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『大怪獣のあとしまつ』の主人公をシステムエンジニアに例えて観たなら

※ネタバレを具体的に書き綴っています。この映画を未鑑賞の方はこの先読まれませんよう。

映画は幾通りもの解釈(クソ認定も有り)を楽しめるものだと思うのですが、例えば。

大怪獣のあとしまつ、見方によっては、

 甚大な被害をもたらした未知のPCウイルス(怪獣)が謎のクラッシュ(謎の光球)で止まり、脅威は鎮静化されたものの、クライアント(政府)が誰もババを引きたがらずその責任とともに駆除作業(ハズレくじ)を派遣切りするつもりの下請け業者(特務隊)に押し付ける。その際に頭取秘書(対立者)は役員秘書でもある自分の妻(ヒロイン)の元婚約者であるシステムエンジニア(ヒーロー)を何かしらの思惑を持って現場責任者に指名する。

 現場責任者にされたシステムエンジニア(主人公)は、悪意と知りつつもクライアントの意向に沿うように粛々と全うしようとするが、「希望PCウイルス」が利権になると判るや、一枚岩でないクライアントのあちこちから、何度も仕様変更するよう指示してくるわ、そっちから押し付けたくせに大手部署(国防軍)に案件横取りさせてくるわ(余計なことしてくれてグチャグチャに)、緊急を要するバグ発生に現場判断許さないわ、挙げ句クライアントの決断が間に合わずさらなる被害をもたらすわ。それでも主人公は、当人の性格や職務柄ということもあるだろうが、ウイルスの影響による脅威から一般ユーザーを守ろうと、被害を食い止めるために現場責任者として奔走。

 引退してた確執のある凄腕技術者(ヒロインの兄)に頭を下げて助力を依頼、完璧に仕上げてもらったのに頭取秘書からワザと違う仕様書を渡されていたため失敗、凄腕技術者が万が一のためと用意してくれていたリカバリープランでなんとか事態をおさめようと奔走する現場責任者と、自らが見下して一蹴したアイデアをしれっと採用したクライアントとが意思疎通のないまま同じアイデアを並行で進行、共倒れになるところを現場の協力(狙撃)で回避してやっとこさ成功に漕ぎ着けたのに、現場責任者(主人公)の正体を見極めんがための頭取秘書からの妨害で失敗となって。さらにはその物理的妨害手段に巻き込まれ即死級のダメージ(高高所からの転落による打撲)を受けたにもかかわらず死ななかった姿をヒロインの目の前で見せることとなる。

 もはやウイルス拡散待ったなしの事態に、なんとか関係者自身(人類)の手で解決したかったがもう無理だと何かを諦めた主人公は、大切にしたかったヒロインの目の前で禁じ手の除去プログラム(変身)を再度使用して正体を曝し、PCウイルス(希望の亡骸)を完全駆除(宇宙に持ち去り)して後始末を終える。

 
この一部始終を見ていたエンドユーザー(観客)、
→現場責任者(主人公)に「最初からそうしろよ!」

…さすがに酷くないですか?(苦笑)

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