「プロセス」は大事~母には、学習した「時間」があったのだ!
介護施設に入所した母の「隣の部屋」に、新しい「Sさん」が入った。
Sさんは、「歩行器」を使っている。
「歩行器」があれば、一人で移動できる。
食事の時間、食堂まで行くのに、Sさんは、とても時間が掛かるらしい。
後から、母が行くと、追い抜いてしまうぐらい、ゆっくりだそうだ。
母は、追い抜いては悪いと思い、追い抜かないよう、彼女の後ろから、ゆっくり歩いていく。
Sさんと、母は、「お喋り」をするようになった。
Sさんには、「娘さん」がいらっしゃる。
その娘さんに、この施設に入所させられたことが、「とてもショック」だと、母に話した。
もともと、娘さんとは、別々に生活をしていて、交通機関を使わないと行き来は出来ない距離の様だ。
おそらく、娘さんは、「歩行器」で生活している母親を心配し、介護施設の入所を決断したのだろう。
逆に、「歩行器」を使わないと歩けない状況の中、Sさんは、一人暮らしをしていたわけで、ヘルパーさんを利用していたとしても、想像するだけで大変だ。
娘の立場で考えたら、当然、心配だよね~
だから、私は、娘さんが、「施設入所」を決断した気持ちは、よくわかる。
私は、今年5月に母が施設に入るまで、何年か一緒に暮らした。
さんざん、noteにも、「ぐち記事」を書いてきた。
母は、私と一緒に暮らした数年間で、様々な「経験」を積み、そこから「学習」したのだ。
「デーサービス」から始まり、「ショートスティ」「訪問診療」「介護リース」いろんな「介護サービス」を使ってきた。
「ショートスティ」を利用し始めた頃、母は、どこか納得していなかった。
でも、「私が入院とかなったら、どうする~?」とか、いろんな「仮説」を話して、最初は「練習だから~」とか言って、上手く「母の気持ち」誘導した。
「ショートスティ」がだんだん慣れてきて、そこでお会いする方々(利用者さん)から、母は、いろんな話を聞いた。
自宅は、息子夫婦との同居なので、「お嫁さん」に気を使って、月に数日は、「ショートスティ」に来ている方とか、
ご主人が亡くなって、自宅で一人で住んでいる方とか、
様々な事情を抱えている方たちがいることを、母は、学習した。
特に、一人暮らしをされている方から
「ここ(ショートスティ)は、ほんと~に、イイですよ!」
なんて言われると、母は、そうなのかな~って思う。
★お会いした事は無いけれど、
その「利用者さん」
ナイスアシスト!です!。
「ショート」から帰宅し、その話をする母に、
「その人の言う通りだと思うよ~」とかい言って、母の気持ちが、「介護施設」に対して、「いい場所なんだ~」と好感を持てるように、私は、上手く丸め込んだのだ!
そこから、「ショートスティ」の利用の回数を重ね、徐々に、そういう場所、つまり「介護施設」に慣れていった。
母は、今の「施設入所」まで、1年以上の「プロセス」を踏んだのだ。
Sさんにしてみたら、自宅に残してきた「荷物」も、心配している。
この「心配」は、「片付けなくては!」ということでは無く、自身が所有する多くの品々に対する「執着」に近い「心配」なのだ。
母も、50年住んだ家を離れ、今の場所に来て、ことあるごとに
「私、こういうバック持ってたのよね~、確か、あそこにしまってあったんだけど・・・」
みたいなことを言って、
私にとっては、「あなたが、勝手に捨てちゃったんでしょ!」と言われているようで嫌だった。
じゃあ、あなたは、実家を処分する時、
自分で少しでも片づけたんですか~~!!!!と、言いたい!
母は、自身が所有していた多くの「荷物」と離れて、5年という年月を過ごし、少しずつ、「以前の生活」を手放しながら、「老い」を受け入れていった。
でも、Sさんは、違う。
自宅で生活をしていて、そこから一気に、今の施設に入所された。
娘さんだって、自分の生活があるし、母親を心配しても、どうにもならない状況を、きっと続けてきたのだろう。
母は、Sさんの話を聞いて、
「娘さんだって、歳をとっていくし、生活もあるわけでしょ~」とか言って、先輩っぽく、慰めてあげたらしい。
母だって、「プロセス」を踏まなければ、ブツブツと「文句」の電話を掛けてきただろう。最初の頃「ショートスティ」もそうだった。
だから、私は、今でも、母に会いに行くと
「孫たちも、おばあちゃん、良い所に入れてよかったね~って、言ってるよ~」とか、
「本当に、イイ施設に入れて、良かったよ~」とワザと言っている。
実際、母の「最低条件」を満たすお部屋に入れたし、スタッフの方たちは、気持ちよく接してくれる方たちばかりだ。
本当に有難い。
めでたしめでたし・・・
よろしければサポートお願いします! 頂いたサポートは、「刺繍図書館」と「浪江・子どもプロジェクト」の運営に使わせて頂きます! サポート頂けたら、大変助かります。