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アジア太平洋地域高成長企業ランキング

みなさん、こんにちは。在宅ワークになれ、お腹が出てきた頃でしょうか?私は在宅ワークする前からお腹が出始めていたので、大丈夫です()。日本のご飯は、人を肥やす凶器ですね。

さて、アジア太平洋地域の高成長企業のランキングが出ましたね。これは、英国の経済紙であるフィナンシャル・タイムズ社がアジア太平洋地域にある数百万の企業を調査対象に、収益の年間成長率(今回は2015〜2018年期間のもの)をランキング化し、トップ1,000社を発表するものです。ちなみに、中国は入っていないです。
▼FT High-Growth Companies Asia-Pacific▼
https://www.ft.com/high-growth-asia-pacific-ranking-2020
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リンクに載っている500社を見て、(1)各国の企業割合(どの国の企業多いか少ないか)、(2)分野の分布(どの分野の企業が伸びているか)、(3)日本と各国での相違点(日本企業が伸びてる分野と伸び代がある分野)はどうなっているのか気になったので、データ加工して、考察してみました(考察というか意見)。まず、データ加工をする前にした自分の予想では、(1)は「インドが一番多く、次に東南アジア、日本...と続く」、(2)はTechnology, Fintech, Ecommerceなど多い、(3)はゲームやサポート系、旅行系で伸びてる企業が多く、逆にエネルギー、環境系、交通系は伸び代がありそうとしました。みなさんも、予想してみてくださいね。

上記の(1), (2), (3)を見る前に、今回のテーマである「成長企業ランキング」において、私の成長企業のイメージ=2,000年以降に設立された企業なのですが、今回選出された企業群は、実際はどうなのか見てみたいと思います。なお、データ加工ですが、ランキング1〜100位のように100単位ずつで出しました。(100単位ごとで傾向見れたのと、アウトプットの結果が見やすいという理由)。では、これからみていこうと思います。スクリーンショット 2020-04-23 18.04.48

予想通りで、2000-2015年創業の企業が、79%を占めています。ただ、古くは1959年創業という企業もありますし、2000年以前に創業した企業の割合が、21%というのは結構高いなと思いました。一概には、成長企業 = 新しい企業ではないということですね。


では、本題に移り、(1)の各国の企業割合の結果から、どん。スクリーンショット 2020-04-23 22.19.57

どうでしょうか?みなさんの予想とは近かったですか?アウトプット出しての私の感想、以下の点です。
(i) インド勢、やっぱり、キテるな!
(ii) オーストラリア勢、すごい!
(iii) シンガポール以外の東南アジア勢、マジか...(衝撃)
(iv) 日本勢、健闘してる!

(i)に関して、インドは企業の層が厚いなと思いました。表では、最初の200位までは企業数が多いわけではないのに、200〜500位では割合が高くなっています(1〜200位までの割合は17%ですが、200〜500位で36%を占めている)。インドは、スタートアップでいうと、ユニコーン数が2020年初めに30社を超えていて、予備軍も80-100社以上はあり、層が厚いと言われていますが、実際に他国の企業との比較すると、それがよく分かりました。最終的な着地も、全体の約3割がインドというのは凄いと思いました。まだ市場が黎明期なので、企業数も割合も、今後、確実に増えると思います。

(ii)に関して、オーストラリア市場は、これまで気にしておらず、成長企業が多いイメージがなかったのですが、実際に、数字をはじいてみて、衝撃で、オーストラリアに興味が湧きました。特に、1〜300位までの割合が21%と高く、そこまでは1位ペースだったので、「え、このまま行くのか...」と思いましたが、300-500位で終息気味でした。

(iii)に関して、シンガポールに関しては、予想通りでしたが、他の東南アジア勢はイケてる企業があるイメージだったので、拍子抜けしました。特にインドネシアは人口も多く、経済成長率も高いので、個別企業もイケてる企業が結構あるイメージだったのですが、まさかの最下位。しかも、500社中2社しかランクインしていない...。マジか。イメージと実際は全然違うんですね。コロナ落ち着き始めたら、実態調査、行ってこようと思います。

(iv)の日本に関して、かなり健闘しているのではないでしょうか?国内の市場規模が大きいのもあるかと思いますが、これだけ多くの企業がランクインしているのは日本人として嬉しいですね。希望としては、もっと多くの日本企業が世界に出て欲しいなということですね。海外出ると、日本のサービス・製品で喜んでくれている人、たくさんいるので。ちなみに、弊社も110位に入っており、普通に嬉しかったです。しかも、実際の収益では31位。これから、海外事業、ゴリゴリ伸ばして、1位目指します!

