見出し画像

20.もしかして私って…。 人に言われないと気づかないことってあるよね!

リハビリ病院 通称〝国リハ〟へやって来た。

病室は4人部屋だったが患者は私一人。広い部屋にポツンと一人は少々心細いが、音など気にする必要もないので、ある意味個室の状態でラッキー!といった感じ。

食事は食堂でみんなで和気あいあいと食べるので、段々と仲良くなっていく。

若い頃歌手デビューをしたという60代男性は、当時の芸能界の裏話から人生相談までいろいろと話してくれる。まるでワイドショーのように盛り上がる。どこにいても私を見かけると「めぐさん、おはよう!」などと声を掛けてくれる気さくな人だ。

それから別の患者さんで釣り好きのおじさんがいた。このおじさんは週末になると外出してはお団子やお饅頭など「これ美味しいよ!」と私の病室に届けてくれた。

また別の患者さんで車好きの男性は、空き時間に食堂へ行くと、私を見つけては車の話やドライブの楽しさを語ってくれる。

そしてあるとき看護師さんから

「めぐちゃんってさぁ、おじさんに人気だよね。」

と言われ私は驚いた。

「えっ⁉︎」

考えてみれば私は若い頃からおじさんに気に入られていたかもしれない。

会社では上司に食事によく連れて行ってもらった。うなぎ、天ぷら、お寿司、とんかつ…。若い頃の私では到底行くこともできない老舗のお店でご馳走になった。

極め付けに上司のご自宅にお呼ばれして、奥様の手料理までご馳走になった。これは何とも気まずくてあまり嬉しくはなかったが…。

普段でも「人気のクロワッサンだよ」とか、「お取り寄せの漬物だよ」とよく頂き物をした。これは私が一人暮らしをしていたからだと思っていた。

また、会社を寿退社したときには、月に一度しか会わない別の部署の役員のおじさまから結婚祝いを頂いたこともある。

これってもしかして

私、永遠の

おじさんキラーなの⁉


この年になって気づいても、遅いよー!
これからではおじいちゃんキラーじゃない‼︎

嬉しいような、悲しいような…。
せめてイケおじでお願いします。

脊髄損傷の患者さんは比較的男性が多いとはいえ、こんな感じで入院生活が始まった。

21話目へ続く…


1話目から続けて読んで頂けたら嬉しいです😊↓



この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?