右翼の街宣車がズラリ! 活動家自ら「改造・修理」 車への愛語る
街中で見かけるすんごい威圧感の黒い車といえば「街宣車」。近寄れない緊迫感があるけど、その内部はどうなっているのか。編集部員・ヤスデ丸が突撃取材!
取材協力=日本正道会
車に込められた「魂」
「日の丸を手描きで入れることで、日本人としての熱き血が燃えます」
日本正道会総本部の及川竜太会長は、黒々とした車体に大きく描かれた日の丸を見上げながらそう話す。一台のみでも迫力のある街宣車がずらりと並ぶと、その猛々しい姿はまさに壮観。今回は日本正道会総本部の及川竜太会長にご協力いただき、街宣車の魅力について語っていただいた。
「これはお世話になっている方が所有しているものです」
全面黒塗りのイメージが強い街頭宣伝車だが、こちらのバスは白でまとめられているのが印象的。車高が高く、規制に引っかかることを防ぐために、スピーカーは薄型のものを採用している。
岡山の友好団体の方から譲り受けたという大型バスは、古い車ならではの良さを活かしながら整備をしたという。恩師の書いたスローガンの横にある大きな日の丸は、もちろん会長の手描き。
その横には、鉄板や金網で覆われた「これぞ街宣車」と言わんばかりのオーラを放つ一台が。
「うちで今一番動いている車です。政治の中心は東京のため、12mの大型バスより、7mほどのマイクロバスのほうが都内を移動するには良いんです」
テールランプやフロントガラスが金網で覆われているのは、60~70年代に行われていた左翼団体との闘争の名残だという。
「実は、活動中に、高いところから運転席のサイドガラスに向かって瓶を投げつけられたことがありました。この金網をつけていたことで無事破損を防ぐことができたんです」
危険に晒されることも多い街宣活動だが、力強い街宣車で活動することで士気も上がるのだそう。
もともとシルバーだという黒く塗りつぶされたステップワゴンのリアガラスは、特殊加工されたアルミ板を取り付けられ、やはり大きな日の丸が描かれている。団体名やスローガンは、なんと会長の一発書きだそう。字の上手さにビックリ!
もう1台のステップワゴンの上部には、360度全方向を向いた薄型スピーカーを設置。それぞれのニーズや依頼者の要望に合わせて、会長自らが設計・改造しているというから、街宣車に対する熱意は計り知れない。
所持する街宣車のマニュアルのミッションやブレーキの配管など、修繕や欠品部品の作成まで、自分たちで行っているという及川会長。
「車も魂が入ってるから、オーナーが変わると自然と壊れたりするんです。修理費が購入費の何倍ということもよくある。我々の大切な相棒ですから、お金も時間もかけて大切に乗りたいです」
そんな及川会長が右翼の世界に飛び込むきっかけとなったものは、小学6年生のころに池袋で見た街宣車。「あの人達は、公のスーパーマンだ」と心奪われたという。
しかし、一般的に、右翼=怖いという印象を持っている人が多いが、そのことについて及川会長はどう考えているのだろうか。
「私自身は怖いというイメージを払拭する必要はないと思っています。右翼が怖くない存在となることでもっとこの日本はおかしくなる。我々がこの活動をしなければいけないのは、いまの日本人が目覚めていないから。右翼の監視の目があるという怖さは必要な怖さだと思います。全てにおいて今の日本人の精神改革・意識改革無くして諸問題は解決しません。皆さん自分自身を愛せていますか、日本を愛せていますか?」
利益を追求するのではなく、自分たちの信念を持った右翼活動家。彼らの熱い思いを乗せた“相棒”の街宣車は今日も明日も街を走る。
取材・文=編集部ヤスデ丸