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13日の金曜日(1980年版)

柳さんと見た!
これを見るにあたって柳さんにU-NEXTのアカウントを共有していただいたので多大なる感謝を申し上げます。

以前見た2009年のリメイク版の13日の金曜日がたいそう面白かったので、80年のPart1から見てみましょう!ということになったので鑑賞した。

そしたらかなり衝撃的な内容だった。
ジェイソンのことも、13日の金曜日のことも何も知らなかったことを思い知ったよ……
2009年版がとても綺麗な構成だったかつ、シリーズを見ようと思いたってからちょこちょこジェイソンについて調べていたのでいつのまにかジェイソンのことを知った気になっていた。

我々はジェイソンが出て殺しまくるんだろうな〜!という気持ちで見ていたので、今作は実質叙述トリック映画だった。
ジェイソンが人々を殺していると思いきや、ジェイソン母が復讐の鬼となってクリスタルレイクで過ごす10代のキャンプ場再生協力員たちを次々と殺していっていたので度肝を抜かれた。中年女性のパッションだ。
スタッフが監視していなかったせいでジェイソンが溺れ死んだためスタッフたちに復讐をしていると思っていたら、全く関係ない若者たちを次々に殺害する鬼になっていた。
しかも自分の中にジェイソンがいるらしく、子どもっぽい声で「ヤツらを殺して!殺して!」ってブツブツ言っているのがもう怖いのなんのって。狂っている人間が一番怖いのかもしれない。
彼女にとっては正当な殺しでも側から見たら復讐に一切の正当性がない。
こんなんクリスタルレイクに自縛しているだけの怨霊とかと一緒だよ。

ジェイソン母が殺人鬼だとわかってからは、そういえば殺された人々は見事に隙をつくような殺され方をしていたな。これは女性で力が足りないから若者相手にタイマンだと勝てないのか。とか、2009年のジェイソンは行わなかった残忍でいたぶるような殺し方を選んでいたな。これは復讐心を満たすためか。とか、ヒッチハイクで車に乗った少女はヒッチハイクにも関わらず随分油断していたな。女性が運転手の車に乗ったからか。と納得できるので構成の妙だと思う。

終盤の方まで殺人鬼の姿は一切映し出されない代わりに、殺人鬼が見ている視点が手ぶれのあるカメラになっているため観客は狙われているよ!というのがわかり、見ていてヒヤヒヤする。
だからこそヒッチハイクの少女にカメラが向いているだけで、観客は見えない誰かがその子をじっとりと見つめているように感じるし、目的地をすぎても止まってくれない車の運転手に少女と共に恐怖心をおぼえるんだろうな。

あと殺人鬼の存在を登場人物たちにバラさないようにするために殺した人の死体をわかりやすい場所に置いておかず隠しておくのも賢かった。
早くに死体が見つかってしまうと人々が警戒して警察に通報するかもしれないし、油断がなくなるせいで殺しにくくなるかもしれないもんね。
13日の金曜日ってジェイソンが出ていなくてもこんなにも面白くてすごい。

その後「このジェイソンを主役に次作作りましょう!」って言った人がいて、その映画が大ヒットして、殺人鬼として名前が広まって、「13日の金曜日見たことないけどジェイソンは知ってる!あのホッケーマスクにチェーンソーの人でしょ?」と浸透していく過程があったんだと思うとすごいよ。
しかも作中でジェイソンがチェーンソーを使うことないらしいし。このパブリックイメージってどこから来たんだ。

そもそもクリスタルレイクって1957年にジェイソンが死んだ時点で呪われた地のような扱いになっていて、その後も死者が出ているし水質汚染の問題とかも出ていたのでそんな土地をキャンプ場として復興させよう!と思うのが間違いだよ。
そりゃジェイソンみたいなものが出来上がってしまうよ。

ジェイソン母の殺し方がずっとクレバーだった。2009年版で見たジェイソンの殺しに関する賢さは母譲りなんだな。
電源を落として復興させるために人を建物から出させてみたり、電話線を切っておいて通報手段を無くしたり、車を壊して移動手段を無くしてみたり、子どもの声で「ヘルプミー!」と言って人を誘き寄せてみたり……

なので生き残るためには賢さが必要。
生き残りがあと1人であると油断して姿を見せてきたジェイソン母に対抗できるのは、若者のフィジカルパワーとジェイソン母と同じくらい賢い頭!というのがよくわかった。
でもあの母、筋力がないだけでアリスに頭を2回くらいぶん殴られて、やったか!?とこちらが思っても立ち上がって追いかけてくるので執念とタフさが凄まじいよ。化け物だよ。

