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空の彼方に、最後の軌跡

昨日、競馬のG1「ジャパンカップ」が行われました。
無敗の3冠馬・コントレイルのラストラン。
見事優勝し、有終の美を飾りました。

”飛行機雲”という意味を持つコントレイル。
父は”飛ぶように走る”と言われた、あのディープインパクト。
父が残した衝撃には、空へつながる続きがありました。

昨年、史上初めて親子での無敗の3冠を成し遂げたコントレイル。
しかし今年は期待されたような結果を出せず、”最弱の3冠馬”の声さえ聞かれました。
偉大な父の陰に、歴史の中に、このまま隠れてしまうのかと思われた。
しかしコントレイルは、最後の最後に、その価値を証明して見せました。

ジャパンカップは、世界中から実力者が集まる屈指の大舞台。
一筋縄ではいかないこのレースでコントレイルは、最後の直線で目の覚めるような豪脚を繰り出し、圧巻の優勝。
最後の軌跡を美しく描いて、ターフを去っていきました。

鞍上の福永祐一騎手は、ゴール直後から目に涙を浮かべ、インタビューでも震える声で「本当に立派でした」とコントレイルを労いました。
それだけ、プレッシャーがのしかかっていたのでしょう。
重圧をはねのけ、他馬を一蹴した無敗の3冠馬は、決して”最弱”などではない、誇り高き貴公子でした。

コントレイルには、優秀な子孫を残すという新たな仕事が待っています。
父が紡いだその血筋を、より多くの子供たちに彼がまた紡いでいく。
ブラッド血統のスポーツ”と呼ばれる競馬の醍醐味であり、ひとつのロマンですね。

私はコントレイルの走りを見て、とても感動しました。
不遇の時期も知っているのでなおさら...
王者の風格は最後まで褪せることなく、堂々たる走りでした。
彼の勇姿に元気をもらい、また今週もがんばろうと思えました。

ありがとう、コントレイル。
お疲れさまでした。

サポートをしていただけるようなことがあったら踊り狂います。 どこかの誰かの何かに届けばいいな。