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エクストリーム・ジョブ

柳さんと見た

なんでこんな面白い映画を今まで自分は知らなかったの!?ってくらい衝撃だった。
だって最初から最後までずっと面白いんだよ。
飽きる時間が1分もないんだよ。そんなの尋常じゃないよ。

韓国の映画だと知らずに見たのでびっくりした。
考えてみたらこれが初めて見た韓国の映画だったな。

映画が面白かったって一言でいっても色々な面白さがあると思うんだけど、この映画に関しては「ギャグシーンのセンスがとにかくいい」「こんなの嫌いな人いないでしょ!ってアクションの魅せ方をしてくれる」という2点が魅力だと思う。
細かい会話を始め、ギャグシーンがずっと面白い。
みんながチキン屋としての誇りを持ち始め、警察としての自覚を忘れかけていた頃ヨンホ刑事だけが刑事としての自覚を持って尾行をした結果手が足りなくて失敗したんだけど、それを他のメンバーに告げたらホールが忙しいんだよ!ってキレられるシーンとか多分何回かあったけど全部面白かった。
そのヨンホ刑事も最終的にはチキン屋としての自覚に飲まれますが。

あとマ刑事と新人ジェフンのぱっつん前髪アホ2人組の会話ずっと面白かった。誇りとかプライドとかがない男たち。
ずっと何言ってんだと思ってゲラゲラ笑いながら見ていた。
このアホ2人の会話、温度感が本当に好き。
この2人は脳筋といえばそうだし見ていると暑苦しいんだけど、面白いことや馬鹿なことをやろう!って思って動いているわけではなくて、彼らにとっては至極真っ当で一番正しい選択をした結果がアホ。なのでアホなこと言いつつほとんど真顔なの。かなり好きになった。

だからこそ最終的にチンピラのアジトに忍び込んでなぜか麻雀に混ぜてもらうマ刑事がチンピラの中国語を聞けるし話せるシーンも、実は過去韓国の柔道代表だったので凄まじく強いと判明するシーンもかっこよさが際立っていた。
侮っていた人が実はとにかく強いなんてみんな好きなシチュエーションでしょ。こんなの嫌いな人いる?

最後ずっと狙っていた麻薬を売り捌いている奴らの親玉のところにカチコミに行くシーンがあるんだけど、そこで実は抜けてて使えない麻薬捜査班のメンバーひとりひとりがとにかく強い!と判明するチェ課長による紹介シーンがあるんだけど、みんな物々しい称号を持っている中で「ジェフンは……野球部だ!忍耐強い!」って一人だけただのスポーツ馬鹿だということが判明するオチ大好き。

でもかなり序盤の方で実は盗聴器を壁に取り付けるために敵のアジトの窓にスライムでできたボールみたいなのを投げ付けるシーンで肩の強さは明らかになっていたので見事な伏線回収ではあった。
そりゃ野球部だったら肩は強いよね……
肩の強さ以外必要なものは全て愛嬌でなんとかしている男、ジェフン。

この映画の1時間ちょっとはずっと麻薬捜査班、不器用すぎる!チキン屋経営しかうまくいってない!もう刑事やめなよ!?と思いながら見ることになるんだけど、みんなのカッコ悪い姿をずっと見ていたからこそ最後のカチコミアクションシーンが輝く輝く!
あまりのかっこよさにメロメロになり、熱狂してしまった。
麻薬捜査班の中でムエタイ選手のチャン刑事、元海軍の特殊部隊であるヨンホ刑事、韓国柔道代表のマ刑事が強いのは当然なんだけど、過去特に武道とかを特別やっていたわけではないコ班長はとにかく身体がタフ!今まで12回刺されたが死ななかった!って称号だけを引っ提げて最前線で敵と殴り合うし、ジェフンに至ってはただの野球部なんだよ。
5人とも絶対強いってわけじゃないのがチームバランスとして良かった。ジェフンは愛されキャラだから……