次に、(2)の伸びている企業は、どこの分野にポジションおいているかに関しての結果、どん。スクリーンショット 2020-04-22 21.21.16

感想は、以下の点です。
(i) やっぱり、Technologyがダントツだよな。他はかなり分散していて意外。
(ii) 工業用製品って、伸びている企業そんなにあるのか?意外だった。
(iii) 途上国周りだと、Fintech × Ecommerce × Fashion, Food, Retailらへん爆伸びだから、周辺サービスもそうなるのかな。

ここのセクションは、次の(3)と重複するので(というか、(3)のためにデータ取得してる意味合い強い)、割愛します。

では、(3)の日本で伸びている企業と、各国で伸びている企業での分野比較の結果、どん。スクリーンショット 2020-04-23 0.03.04

上記データですが、(2)で加工したデータに基づき、各国と日本でどこが違うのかの比較です。水色は、各国の成長企業に比べ、日本の成長企業がポジション置いてる分野。一方、オレンジは、各国の成長企業に比べ、日本の成長企業はまだ少ない(ない)分野です。それぞれ、30%以上と、5%以下をボーダーと置きました。

<水色について>
ゲームとサポート系は、やはりという感じでした。ゲーム分野は感覚で分かるかと思います(& 私が最近のゲーム分からない古代種)ので、割愛。サポート分野は、『印鑑のデジタル化、葬式のデジタル化、タレントキャスティング、品質保証、高齢者向けデイケア、自治体支援、宅配クリーニング、医療情報プラットホーム』といった事業を行う企業がランクインしています。個人的な意見ですが、サポート分野は、その国の道徳観や倫理観が反映される分野で、性善説で回っている世界の方がサービスとしても伸びやすいと思っています。インドとの比較が分かりやすいので、例として出しますが、日本でタクシー呼んだら、ほぼ100%来ますよね。何言ってるの?と思うかもしれませんが、インドは5回連続キャンセルや1時間待ちレベルの"ヤバゲー"が頻発します(時間とエリアによる)。Uberアプリでドライバーと自動マッチングした後、ドライバーが電話かけてきて、そのドライバーが行きたくない場所ならキャンセルされるの普通に起きます。また、ホテルの予約サイトで5,000円で予約したら、日本なら100%、その金額で泊まれますよね。インドは、ホテルに到着したら、ホテルオーナーに「外国人なら追加料金払え」とか言われること、多々あります。賃貸契約済んでいる物件も、いきなり「今日から家賃上げるから払って。払わないなら、出て行け」とか、そこそこ聞きますしね。プラットフォームサービスやルール決めても、末端でプレイヤーが自分の解釈や利益を優先して、サービスが変形する国では、サービス系のビジネスは難しいな(時間と費用かなりかかる)(どこにインセンティブ持ってこようかしら)とは個人的には思います。インドは極端かとは思いますが、日本ほど、サービス分野が伸ばしやすい国はないのではないのでしょうか?という意味で、すごい伸びている理由もここにあると思います。(インドに対する熱量高すぎて、めっちゃ長くなった。全部ガンジス川のせいだ)