アリスはずっと賢明で、人がいる時はなるべく人と一緒にい続けたし、でもセックスはしなかったし、無闇に嵐の中動きづらい服装もしくは薄着で暗闇を彷徨い歩いたりしなかったし、基本的にずっと明かりのある室内にいたのでその辺りが生死を分けたのかもしれない。でもまぁ、単純に運も良かった。

ホラー映画でセックスをする人は十中八九死ぬので柳さんと「セックスをすると死にますよ!」「本当に死にますよ!」といいながら見ていた。そしてセックスをしていた人たちは死にました。
もしかしてこれから見る13日の金曜日って1作品1セックスがあるのかな。
ホラー映画で生き残りたければセックスをしない方がいい。セックスは油断を生み、殺される隙を作るから。

アリスの賢いムーブって自分以外の全員が殺されたと判断したら自分がいるハウスで扉にすぐさまバリケードを作ったり、ジェイソン母の正体がわかったあと嵐の中で母を一回撒いたら元々いた自分たちのキャンプハウスに戻ってきて鍵のある部屋に逃げ込んだりするところにある。
このアリスがハウスに戻ってきた時にジェイソン母も気配を嗅ぎ付けて建物の中に入ってきてウロウロするんだけど、行ったか……?と思ったら壁を破壊して顔をバーン!と見せてくるくだりがあって、これってかなり『シャイニング』じゃん!と盛り上がっていたら、どうやら13日の金曜日とシャイニングって同年に公開されていたことが判明したので興奮した。こんな偶然あるんだ。

ジェイソン母は外なんて知り尽くしているだろうから、そりゃ狭くて相手の姿が見える建物の中でタイマンで戦った方が勝機があるに決まっている。体格もアリスの方がデカいし。

結果的にアリスはその辺に落ちていたナタのようなものでジェイソン母の首をスパンと落として勝利するんだけど、この首2009年版の映画で見た!ジェイソンが祭壇を作っていたやつだ!と感動した。

アリスがやった殺しって法的にはめちゃくちゃ正当防衛なんだけど、ジェイソン的には愛する母を殺した復讐の対象でしかないのでそりゃ湖の上で壮大な音楽と共にボートでゆったり一安心しているアリスを湖の中に引きずり込むよ。
でもこの時点のジェイソンってまだ子どもの姿で、アリスを引きずり込んだ後は綺麗さっぱり消えてしまうので幽霊、怨霊感が強かった。
我々の知っているジェイソンは筋力でその辺にあるありとあらゆるもので人を殺していくムキムキ殺人鬼だったので、この後ジェイソンの無念が受肉したとしか思えない。いや無念が受肉って何?

序盤にクリスタルレイクにシーンが移った際に、上半身裸でなぜかバンダナだけは首に巻いているホットパンツを履いたムチっとしたおじさんが、汗をかいてツヤツヤしながら薪割りをしているところが映し出されたので見る映画を間違えましたか?と思った。

上裸薪割り男だ!このファッションセンス何?と思いながら見ていたらその後上裸にサスペンダーだけは引っ掛けた別の男が出てきたのでお前もかよ……と怯えた。
他にもホットパンツを履いた別の男が出てくる。マジで何?
これって80年代のアメリカの男性のファッションのトレンドだったんですか?もしかしてフレディ・マーキュリーの影響とかがある?

そしてこの作品に出てくる若者たちって他人の前で服を脱ぐのにも、下着姿を見せるのにも抵抗がなさすぎる。
セックスしてた2人のうちの女の子はセックス後ノーブラでTシャツを羽織って下はパンツのまま建物を出てトイレに向かう。人と鉢合うかもしれないし、せめて下はズボン履かない?
この薄着、逃げる時に怪我しそうでヒヤヒヤしながら見ていた。
そうじゃない子達も男女混合でストリップ・モノポリーとかいって負けた人がどんどん服を脱いでいくすごろくをして、女の子が上下とも下着姿になってたりするし、アリスもわりと躊躇いなくブラウスを脱ごうとしていた。
全員恥じらえ。殺人鬼がいるような場所で薄着になるな。靴は常に履いていろ。逃げられないぞ。

次回はジェイソンが受肉する過程が描かれるのかもしれないし、描かれないかもしれない。もう出てきた瞬間からあの丸太のような首をしたムッキムキ殺人鬼なのかもしれない。
どっちにしろジェイソンが映画でどののような扱いになっているのかわからないのでワクワクする。
Part2のジェイソンって確かまだ顔にホッケーマスクをかぶっていなくて、ズタ袋をかぶっているんだよね。その辺含めて楽しみ〜

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