見出し画像

7.大当たり‼︎ 〜こんなところで運を使うとは〜

宿泊予定の忘年会を一人早く切り上げて、夫が帰って来た。私の普段とは違う不安な声に気づいたようだ。

私、脊髄に腫瘍ができていて、良性か悪性かを手術して調べるんだって

いつも冷静な夫だが動揺している様子だった。

それから夫婦で主治医から説明を受けた。聞けば聞くほど、何やら面倒な病気らしいということが分かったてきた。

症例が少なく、私の住む県では年に1人か2人ということだった。日本人の胃がん死亡数は毎年男性3万人、女性1万8千人前後ということなので、それと比べればかなり希少なことが分かると思う。

私は子供の頃からくじ運だけは良い子供だった。それは私の名前のおかげかも知れない。

最近はキラキラネームも多くなったが、当時としては私の名前の漢字はとても珍しかった。今まで同じ名前の人に出会ったことがない。

昔のヤンキーが当て字で夜露死苦〝よろしく〟とか、本気〝まじ〟など学ランの背に刺繍していたが、私の名前もそれに近いものがある。友達からはふざけているのかと思ったと言われたこともある。

両親のために言っておくと、決してふざけた訳ではなく和尚さんに名付けて頂いたそうだ。

なので応募ハガキから選ぶときに名前が目立ったのだろう。一番のビッグなものでは海外旅行も当たったことがある。

そんなこんなでよく当たるので、宝くじは買わないことにしている。そんな簡単に当たらないよと言われそうだが、もし楽して〇〇億円が当たったら人生狂いそうで怖いのだ。

しかし、今回も大当たりだ

  しかも

    まさかの   

貧乏くじ‼︎  

 


こんな珍しい病気まで当たらなくても良いのにと自分の運命を嘆いた。


8話目に続く…


1話目からお読み頂けたら嬉しいです😊

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?