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32.生きるためには大忙し 〜〝できる夫〟プロジェクト!〜

私には脊髄損傷に伴う内部障害もある。そのため訪問看護、入浴介助、リハビリ、ヘルパーなどたくさんの方にお世話になっている。

利用開始の頃は、家族以外の人が毎日のように出入りしていた。退院直後は週5日、それも午前午後とこれが私の仕事だっけ⁉︎と思うくらい忙しい。

午前に看護師さんが見えたかと思えば、午後からはリハビリ。掃除のヘルパーさんが見えたかと思えば、入浴介助。と毎日目まぐるしい。週末にはぐったりして、残業終わりのサラリーマンのようになっていた。

それに加えて、私は超ーがつくほどの人見知り。慣れれば大丈夫でしょっと言われそうだが、ヘルパー事業所の閉鎖や退職者に伴うヘルパーの変更などなど、次から次へと色々な人がやって来る。もうストレスでしかない。

そこで夫と話し合い、最低限の支援をお願いして、他は辞めようと決めた。もちろんなくなれば負担は大きくなるが、それでも自分達で頑張ることにした。

そしてリハビリとヘルパーを減らし、週3日お願いすることになった。なければないで何とかなるものだ。夫は今までゴミ出しひとつやったことがなかったが、ゴミ出しと買い物担当になった。

最近の若者にしたら当たり前でしょって言われるかもしれないが

いえいえ、とんでもない!」

私の世代では、まだまだ女性が家事をするという考えが拭いきれない。

なので、これは有り難い副産物となった。夫も老後の練習になるだろう。しかし、この買い物担当が難関を極めた。

買い物へ行く時は、私が買う物の一覧をLINEで送る。ところが夫は買う物を考えないにしても、凄〜く早く帰ってくる。うん?

レジ袋を開けて唖然!それもそのはず、言われた物をただポンポンとカゴへ投入!そりゃー早いに決まっている。

お陰で賞味期限間もない前日の売れ残りからヨレヨレの野菜。それから大変なのがお肉。欲しいものが手に入るまでに何回掛かったことか、はぁ〜ぁ〜…。ため息しか出てこない。

それから調味料や粉物といったら大変だ。写真を添付しなければひと月待とうが欲しいものは手に入らない有り様。

仕方なく新入社員を教育するがごとく手取り足取り教えるしかない。賞味期限をよく見ることから始まり、野菜の名前、新鮮な野菜の見分け方と「お前は子供か?」と言いたくなる。

姑の小言さながらに愚痴がとめどとなく出てくるが、そこはグッと堪えて夫の伸びしろを信じ、これからの成長に期待することにした。

家事は女性という固定観念から解き放たれたが、新しく教育係のお仕事が増えました。

〝できる夫〟に仕立てるのは難しい!



33話目へ続く…


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