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日本の危険動物「こいつらが最凶の人殺し」【哺乳類編】

動物たちの“アグレッシヴなアプローチ”

熊、猿、鹿、イノシシなどによる獣害がこの40年激増している。

たとえば75年から2002年までをみると猿の場合は1.5倍にも増えたとか。特に昨年は熊による被害が例年の比較にならないほど報告された年となった。

それは何故だろう。
一説によると、動物たちは、明治以降の激しい人口増加と近代化で、一時的に山間部農村部に移り住んだに過ぎないという。

江戸時代には、都市部でも動物は人間と今より共生しており、「獣害」も当たり前だったというのである。

あと100年後には、大正時代のレベルにまで激減するという日本の人口。
動物たちの襲撃は、それを見越た彼らなりのアグレッシヴなアプローチなのかもしれない。

アライグマ

その愛くるしい容貌から、日本ではペットとして人気が爆発したアライグマ。だが、人になつくのは生後3ヶ月のみ。
急速に成長し、凶暴化する。猫をもエサにするその食性は既に獣の域。

この20年で住宅地でゴミ漁りや農作物被害が激増しただけでなく、狂犬病の感染源ともなっている。

「アライグマは邪悪よ。ゴミを漁るし、除けようものなら鋭い爪で襲いかかるわ。垂直な壁すら余裕で登るのよ」

とは、カリフォルニア出身のH女史の弁。襲われたら逃げられないのだ。

クマ

1915年、北海道三毛別で、ヒグマが民家の母子を殺害、その通夜にまたも同じ熊が、悲しみに沈む弔問客を襲い、妊婦を含む4人を殺した事件は現代も語り継がれる。

熊の恐ろしさは、一度逃げても、時間をおいて襲ってくること。

70年の「福岡大ワンゲル部ヒグマ事件」では、逃げ延びた者が、その夜奇襲され、殺されている。かつて人を襲うのはヒグマだけと言われたが、98年には山形で、臆病なはずのツキノワグマが3名を殺害した。

昨今の熊どもは種類に関係なく、人肉の味を覚えたようだ。

サル

作家の子母澤寛は、晩年自宅における猿との壮絶な共同生活を手記に残しているが、その懐きにくさと攻撃性は筋金入りのものであるらしい。

実際“愛猿家”を自称する者たちの体は生傷どころか、咬まれて裂傷だらけだ。

専門家によると猿は、浮浪者狩りをするヤンキーのごとく、人間を下等とみなしており、女子供を襲う傾向があるとか。

2010年静岡で起きた「噛みつき猿事件」では、1ヶ月に100人に及ぶ被害者が出た。映画「猿の惑星」は決して絵空事ではないのだ。

<著者プロフィール>
やまだおうむ
1971年生まれ。「わくわく北朝鮮ツアー」「命を脅かす!激安メニューの恐怖」(共著・メイン執筆)「ブランド・ムック・プッチンプリン」「高校生の美術・教授資料シリーズ」(共著・メイン執筆)といった著書があり、稀にコピー・ライターとして広告文案も書く。実話ナックルズでは、食品問題、都市伝説ほか数々の特集記事を担当してきた。また、映画評やインタビューなど、映画に関する記事を毎号欠かさず執筆。