見出し画像

「ハンガリー刺しゅう」のグループLINEで繋がる~「刺繍展」の先

5月(2023年)の「母の刺繍展」では、ハンガリー刺しゅうの「作品展示数」の割合は少なかった。母の作品の中で、「ハンガリー刺しゅうの作品」は、もともと少ないのだ。

しかし、それとは反比例に、ハンガリー刺しゅうの「書籍」と「図案」、さらに「資料」は、ギャラリーに多数用意できて、そのことをインスタで告知したおかげか、思った以上に、「ハンガリー刺しゅう」をやっている方が、来てくださった。


刺繍展の会期中、日替わりで、繰り広げられる「刺繍トーク」をしながら、そのうちの何人かが、ヴォーグ学園(東京校)の井沢りみ先生の「ハンガリー刺しゅう教室」の生徒さんで、お互いに「お知り合い」だといういことが、分かった。

現在は、井沢先生が、東京を離れていらっしゃるため、教室がクローズになり、その後、「ハンガリー刺しゅう教室」が、行われていないらしい。

そんな中で、”行き場を失った”皆さんは、「グループLINE」で繋がりながら、情報をシェア二し、刺しゅうを続けている。

「母の刺繍展」の情報も、その中でシェアしてくれたのだ。

有難いことに、私は、この方々の「LINEグループ」に入れて頂いた。

「ハンガリー刺しゅう」は伝統芸術のひとつ


「ハンガリー刺しゅう」には、いくつかの「種類」がある。

この「種類」は、ハンガリー国内の地方によって、刺しゅうの「やり方」や「作風」が、異なることに発祥している。

例えば「カロチェ」「マチョー」「ブジャーク」などの名前が、刺繍の名称として付けられているけれど、これらの名前は、ハンガリーの「地方の名前」を「刺繍名」としている。

そして、「伝統刺繍」として伝承されている「ハンガリー刺しゅう」には、決められた「ルール」がある。「ハンガリー刺しゅう」は、「図案作成」から、この「ルール」に従って、作品を作るられる。

私には、その詳細を説明する程の「知識」は無いけれど、母がよく「ハンガリー刺しゅうには、決まりがあるのよ~」と言っていた。

ところが、最近、この「伝統的ルール」が、崩れてきていると「LINEグループの方たち」は、嘆いていた。

ハンガリーで「伝統刺繍」として、伝承されてきた「ハンガリー刺しゅう」は、本当に奥が深い。

私の母は、あくまでも「欧風刺繍」の中の一つとして「ハンガリー刺繍」を学んでいた。

しかし、「母の刺繍仲間」だった(故)小柳太美子さんは、「雄鶏刺しゅうグループ」引退後、「ハンガリー刺繍」一筋に、活躍されていた。

彼女は、「ハンガリー語」を学び、「原語の専門書」を読み、現地を訪れ「ハンガリーの文化や歴史」に触れながら「ハンガリー刺繍」への「強い探究心」を持って学ばれていた。


きっとそれは、「ハンガリー刺しゅう」が、それに値するぐらい、奥が深いという事だ。

「小柳さんは、ハンガリー語が、読めるのよ~」と、母は、よく感心していた。


現地「ハンガリー」でも、「伝統的」が、失われつつある状況


コロナになる直前に、ハンガリーに行った方が、最終日、来場された。
この方から、最近の「現地の様子」を伺う事が出来た。

昨今では、現地のお土産品として売られている刺繍は、殆どが機械でされていて、「手刺繍」ではないという。


母が、むかし「刺繍の研修旅行」でハンガリーに行った頃は、観光客用とはいえ、「民族衣装」を着た現地の女性たちが、集まってチクチクと刺しゅうをしている場所を見学していた。(どこかに写真があるはず・・・)

「手刺繍」をすることを前提に「図案」が写された「刺しゅう用の布」とかが、「お土産品」として売っていた。母は、それを買ってきた。


母が、最後に「刺繡らしい刺繍」をやったのも、ハンガリーで買ってきた「テーブルクロス用」の布に「カロチェ」の図案が写されていたものを仕上げたのだ。

※ヘッダーの写真が、そのテーブルクロスです。
母は、まだ生きてるので「遺作」とは言わないけれど~、すっかり刺繍はやらなくなり、このテーブルクロスが、最後の作品になると思います。


さらに、ハンガリーの「刺繍文化」そのものが、伝承者の減少などで、「国内でも、衰退している感じがする」とその方が話された。
そんな背景もあり、「ハンガリー刺繍文化」を学ぶための書籍が、新たに出版されず、現地でも「専門書」を探すのが、困難な状況らしい。

日本の伝統工芸や文化も、国内では、衰退している感じがする。むしろ、外国人によって、再評価されていたりするのは、なんか似ている。


グループLINEで、情報をシェアする



この「グループLINE」に参加させてもらうようになって、いろんな情報が入ってくる。

例えば、このイベント情報を頂いた。

「母の刺繍展」のリピーターさんで、母の「やり掛け刺しゅう」を完成させてくださった方も、「ハンガリー刺しゅう」に特化して、刺繍をされている。

私は、彼女にも、この「イベント情報」を転送した。

彼女は、このイベントを主催されてる「筒井はるみ先生」の「生徒さん」だったこともあり、大変喜んでくれて、私も嬉しかった。

◇◇◇◇◇◇

この「グループLINEの皆さん」は、みんなで「集まれる場所」を探しながら、一緒に刺繍を楽しんでいる。

その際に、新たに入手した「ハンガリー刺しゅうの本」があると、それを持ち寄ったりしている。

「今度、持っていきますね~」と、LINEに送られてくる「本の写真」をみると、「それ、ウチにありますよ~」と手を挙げたくなる。

LINEのやり取りをみながら、まずは、単発でもイイから「図案と書籍」だけの「何か」は絶対やろ~!そんな気持ちになっていく。

刺繍展に来てくださった方から、会場に置いた「書籍・資料」を「ゆっくり見たかった」という声も、頂き、「私、この人たちの役に立てるぞ~!」と、気持ちを奮い立たせている私なのだ!






よろしければサポートお願いします! 頂いたサポートは、「刺繍図書館」と「浪江・子どもプロジェクト」の運営に使わせて頂きます! サポート頂けたら、大変助かります。