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Serious Game(シリアスゲーム)に関する研究作品①-オレンジの絆

Serious Gameとは、エンターテイメント以外の目的のゲームで、学習、トレーニング、戦略開発やアートに利用されています。例として、博物館でよく見かけるシミュレーションゲームとクイズゲームはSerious Gameとみなされます。

2019年に、名古屋市科学館でとった地層探險ゲームの写真。ゲームを通じて地層の種類などを学べます。

Serious Gameにおけるゲームデザインやインタラクションを注目し、研究を行っています。今回紹介したいのは、協力と競争が学習成果に与える影響を検討するための農業教育ゲーム、「オレンジの絆」です。

ゲームのゴール

果物の品種をすぐに分かる人がいますが、どうしても分からない人もいます。従って、このゲームのゴールは、オレンジに関する文献と写真を利用して、オレンジの品種を区別することです。このようなゲーム経験で、プレイヤーがよりオレンジの品種や関する資料を理解できることを期待します。

ゲームプレイ

競争と協力が学習成果に与える影響を検討するため、このゲームは個人版、協力版と競争版の三つのバージョンがあります。個人版では、プレイヤーが写真と文献両方見えます。協力版では、一人のプレイヤーが写真を見えます。もう一人のプレイヤーが文献を見えます。二人はチャットで話し合いながら、オレンジの品種を区別します。競争版では、プレイヤーも写真と文献両方見えますが、先に欲しい文献を手に入れるように競争することがあります。
このようなデザインより、ただのスコアの協力と競争だけではなく、豊かなインタラクションができると考えます。

「オレンジの絆」個人版の環境
協力版と競争版のインタラクションの例

作り方

このゲームはUnityで作り、C#でゲーム内のタイマーやスコア計算などを書きました。会話シーンと選択肢はFungusというツールを利用しました。Fungusを利用すると、視覚的のダッシュボードでMVCやストーリーの流れがコントロールでき、短い時間で試作できます。しかし、ほかのツールとの不具合も注意しなければならない。もし、自分でMVCやストーリーの流れがコントロールすると、コルーチンで実現できると考えます。
チャットの部分、Slack、Flow XOとGoogle Sheetsを利用しました。Slackで、複数のチャンネルを作れる、一組が一つのチャンネルに入れ、実験として便利だと思います。Flow XOで、チャットボットを作ることで、チャットの流れをコントロールしました。そして、Google Sheetsをアクセスすることで、文献に関する競争をコントロールしました。Flow XOでGoogle Sheetsをアクセスする方法はFlow XOのウェブで書いています。

チャットボット「謎のオレンジ」、プレイヤーに「どの文献が欲しい?」とか聞きます。

結果

24人が実験を参加しました。競争版と協力版のスコアと満足感は個人版より高かったです。しかし、競争版と協力版の差が見つかりませんでした。このような結果より、多人数のプレイヤーがSerious Gameにいい点があると考えます。

この研究の結果はHCII 2019で発表しました。
興味があったら、ぜひチェックしてみてください。もし、何か質問やコメントやおすすめなSerious Gameがあれば、教えてお願いします。


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