パワポ・デザインの参考になる!提案資料まとめ5選【PART3】
久しぶりの参考になるパワポ資料まとめです。
今回も、他のブログやnoteでよく紹介されているIR資料まとめ記事とは一味違う、私が実際の仕事でも参考にさせて頂いている超実務的な提案書やパワーポイントを厳選して、まとめ&紹介していきますので、宜しくお願い致します。
※ちなみに過去記事のPart1&2はこちら▼
営業や企画職の方はもちろん、資料を作成するすべてのビジネスパーソン必見です。今回はコンサル系が中心でしょうか。
もう3回目のまとめ記事ということで、デザインはもちろん、資料の中身・内容自体の良さやポイントも語っていこうと思います。
それでは始めましょう!
1|アクセンチュア採用案内
https://www.accenture.com/_acnmedia/Careers/PDF-22/Accenture-Recruiting-Brochure-New.pdf
ついに、昨今の就職人気企業ランキングでも上位に入ってくる外資系コンサル「アクセンチュア」の資料を紹介いたします。コンサルティング業界の資料は中々公開されておらず、たとえ公開されているものがあっても、外国のものだったりするので、日本のデザイン趣味・趣向とは少し異なります。
そういう意味で、この採用資料はとても日本受けするデザインで参考になると思い、選定しました。
デザインの特長ですが、基本のスライド構成にひと工夫アレンジが散りばめられています。こうした、ちょっとした工夫で印象がガラリと変わります。
例えば、このスライドは、普通に四角オブジェクトの囲みでもよいのですが、非常にスマートなデザイン・アレンジにしています。枠線囲みを使わず、色のトーンで使い分けている点が普通のデザインとは違う一工夫です。普通であれば、囲みを使い、ガチガチでお堅い印象になってしまうところですが、この一工夫だけでぐっとスマートさが増します。
次のスライドも、直線を使った日本地図のオシャレなデザインの例です。すごくコンサル会社らしいスマートさが伝わってきます。これも普通なら日本地図の画像を貼り付けるだけのところ、ひと工夫のアレンジが光ります。
2|デロイトトーマツコンサルティング・DX資料
コンサル会社の資料が続きます。デロイトは、会計事務所・会計コンサルのイメージが強いですが、昨今は、この資料のようにDX(デジタル・トランスフォーメーション)やITに力を入れています。
この資料のよい点は、3点あります。
まずは「カラー、配色」ですね。黒をベースカラーにメイン/アクセントカラーの緑を非常によいバランスで使用しています。コンサル業界らしい落ち着きや厳格さを伝えています。
2点目は図解。以下のような抽象的な概念をうまく図解に落としこみ、読み手に伝わるように工夫しています。
さらに3点目、文章にも良い点があります(※多少文章自体は長いですが・・・)。ほぼすべてのスライドで「~しています」「を整備します」「~を高めます」のように動詞で記載されていることに気が付きましたか?
名詞止めを多用してしまうと、文章自体は短くなりますが、意味がぼやけてしまいます。動詞を使って文章を記載する力は、説得力のある資料作りに欠かせない能力です。
3|中小企業庁・経営計画策定支援スライド
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/kenkyu/2005/zaimukanri/05620keieisakutei.slide.pdf
中小企業庁のサイトで公開されている、起業を目指す方や経営計画を作成したことがない経営者向けの解説資料です。正直、デザイン的には改善すべきところが沢山あります。内容もかなり古いので注意してください。
しかし、実際に読んでみるとわかりますが、どんなにデザインがダサかろうが、ページ数が80ページもあろうが、この"資料は本当にわかりやすい"のです。
その理由を解説します。
理由1点目、資料の導入の流れが素晴らしいです。はじめに①全体構成を説明し⇒次に②この資料がどんな人向けか、どんな目的を決めます⇒さらに③本題に入る前に「経営計画って何それ?」という人向けに定義(前提条件)をしっかりと合わせています。
最初の数ページで、その後の70Pもあるコンテンツが読まれるかどうかが決まります。素晴らしい導入の流れです。
理由2点目、無駄な要素を省いた図解です。以下をご覧ください。
正直ダサい・・・でも、わかりやすくないですか?パッと見ただけで「経営計画って、10年後でも1年後でもなく、3~5年後のことを書くのかな」と理解できます。
余計な時系列の矢印とか、変な人物のアイコンなんて記載しなくてよいのです。
3点目、セオリーに沿ったスライドが沢山あることです。
変に奇をてらった分析やオリジナリティあふれる図解がないので、誰にとってても理解しやすいです。それこそビジネスパーソン全員の参考になると思います。
資料作りはデザインの前にロジック(主張とそれに対する根拠の流れ、話の接続)があることが大前提です。本当に参考になる資料と思います。
4|LINEWORKS紹介資料
https://cdn.softbank.jp/biz/set/data/mobile/solution/partner/lineworks/pdf/line-works.pdf
これまでの資料とはガラっと雰囲気をえて、LINEWORKSの製品紹介資料を見てみましょう。
まず、この概要スライドですが、中性的な人のイラストを使用していますね。フラットアイコンほどシンプルではなく、写真よりは抽象的なイラスト。このような誰にでも親しみやすい中庸的なイラストは、昨今の資料作成(やWeb制作)のトレンドです。
このようなイラスト画像は、多くの人に親近感を持ってもらいやすく、それでいて使い方のイメージもわくような、非常にビジネスで使いやすい画像です。
また、全体構成も参考になります。Saasやソフトウェア系の紹介資料のお手本のような構成になっていますので、是非覚えておきましょう。
※提案書では、また異なる構成にしますが、ここでは解説は割愛します。
5|パドルデザインカンパニー会社案内
デザイン会社の会社案内ということで段違いのレベルです。正直、このレベルを片手間で普通の営業やSEが作成するのは無理だと思いますので、本格的に作成したい場合には、依頼(お金を掛けて)しましょう(笑)
ですが、テクニックやデザインのエッセンスはもちろん参考になりますので、解説していきます。
1つ目のテクニックは、四角囲みを一切使わないことがあります。以下のようなスライドですが、普通であれば四角で囲みたくなります。しかし、文字の端を揃えたり、線を使うことで見事にグルーピングを表現しています。
四角囲みより印象がだいぶスッキリします。
ただし、フォントやオブジェクトはもちろん、文章の長さもすべて考慮して調整しないといけないので、汎用的な資料というよりは、やはり「ここぞ」という時のデザインかと思います。
2つ目は、画像自体のクオリティが高いことです。デザイン会社=自社の作品ということで、コストをかけてプロのカメラマンが撮影しているでしょう。やはり、フリー素材のイラストとは印象が違います。
特に、これだけ画像を使うと、画像そのものの印象が資料やプレゼンの印象にもしっかり影響してきます。BtoBではあまり画像は使わないかもしれませんが、BtoC(食品メーカー、家具メーカー、マッチングサイト・・・)やブランドイメージを重視する企業では、画像は非常に重要な要素になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
資料作成が上手くなるコツは、教室に行ってみたり、パワポの操作方法を覚えることも大切ですが、何より「よい資料を沢山見て、何が良い資料なのかを知り、その理由を自分で考えること」です。
学べる材料は、ビジネスの日常の様々なところに在るはずです。
皆様の参考になれば、幸いです。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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