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IT業界におけるプレゼン資料作成の特徴について

本日は、IT業界(ITシステム開発の業界)におけるプレゼン資料作成の特徴や傾向について、お話ししようと思います。

仕事で役に立つような資料作成テクニックもあれば、一方で、業界の中の人でも「なんでこんな資料になっているの?」と思うようなことも実はよくあります・・・(汗)

IT業界の中の人はもちろん、IT業界ではないけど転職や就職で興味がある方、IT営業やSIerとお取引だけはあるような方にもわかりやすいように、資料サンプルも交えてご紹介します。

それでは、はじましょう。

特徴①:カタカナ用語を多用する

ソリューション営業の採用を強化しています」「デジタルトランスフォーメーションを強力に推進していきます」「インサイドセールスを強化します」などのような抽象的なカタカナ語が連発されます。

著者作成例。コンサルティング、トライアル、スコープなどのカタカナ語を連発します(笑)
株式会社DTS「長期展望および中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)」より


自分自身も、使っていると感覚が麻痺していくのですが、業界の外の人には「ソリューション」や「コンサルティング」という言葉は抽象的に過ぎて、具体的に何を指しているかわからない気がします・・・。

というか業界の中であっても、会社/職種/経験/役職などによって何を指しているか意見が割れたり、勘違いすることもよくあります(笑)製造業界のようにISOやJIS規格で定めてくれると本当にありがたいのですが、未来に期待しましょう。

特徴②:やたら英語略語にする

頻出の略語を以下に述べます。正直、数え上げればキリがありません。

よく使う英語略語

やっかいなのは、ERP(Enterprise Resources Planning)のような専門用語だけでなく、"慣習的な省略語"をよく使うことです。例えば、MTG(Meeting)=ミーティング・会議、SYS(System)=ITシステム等ならまだ想像がしやすいのですが、極端なケースだと、固有名詞のはずの会社名まで平気で略して記載します。MS(マイクロソフト)、TM(トヨタ自動車)みたいな感じです。

※IT業界でこのような省略英文字を多用する背景としては、例えば、プログラミングを行うケースがあるのですが、英語で全てのスペルを入力すると長くなってしまうので、省略して記載するという多いという背景が関係していると思います。プログラマー以外でも業界の人は省略語をよく使います。

特徴③:スケジュールはカレンダー形式ではなくWBSガントチャート形式で作成する

正直、カレンダー形式の方がわかりやすいのではと思うこともよくあるのですが、ITシステム開発の界隈においては、スケジュール表は、WBS(ガントチャート)形式で作成することが普通ですので、慣れましょう。

WBSガントチャート形式でのスケジュール説明

ガントチャート形式のスケジュールは、
・3か月以上の長いプロジェクトスケジュールを表現しやすい
・各々の実施タスクが分解され明確になる
・タスクの毎のスケジュールの繋がりがわかりやすくなる

と言った特徴があります。

一方で、広告業界やイベント関連の業界では、カレンダー形式を使うことが多いと思います。

カレンダー形式でのスケジュール説明

特徴④:Excel方眼紙という悪魔が存在する

IT業界というか、日本古来の資料作成の特徴かもしれませんが、「Excel方眼紙」がこの令和の2024年でも普通に使われています・・・。

方眼紙

しかも、「プログラム処理を使って自動化するため」のようなハッキリとした理由がないことも多く、単に「ずっと昔から会社で使われているから」「変更するのが面倒だから」で多くの会社が使ってようです。

IT業界に、DX(デジタル・トランスフォーメーション)はいつ訪れるのか・・・

〈余談〉
PowerPointは1ページの紙面の大きさの制約がありますが、Excelにはないため、Excelで設計図や仕様書を作成することがよくあります。その際、Excelのセルの長さを変更してしまうとオブジェクトの大きさが歪んでしまうため、それなら予め方眼紙形式にしてセルの長さを固定しまおう、そうやって生まれたのが「Excel方眼紙」です・・・。

特徴⑤:適度にアイコンを使用する

「文章や数字データによる説明」+「四角・丸・矢印などの図形を使った整理」+「画像によるデザイン」この3つの組み合わせがプレゼン資料のベースとなるのは、どの業界の資料でも変わりませんが、IT業界の特徴は、その中でもアイコンを多用することです。

文章だけでも伝わるがアイコンがあるとよりイメージしやすい

アイコンは、マーケティングや企画職の人間が、親しみやすいデザインにするときに使うこともありますが、よくあるのが、SEやITセールスがシステム構成を説明する際に、パソコン、サーバ、ルーターなどをアイコンで表現するケースです。

ネットワーク図を記載する時にアイコンを使う

これくらいになると、だいぶIT業界っぽさが色濃くなりますね。

まとめ

いかがでしょうか。どちらかというとITシステム開発の業界の資料の特徴になってしまいましたが、紹介したスライド作成例はどれも一度は見たことがあるのではないでしょうか。

皆様も色々な業界の資料に触れてみて、デザインの引き出しを増やしてみてください。

なお、ご紹介したスライドは私のWebサイト「ポケプレ│Pokepre」からpptx形式でダウンロード頂けます。まあ、かくいう私もIT業界の中の人間に1人ですので、こういった資料デザインが多くなります。ご参考になれば幸いです。

以上です。ありがとうございました。

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