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紅型と型絵染の違い

良く聞かれることに
紅型と型絵染めの違いがあります。
渋紙に模様を彫って型紙とし、
それを布に乗せて 糊で防染したり直接色を擦り込んだりして染める。
その工程は ほとんど同じなのに
出来上がった作品を比べれば
紅型は紅型だし 型絵染めは型絵染めなのです。

歴史的に言いますと
紅型の起源にはさまざまな説がありますが、
中国の影響を受けた型染めが、既に15世紀の沖縄には存在していました。
インドやジャワの更紗の技法、さらに16~17世紀にかけては
京友禅の技法も伝わり、色彩豊かな琉球の衣が確立していきました。

対して、型絵染め、という言葉は 1956年に芹沢銈介が
人間国宝に認定された時に 初めて使われた名称です。
型紙を使い模様を染める、というのは
江戸小紋、伊勢方、長板中型など 江戸の頃からありますが
図案、彫、染めが分業であったのを
芹沢氏が 独特の感性で一人で仕上げた功績によって、です。
遠く 琉球王朝から続く 紅型の歴史とは比べるべくもありません。

技術的に言えば
紅型はシーグと呼ばれる凹状の小刀を用いて
突き彫り、という技法で点と点を繋いで線を作るように
模様を彫っていきます。
これにより色の境が柔らかなラインになります。
また、染めには 顔料を使います。
元々が王族、士族の衣装であった紅型は
堅牢度よりも 色彩の鮮やかさ、力強さを求められたのです。
顔料の粒子は粗く、布の繊維の中まで入り込めずに
表面に付着するので はっきりとした原色に近い発色になります。

これに対して染料を多用する型絵染めは
染料が布に馴染み 柔らかで深みのある色が多く
型を彫るにも様々な技法、様々な彫刻刀を使えます。
また 型紙に彫った柄を連続的に染めることが多い
紅型に対して 型絵染では
柄の1つ1つを別の型で彫り上げ
配置を変えたデザインを作ることもしやすいです。

しかし 技術云々よりも
決定的な違いを感じさせるのは
やはり歴史的な背景だと思います。
かつては 王族の専属のデザイナーも居た紅型は
花鳥風月、自然界から題材を得たものが多く
伝統的な様式美と 風格があります。

型絵染めは
芹沢銈介の独自性を表すために作られた名称が示すように
自由で奔放な、大らかさに魅力があります。
図柄の題材も 芹沢の代表作にあるような
いろはの文字であったり 生活の中の道具や風景、
様々なモチーフが 様式にこだわることなく
自由なのびやかさと 力強さを感じます。

紅型も型絵染も帯で1つ持っていると
コーディネートに楽しみが増えますね。


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