日々是暴食★トラウマめし【第14食】ダウンタウンの呑んべ横丁と売春ディスコ
香ばしい串焼きの匂いに誘われて
ヤンゴンのダウンタウンに、いい匂いが漂う飲み屋街がある。それが19番ストリートと呼ばれる一角で、串焼きバーベキューとビールを心行くまで味わえる飲兵衛にはたまらない通りだ。
威勢のいい呼び込みと、屋外の簡易的な席で杯を重ねる人々。浅草ホッピー通りか、はたまた台湾の夜市のような風情。これはたまらん。ぶらっと歩き、人当たりのいい呼び込みの兄ちゃんの店を選んだ。
言葉はわからないので、ケースに入った食材を指差してコレとコレとコレ。といった具合に注文。ビールは定番のミャンマービールだ。中瓶1本、約100円! 南国地方のビールらしくライトな口当たりでグイグイ飲める。蒸し暑さが残る夜にちょうどいい。滞在中は気にいったミャンマービールばかり飲んでいたが、実は国軍傘下企業の主力商品だそうで、現在は不買運動が起きて誰も飲まないらしい。安くて美味いのに。庶民の嗜好品を奪った国軍の罪は重い。
数分後に綺麗に焼き上がった串焼きがやってきた。海老、ソーセージ、えのきベーコン、牛肉。美味そうじゃないか。かぶりつこうと思ったらビニール手袋をはめたお兄さんが綺麗に串から外してくれた。グループ客が多いので、みんなで食べれるようにこのようなサービスをしているのだろう。
ニンニクと唐辛子の浮いたちょっと辛めのタレにつけていただく。ものすごく美味い、酒がすすむやつだ。これで1本70円から180円だから最高。あまりに最高すぎて2日連続で19番通りでグデングデンに酔った。締めを食べたければ近場の屋台で焼きそばなりチャーハンを食べればいい。どれも100円ほどだ。素晴らしい。
さて、この飲み屋街からも歩いて行ける距離に、海外風俗好きにはよく知られた売春斡旋ディスコがあると聞いた。ナックルズの編集者としてこれは避けて通れない。特に有名な人気店『E』に潜入してみた。ビルの前に立つ黒服のボーイさんは日本語ペラペラ。大学で覚えたというが、客引きの実戦で鍛えたのではないか?
薄暗い店内の中央にはランウェイのような舞台があり、若い女性がぐるぐる歩いている。黒服によれば、あの中からお気に入りの子を選んでお持ち帰りできるらしい。それだけでなく、店内にはおよそ200人ほどの美女達がおり全員が指名可能だという。
「今からお客さんの席に5人ずつ交代で顔見せしますんで、もし気に入った子がいたら私に伝えてください。女の子は2種類いて、モデルと素人です。モデルの子のほうがレベルが高くて綺麗だけど、値段は高い。でも私のオススメはモデルちゃんですよ、社長(笑)」
だそうだ。次から次へと「私と遊んで」と現れる女の子たち。東南アジアでもこんなにえげつない店はそう無いだろう。ビールで酔っぱらった頭では判断能力も鈍る。申し訳なくてなかなか選ぶこともできないが、人当たりのいい子と遊んでみることにした。
彼女はミャンマーで流行っている日本で言えばAdoみたいな歌手のTikTokや、自分で投稿したSNS動画などを見せてくれた。日本となんら変わらないギャルである。政変から数年が経ったが、あの娘はいまどうしているんだとうか? 店はまだ営業しているようだが観光客は激減したはず。元気で過ごしてくれていたらいいが。
楽しい一夜を過ごし、ホテルの部屋で買っておいたビールを寝酒にし朝方床についた。
ミャンマー編 続く