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【感想】『文章は接続詞で決まる』を読んで、文章表現の可能性を感じました。

本記事は「note×光文社新書」の合同企画「#読書の秋2021」の課題図書『文章は接続詞で決まる』(石黒圭【著】)の読書感想文です。過去に趣味で撮影した写真を交えて読書感想文を書いてみました。本企画の詳細は下記に記載されています。

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「国語力で会社人生が決まると言っても過言ではないからね」という言葉を、就職活動中のOB訪問で頂いた。その言葉を頂いてから10年以上の月日が経ったが、いまだに思い出す言葉の一つである。会社生活において、自分が考えていることを言葉にして伝える機会はとても多い。メールや報告書など、結構な分量の文章を書いている。自分の意図を簡潔明瞭に伝えることに苦心する毎日である。そんな私にとって、本書は頼もしい存在となった。

11章構成の本書は「接続詞」に特化した内容である。本書は日本語の「接続詞」の事例を詳細に解説している。欧米由来の作文技術であるテクニカル・ライティングは学んだことがあったが、本書のような「接続詞」に特化した内容は初めて読んだため、とても興味深く読むことができた。特に、「四種十類の接続詞」(p.57)の体系図は、本書の「接続詞」の全体像を捉えることができ、素晴らしいと思った。さらに牽引が豊富なため、目当ての「接続詞」が解説されているページを素早く探し出すことができ、読者への多大な配慮を感じた。本書のような内容が充実している指南書をどのように自分事として利用していけるかが重要であると感じる。そこで、(1)自分の文章表現の改善、(2)他人の文章表現の推敲、(3)読書の楽しみ方の増大、という3つの視点で本書の活用方法を検討してみた。

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第一に「自分の文章表現の改善」について述べる。「接続詞」に着目して、自分で書いた文章が自分の意図通りの表現になっているかの確認作業に本書を利用していこうと思う。本書の接続詞の定義『接続詞とは、独立した先行文脈の内容を受けなおして、後続文脈の展開の方向性を示す表現である』を意識して、『文頭の接続詞』と『文末の接続詞』を注意深く推敲し、自分の文章表現の練り上げ作業に本書で学んだことを反映していきたいと思った。特に自分自身の文章表現の抽象度レベルを統一する際に、注意深く「接続詞」の使い方を確認していきたいと思った。

第二に「他人の文章表現の推敲」について述べる。会社で外国籍の同僚達が日本語で文章を書かないといけない場面が多々ある。彼ら彼女らの意見や見解は素晴らしいことが多いが、日本語表現で損する機会は残念ながら存在している。「主語述語の関係」や「てにをは」であれば、私も多少なりとは力になることができるが、「接続詞」はなかなか説明が難しい。本書では「接続詞」の説明しづらい点が明確に記載されているので大変ありがたく思う。彼ら彼女らの文章表現を遂行する際には、文頭の接続詞だけでなく、文末の接続詞の調整もしていきたいと思った。(本書の内容が英語や中国語などに翻訳されると大変ありがたく思います。)

第三に「読書の楽しみ方の増大」について述べる。本の執筆者が「接続詞」をどういう意図で使っているのかについて思いを巡らすのもおもしろそうだと思った。本の執筆者が「一本の線のような構造体である言語を、どのように重層的な内容として表現しているのか」という点に着目して、読書を進めてみようと思う。本書で事例紹介されている夏目漱石の『それから』や『門』を読むと、「接続詞」が文章表現に奥深さを与えていることがわかった。さらに、本書の最後が谷川俊太郎の『そして』で余韻をもって終えていることに魅了されてしまった。文章表現における「接続詞」の可能性を感じることができた。

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第八章の話し言葉の接続詞の章も興味深かった。よく使う「接続詞」で隠れた性格がわかるという説明には身に覚えもあり納得した。本書で記載されている対話での使用リスクを意識して、相手に不快感を与えないようにしていかなければならないと思った。独話では「で」という言葉をついつい発してしまうので、意識的に他の接続詞に置き換えて、話の展開が単調にならないようにしていきたいと思った。

最後に、「接続詞」の利用方法を通して文章表現の可能性を教えて頂いた石黒圭先生に感謝致します。本書を常に手元に置いて文章表現に迷った際に参照していこうと思いました。また、本書を生み出して頂いた編集者の方々に感謝致します。本書を読み終えて、文章表現の中で「接続詞」の重要性に気づくことができました。ありがとうございました。

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#読書の秋2021 #光文社新書 #文章は接続詞で決まる

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