Property(不動産等の資産分野)に関しては、市場企業はとても大きい(日本の不動産市場の規模は製造、医療に次ぐ3番目の規模(40兆円)(※年度によって順位変動ある))のですが、法律及び既得権益ガチガチかつ、超アナログな業界で、専門性も高いのでひっくり返す難易度は高いです。ただ、うまい角度でデジタル持ち込めば、インパクトも大きい分野です。日本の企業が他国に比べ割合が高いのは、そこをうまくやって、大きな成果が出始めている企業がポロポロ出始めている結果なのかなと思っています(弊社もそれで伸びています)。経営コンサルとサイバーセキュリティーは、外資系のイメージが強い&急成長している日系コンサルがあまり浮かんでこなかったのと、サイバーセキュリティーは日本はむしろ弱いイメージだったので、意外でした。詳しい人、教えてください。

<オレンジについて>
(2)でちょこっと書きましたが、他国における工業製品系が多いのは意外(スタートアップがそこに入っているのは知らなかった)でしたが、日本の40-50年前が途上国の今の状態で、インフラや工場が大量に建設されている真っ只中なので、それに伴うサービスも伸びると思います。一方で、日本で水俣病とかイタイイタイ病って教科書で習ったかと思いますが、特にインドは環境の問題が本当に深刻で、同様に身体に影響が出ている状態です。大気汚染もですが、水があと5-10年で尽きるような状況でもあり、タンク車が街で水を配っています。今回の「廃棄物処理やリサイクル分野」の企業の国見ると、インド: 4、シンガポール: 3、オーストラリア: 1、韓国: 1となっており、事業内容は「水・下水道処理、ゴミ処理、トイレ、金属リサイクル、ハイテク農業、有害廃棄物処理」ですね。国レベルで、水問題やゴミ・廃棄物処理問題に頭悩ませている国だなと思います。JETROやJICAを通じ、政府機関や州政府から問い合わせがあるくらいなので、ニーズが高い分野ですね。工業製品系と廃棄物処理系は高い技術力を持っている企業が日本はたくさんあり、日本で当然のように使われているサービス・製品が、途上国ではイノベーション級のものとして機能するということも多々あるので、日本企業にとってはチャンスが大きい分野かと思います。

「飲食系」は、各サービス見てみると、『酒類・コーヒー・お茶・牛乳といった飲料類、スーパーフード、野菜・海鮮系のデリバリー』といった項目ですね。途上国観点で見た飲食系のキーワードは、「食の安全性と透明性」「地産地消」「食のエンタメ化」あたりでしょうか。途上国で食事の際にまず考えるのは、「これ、口にして大丈夫か?」です。これ、日本人だけじゃなく、ローカルの人も考えています。でも、多くの人は経済面の理由で、安心安全で美味しい食事には行き着かない。また、宗教の存在はとても大きいです。例えば、インド人を日本食料理屋連れて行くと、ほとんどのものが食べられません。宗教の存在を日常生活で意識しない日本人からすると考えられないかもしれませんが、宗教を理由にアクセスできる食事に制限があるのは海外では普通ですね。日本に帰って来るたびに食の自由度・多様性を感じますし、感動します(で、デブります)。最近は、途上国でも経済発展に伴う所得の増加や価値観の変化で、富裕層や若年層を中心に、食の自由度は広がってきており、完全に日本と同じ状態にはならないかと思いますが、今後、日本が強みとして持っている「サービス×食」の組み合わせは強い差別化ポイントになると思いますので、期待ですね。あと、途上国の飲食関連では、食品加工・保存、ロジスティックス系のサービスも、投資が集中している熱い分野ということも書き残しておきます。


「Fashion & Beauty」に関しては、途上国では娯楽施設等が限られるので、消費するところがそこに落ちるというのはありますが、日本はどういう企業が伸びそうなのでしょうか。VR・ARとEcommerceの組み合わせや、サブスク系は熱い企業もあり、ポテンシャル高く、面白いですよね。そういえば、この前、私が購入したジャケットは、30秒でまくらに早変わりし、飛行機や新幹線と言ったちょっとした長距離移動をする人にとっては、嬉しい商品でした。


という感じで、長くはなりましたが、面白いランキングだったので、意見書いてみました。もっと深堀りしてみます。皆さんの、ご意見もお聞かせください。

コロナで自粛期間が続きますが、美味しいもの食べて、元気に過ごしましょう!では、また!