炊事団体が発行する機関誌「自炊のひろば」誕生秘話(その1)
こんにちは、私たちは自由炊事党という「すいじ」団体です。党構成員として現在、総裁、幹事長、秘書、党員、穀対委員長、食器長の6名が在籍しています。このほか臨時・兼任で鮮魚管理委員長などか置かれます。
私たちは「自炊の方が安く上がるから、つまらないけど……」とか「料理くらいできなきゃいけないから……」のような理由だけで料理をするのではなく、「いやいや、料理って楽しいんですよ。自分の楽しみのために料理をしましょうよ!」と呼びかける活動を行っています。自炊は楽しいからするの。自炊してエラいとかじゃないの。
ふだんの具体的な活動は、各々が自由に炊事に取り組み、Twitterに自炊写真をアップすることです。しかしそれだけでなく、コミックアカデミー実行委員会の方のお勧めもあり、2019年秋から機関誌「自炊のひろば」を刊行しています。この記事では、その経緯と、具体的にどのように取り組んだのかをお伝えします。
最初は、2019年秋の党大会(構成員がそれぞれ料理を作って持ち寄るパーティのこと)の折に秘書が「コミックアカデミーというのがあって、どうやら我らもこれに出展する権利があるようなので、ぜひ広報誌を制作して党勢拡大を図ろうではないか」と演説したのがきっかけだったと思います。話はトントン拍子に進んで、書きたいものがある人が書ける分だけ書いて、あとはWordでそれっぽく編集すればいいでしょう、印刷はキンコーズでコピーしてホチ留めすればいいでしょう、ということになりました。ちなみに、この記事を書いているのは総裁ですのでわざわざいらんことを言っておくと、計画は元々秘書がやったことです。
しかし、ただ文章を書く以外にも意外と色々考えないといけないことがありました。まず団体としての実体らしきものを整えたり、参加登録をしたりする必要があります。団体のメールアドレスは元から作ってあったのを(というかTwitterのアカウントを作るときに作ったものを)使いました。ロゴは以前支援者の方が作ってくださったのをそのまま使おうかとも思ったのですが、フォントが商用っぽかったのでフリーフォントを元にちょっと加工して作り直しました。使ったソフトはPowerPointです。サークルカットというのを提出しなければならないそうなので、ロゴを元にちょこちょこ書き加えてでっちあげました。絵心がある人がいるとこのあたりは楽しいのかもしれません。このように、ロゴは色々なところで使う場面があったので、取り回しに便利なPNGファイルを作っておくと捗ります。
実際に本を作って売る技術やコツについては、総裁が機会を見て知人に尋ね回りました。例えばコミックアカデミー実行委員会のはまとく氏はかねてより自炊党の活動に多大なる関心を寄せてくださっていましたので、色々細かいことを尋ねました。また総裁の知己が、福岡市を中心に活動する「神聖自炊帝国」という文藝サークルの大統領の任にあることをたまたま知ったので、帝国さんが出展している同人誌即売会に視察に赴き、その後サイゼリヤの地で具体的なアドバイスをいただくとともに多大なるインスピレーションを得ました。なお、帝国ではメンバーの自炊権を尊重するため、会合で自炊は一切しないそうです。この指摘を受けて党ではその後、集団的自炊権を尊重する立場を取ることにし、既存の党大会の形式と自炊権の尊重の問題を解決することにしました。
いずれの方々も具体的なコツについてはいくらか教えてくださったのですが、それよりもむしろ、即売会に楽しく参加するためのマインドセットというか、もう少し平たく言うと「紙に書きたいことを書いて折っただけでそれはもう同人誌なので、即売会で得られる素朴な楽しさを楽しんだらいいんだよ」ということを様々な形で伝えてくださったように思います。それに、同人即売会の世界には少し独特の考え方というか用語法のようなものがありますね。例えば、出店する主体はひとりでも「サークル」、お客さんではなく「一般参加者」、販売ではなく「頒布」といった言葉遣いがそのわかりやすい現れです。こうした独特の世界観は、その中にいる人の様子を観察し話を聞いてみることでピンとくるのだと思います。
もう少し書きたいこともあるのですが、間に合わなかったので、「その2」に続きます。
最後に宣伝です。自由炊事党では現在「炊事チキンパーティをひらこう」キャンペーンを実施中です。ご友人やご家族はもちろん、おひとりで楽しんでも結構です。鶏肉料理で盛り上がり、ハッシュタグを付けてSNSで共有しましょう!
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