった。

画像4

本書を手に取り、読み、そして感じることが、この時代を「自分ごと」として捉えるための、最初の一歩であると感じた。このようなことに気づかせて頂いた著者の庭田杏珠先生と渡邉英徳先生に感謝致します。また、noteで本書の誕生過程が公開されており、本書を生み出すために尽力された編集者の方々の想いを知ることができ、とても良かったです。ありがとうございました。

#AIとカラー化 #読書の秋2021 #光文社新書

「みんなのフォトギャラリー」に「#jjpp」でタグ付けして写真をアップしています。みなさまのnote活動の一助になれば幸いです。