マガジンのカバー画像

酒井透

51
(さかい・とおる) 東京都生まれ。写真家・近未来探険家。 小学校高学年の頃より趣味として始めた鉄道写真をきっかけとして、カメラと写真の世界にのめり込む。大学卒業後は、ザイールやパ…
運営しているクリエイター

2023年11月の記事一覧

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】恋人はラブドール・中島さん

 湖畔の喫茶店でコーヒーを飲む初老の男性と美女。一瞬、年の離れた恋人か仲のよい親子のようにも見える光景だが、遠目に見ていた奥さまたちがざわつき始めた。 「やだ、あれ人間じゃないゎ……」  〝人間〟と一緒にいる男性の名前は中島千滋さん。隣に座る美女の名前は『沙織』。彼女はラブドールだ。でも、れっきとした中島さんの恋人になる。 「もう10年以上前のことになりますが、最初ラブドールに興味を持ったのは、秋葉原のエログッズ屋さんで、それを見たことにあるんです。『これ何だ?』って。

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】東京都北区の廃線跡「北王子線」

 廃線マニアや懐古マニアの間に衝撃が走っている。何と「北王子線」(東京都北区)に残されていた線路(レール)が突然撤去されてしまったのだ。  「北王子線」と言えば、「高層マンションに突っ込む廃線跡を撮れるポイント」、「グリーンベルトのごとく敷設されている廃線跡」などとして知られていた。北海道からやって来た廃線マニアの男性は、このように話す。 「ネットで線路の撤去が始まったことを知って、すっ飛んで来ました。北王子線の魅力は、高層マンションに線路が“突っ込む”とこころが撮れたこ

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】kaorububuさんの懐かしミニカー「ナショナル号」「山パン号」

「日本中を明るくしたい」  1982年から85年にかけて生産・販売されていた光岡自動車製のミニカー(マイクロカー)「BUBU50シリーズ」(1985年11月生産終了)がXなどSNSで話題になっている。その名も「ナショナル号」!!!  このミニカーに乗っているのは、関西圏で生活しているkaorububuさん(長谷川薫さん)(@kaorububu501)。自営業を営んでいるkaorububuさんは、普段からこの車に乗って仕事をすることも多い。現在、公道を走らせているのは、BU

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】青森県五所川原市の「謎の小学生教祖」

 人里離れた山道を進んで行くと、噂に聞いていた「神社」が現れた。鳥居の周りは雑草で覆われ、その奥には、如来の描かれた石碑が立ち並んでいる。そこから境内へと続いている参道の向こう側は、昼間だというのに薄暗い…。  鳥居の手前には、使われなくなってから長年経っていると思われる物置小屋のようなものが残されていた。その傍らで拾った木の棒を使って蜘蛛の巣を払い除けながら進んで行くと、立ち現れたのは、拝殿のようなものだった。すでに廃墟状態になっているこの建物の中にあったのは、ボロボロに

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】沖縄県伊仙町の「不思議な喜念権現」

伝説の美女が現れる洞穴  1970年代以降、急激に観光地化が進んだ沖縄本土。この影響もあって、琉球諸島に伝わる伝統的な文化や習俗の一部は、時の流れとともに廃れてしまった。しかし、同じ琉球諸島であっても奄美諸島には、今でも伝統的な文化や習俗が残されている。  徳之島の伊仙町や天城町には、数多くの風葬墓があり、その中には未だに使われているものがある。  伊仙町には、いくつものミステリアスなスポットが存在する。その中でも喜念権現(新田神社)は、理解できないことが次々と起こるこ