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どん底を味わった人の重み

私は取材でその人の今だけではなく、過去から掘り下げるようにしています。

なので他の人のインタビューよりも時間がかかりますが、私はその方の過去を聞いてからじゃないと今や未来の話を聞きません。

理由は簡単で、過去がその人の今を作っている土台だからです。

家を建てるときの基礎がしっかりしていないと、上に乗せたものが崩れてしまいます。そして綺麗には見えません。

なのでその上に乗せるもの、インタビューでいえば今のお話をより輝かせるため、必ず過去のお話を伺うようにしています。

そうすると同じ言葉であっても、その人にしか出せない言葉の重みが出てきます。


昨日こんな投稿をしました。

この投稿の通りの非常に気さくな方で、常に笑顔の絶えない紳士的な方です。

お話の引き出しや笑いのネタも多くお持ちで、個人的に仲良くしていたのをインタビューすることになりました。


結構気心知れた方だったので、インタビューもそれほど時間はかからないかもしれないと思っていました。

しかし蓋を開けてみるといつもと変わらないガッツリとしたインタビューに。

単純にも話が盛り上がったというのもありますが、私が今まで聞いていなかった壮絶な過去をお持ちだったからです。

そして今のその方からは全く想像できない過去の話に、まるで歴史の小説を読んでいるかのように引き込まれていきました。

どん底を味わい、そのどん底から這い上がった人の言葉は、他の人にはない重みを持っていたのです。


相当つらかったと思います。

納豆が腐った話を皆さんは聞いたことがありますか?私は冗談だと思っていましたが、本当にあるんだと昨日初めて思い知りました。

こんな人のお話を、お仕事とはいえ聴かせていただけた機会は非常に貴重だったのだと思います。


インタビューが非常に面白いなあと思う世界です。

インタビューによって出来上がる記事は違いますし、大事にしているもの、フォーカスするものは違います。

私はあえて過去を深堀する。話しづらければ語っていただかなくて大丈夫ですとは前置きするものの、みなさん自然とお話頂いています。

人の過去を深堀するのは勇気がいるかもしれません。

しかし文字でその人の人生に触れようと思う方に対して、その方の発する言葉の重みを知ってもらうためには避けては通れないものだと私は思っています。

これだからインタビューはやめられない。

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