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サップ西成「格闘技復活」の理由 “失明説”が出るほどの大怪我を繰り返しても─

かつて地下格闘技で暴れまくり「大阪の喧嘩番長」と恐れられた男、サップ西成。昨年、ブレイキングダウンに出場し、激しい戦いを見せたレジェンドの格闘技復活の理由とは──(以下敬称略)

「純粋に好き」

 試合終了から5日後。現れたサップ西成の右目の青黒いアザが、その戦いの激しさを物語っていた。ブレイキングダウン常連のラッパー・SATORUと対戦したサップ氏は試合を振り返る。

「殴り合いになったんで、めちゃくちゃおもろかったっす。楽しかった。前回の松井健もそうやねんけど、結構殴り合いやったんで、前回も今回も楽しかった。“生きてる感”ですね」

 ブレイキングダウンといえば、必ずSNSでも話題になる、試合前の選手同士の乱闘。SATORUの投げた椅子を避けずに手で払ったサップの右手は、試合前にもかかわらず、剥離骨折を負うこととなる。
 治癒しないまま、サップは試合に出場する。

「でもナックル部分は別に大丈夫やったんで。痛みに強いんで、僕(笑)」

厳しいといわれる試合前の減量も「得意なんです」と語る。痛みに強いだけでなく、ストイックさも兼ね備えている

 彼の強靭なエピソードはそれにとどまらない。

 昨年2月、地下格闘技「ブルースター」で約10年ぶりに復帰戦を果たしたサップは、その試合の1ヶ月前にも重傷を負っていた。

「水晶体脱臼っていうて。要はレンズが取れるわけですよ。常に水の中におる感じなんで。でも怪我したって言われへんから隠して(出場した)」

 それ以前にも網膜剥離を2度経験しているサップは、失明説が出るほど。手術の甲斐あり視力自体は回復しているものの、現在も医師からは「次はない」と言われるほどの状態だ。 

 そこまで危険を冒しても、なぜ彼はリングに戻ってくるのか。

「本能ですかね。純粋に好きなんですよ。いつまでもやりたい。見合って数分間、やるかやられるかの攻防が……スリルっていうんですかね」

 現在は「負けたままやったら終わられへんから」とSATORUとのリベンジマッチに向け目下奮闘中というサップ。

「やっぱチャレンジしたいですね。勝つか負けるかわからないですけど、やりたいことをやりたい」

 “大阪の喧嘩番長”も今年で47歳。ここで辞めて後悔しないため、巡ってきたチャンスを無駄にしないため、サップ西成の挑戦はまだまだ続く──。


◆取材場所
『つどい 福』
大阪府大阪市北区曽根崎新地1-8-7梅紫津ビル1F

◆掲載号
実話ナックルズ2024年2月号

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