【詩】赤は素敵
繁華街の雑居ビルの4F。そこは異国の食府。
低い天井、切れかけの蛍光灯、つんと赤い匂いがマスク越しに香る
四川麻婆、愛玉子。友人は紅油水餃を。
建付けの悪いパイプ椅子に座りながら、ただひたすらに口へと運ぶ
言葉が通じなくとも、隣席と美味しさを分かちあえば、
空腹と心、双方満たされたり。
帰りの寄り道、西武のデパ地下
長いガラスケース、橙色のライト、ぎゅんと並ぶ惣菜コーナーを横目に進む
ひときわ目立つ人だかり、視線の先には道明寺桜餅。
ああ、桃の節句だったかと思い出す
桃色より赤色でしょと、はしゃぐ友人と私の心を掴んだのは、
こし餡ホイップ、あまおうの苺大福なり
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