コ班長、ずっと不憫で、自分より昇進してる後輩がいて、でも特別ここが悪い!って断言できる要素もなくて、ただひたすらに運が悪く哀愁オーラが全身から滲み出ているところがツボだった。
運の悪いおじさんにしか出せないオーラっていうのは確実にあるし、不憫なおじさんにしかない色気ってあるよね。旨みが凄い。
特に刑事という職業でとにかく忙しかったコ班長が過去を振り返って「娘が小学生の頃の夢はなんだと思う?被疑者だよ。そしたらパパに会えるからって」って言うシーンの寂寥は凄かった。あとは退職金叩いてチキン屋始めちゃったりとかね……
作中でもふわっと言及されていたけど、警察の退職金ってすごいんだろうな……お店開けちゃうくらいには……
でもコ班長は見てて可哀想になりすぎないバランスが秀逸だなと思う。コ班長もまあまあアホではあるから。

チャン刑事とヨンホさんは他のメンバーに比べるとかなり真っ当に見えるんだけど、全然そんなことはない。いやヨンホさんは割と真っ当であろうとし続けたかも……
チャン刑事に至ってはナチュラルな感じの荒っぽい姉ちゃんくらいに思っていたんだけど、実はマ刑事のことを本気で好きということが終盤判明してからはヤバさが群を抜いた。
だってあの人好きってだけで付き合ってないマ刑事のスマホに位置情報共有アプリを入れているし、なぜかマ刑事の実家が焼肉屋やってるって知ってるんだよ。ほのめかされただけだしマ刑事も鈍感なのでアプリ入れてただろ〜!で済んで一切言及されなかったけど、あの人マ刑事のことストーカーしてるんだと思う……
家帰ってからマ刑事何してるのかな〜って思いながら位置情報共有アプリ見てたでしょ絶対。

あとイ・ムベが連れてるソニとかいうとにかく強くて黒髪ロングだけど襟足刈り上げてて男を拷問する度胸がある美しい女との泥臭い殴り合いのシーン大好き。女と女の殴り合い、最高。
しかもチャン刑事がソニに対してキレていた理由が自分が好いているマ刑事は顔しか取り柄がないのにその顔をソニがめちゃくちゃにしたからって理由らしいんだけど、そこ???すぎて好き。恋は盲目だ。
最後マ刑事と熱烈Kiss……エンドだったので良かったね。と思いました。両想いであればストーカーであっても関係ないもんな。たぶん。

ヨンホさん、最初から椎名桔平に似たハンサムだな……と思っていたけど、特に株が下がることなくずっとハンサムだった。運転得意で良いね。
そしてこの映画は韓国は左ハンドルだと知った。意外〜
というかこの作品、最初からみんなの株があまりにも低いのであとは上がっていくのみでズルい。
うーん……使えない人たちかも……と思っていたらチキン屋の経営の方が向いてるんじゃん!となって株が上がるし、最後フィジカル強いんかい!となって株が上がる。
飲食店ってとにかく忙しいからそれで繁盛を保てているのすごいよ。
途中刑事としての自覚と葛藤していたけど多分みんな刑事よりも飲食店の方が向いてるんだと思う。

最後のカチコミでイ・ムベとたたかうコ班長のシーンめちゃくちゃ良かった!
コ班長って別に特別腕が立つわけじゃないので戦闘シーンになるとそれなりに人から殴られるんだけど、その泥試合が良かった。打撃音が重いの。
喧嘩が弱いと称されていたイ・ムベとコ班長の戦闘シーンを見ていると正直実力はほぼ互角なんじゃないか?と思うんだけど、最後までコ班長が立ち続けていられたのはやっぱりフィジカルがとにかくタフというのがある。
「不死身」とか「ゾンビ」と呼ばれているだけある。
また、戦闘シーンで「俺は不死身だ!」って杉元と同じ己の鼓舞の仕方をしていて良かった。あれって自己暗示の一種だから戦闘シーンで叫ぶことで効くんだよな。
イ・ムベの怖いところって感情の起伏がとにかく激しいところと人を傷付けるのに何一つ躊躇いがないのでこの人の機嫌を損ねると殺されてしまうかもしれないと相手に思わせられるところだと思うんだけど、それにコ班長をぶつけるのはかなり戦略的に優秀だった。
班長は不死身なので殺されるかもしれないという恐怖心がおそらく他の人より少ないだろうから、まともに喧嘩ができる。
結果最後はボロッボロだったのに、立ち上がったのは班長なんだよ。たまらないよ。

は〜とにかくめちゃくちゃ面白い映画だった!爽快コメディアクション、たまらないな。
色々な人に勧めると思う。
きっとみんな好きだよこの映画。たくさんの人に見て欲しいな。

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