44.車椅子ユーザーの靴事情
車椅子ユーザーの靴選びは結構大変!
私は胸の下からの完全麻痺。動かないのはもちろんだが、痛いも、熱いも、寒いも、痒いも、くすぐったいも、なーんにも分からない。
靴を履くのに何が問題なの?と思われるだろうが、これが厄介!
赤ちゃんや人形に靴を履かせたことがある人なら分かるかもしれないが、それに近い。感覚のない足はぐにゃぐにゃしていて、思うように履けない。
普通は知らず知らずのうちに足に力を入れ、自分の体重を使って履いていると思う。しかし、立てない私は手で押し込むしかないのだ。靴に足を押し込むと、足の指が曲がったりしてなかなか入ってくれない。
そこで少しでも入りやすいようにと、ワンサイズ大きめの靴を購入する。それから踵が車椅子のステップから浮いてしまうので、パンプスのように甲の浅い靴は、踵が脱げてしまう。そのためにガッツリ甲の隠れるタイプの靴を選んでいる。
こんな感じなので、履ける靴は少なくなった。
先日、靴箱の整理をしていたら、サンダルやヒールのある靴がわんさか出てきた。
「うわー!懐かしい!」
「これ気に入っていたんだよねー」
なんて言いながらも
「もう無理!無理!履けない!履けない!」
とゴミ袋へポイポイ!
夫からは記念にとっておいたらと言われたが、そこは現実的な私。履けないものなど興味もへったくれもない。
ポイ、ポイ、ポイ、ポポポ……。
ダンボールに二箱くらい山のようになった。我ながら2本の足のためによくぞここまで買い込んだものだと感心した。
お陰で私の靴が占領していた靴箱は、すっかりガラガラになった。これからまたぼちぼちと買い揃えようかな。「お前また買う気だろう」と夫に言われそうだが、もちろんです。
「男は黙って、カードをピッ!」
「社長、ありがとう〜」
ふふふ。
45話目へ続く…
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