見出し画像

【おすすめの詩的なエッセイをご紹介】大きな流れの中で生きるあなたへ

こんばんは!自由丁スタッフの髙野です。
先日コンビニでみかんが丸ごと入ったサンドイッチを見つけて思わず買ってしまったのですが、その時にそういえばそろそろみかんが美味しい時期だなぁと思い出しました^^

我が家では、箱でみかんを買うのがこの時期の恒例なので、早速買いに行こうと思います♪
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

さて、今回も「自由丁今朝の落書き」よりおすすめの一篇をご紹介します!


おすすめの一篇『流水石』

君がゆくから
走っていきたかった私

多分ずっと
あの頃のままだ

人々は流れ
私は小さな岩か何か
削れていきはするけれど
そこを確かに動かない
きっといつか流れてゆく日があるのだろう
けれどその頃にはもう
自らがそこに居ることすらも覚束ない
とても軽い私になっているだろう

君が何も言わぬから
隣に居ようと思った私

多分ずっと
あの頃のままだ

人々は流れ
私は小さな岩か何か
磨かれてはいくけれど
全てを好んで受けたわけではない
きっといつか忘れていく日があるのだろう
けれどその頃にはもう
数えられる程度のいくつかだけを持つ
言葉の要らぬ私になっているだろう

君がいつか
私を拾い上げ
あるいは見つめ
思うことが生まれるのなら

それは恐らく
あの頃の私たちが
確かに変わり至った証だろう
奇跡の類の果てだろう

本日も、読んで下さりありがとうございます。水滴は、流されないことの難しさに憧れる。岩石は、流されていくことの難しさに憧れる。

2023年11月15日の「自由丁今朝の落書き」より

自由丁スタッフからのコメント

読みながら、ふと小学生の頃に受けた理科の授業を思い出しました。
川上から川下に向かうにつれて、石は次第に角が取れて小さく丸くなっていく。その様子を見て、あんなにも硬そうなのに随分と形が変わるものなんだなぁと、幼心に驚いた記憶があります。

そんな自然現象を思い浮かべつつ、そこに自分を重ねながら読んだ一篇でした。

時に、自分だけが変わっていなくて、周りの環境は急速に変化している。そんな風に感じることがあります。でも一方で、とても流動的に変化している自分を実感することもあります。

そんな風に流されたり、時にはその場に留まったりして、少しずつ何かを変えながら生きているのかもしれないですね。私も、もしかしたら読んでくださっているあなたも。

いつか流れ着いた先でどんな変化を遂げているのかはわからないけれど、いずれにせよそこに残るのは自分が生きてきた証なんだろうなと、そんなことを想像しました。

皆さんはどんなことを思いましたか?
自分の力が及ばないような大きな流れの中で生きているのだとしても、辿り着く先の自分の姿には、希望を持っていたいものですね。

自由丁今朝の落書きについて

自由丁今朝の落書きは、自由丁オーナーであり、詩人・エッセイストの小山将平が毎日書く言葉たちです。

ご紹介する作品は、あなたの気持ちにそっと寄り添ってくれるような詩だったり、思わず一緒に唸ってしまうような日頃の考え事を綴ったエッセイだったり。
内容は様々ですが、何気ない日々の他愛ない時間を愛でるような、ほっと一息つけるような文章が多いです。

数分でお読み頂けるものなので、ちょっとした休憩時間に、待ち合わせの合間に、眠りにつく前に、ぜひ。
▼これまでの作品や最新作はこちらからお読み頂けます!

最後に

こちらの記事では、一週間のうちに書かれた「自由丁今朝の落書き」の中から、自由丁スタッフがおすすめの一篇を選び、コメントと共にご紹介しています。

一緒にあれこれ考えてみたり、ただぼーっと読んでみたり、お気に入りの一篇を探したりして頂けたら嬉しいです!
「こんなことを思った」「この言葉に共感した」などの感想をシェアして頂けたらさらに大喜びです。ぜひフォローもよろしくお願いします^^