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シャツを解体して縫い方の順序をまとめてみた

こんにちは、じゅんじです。

今回は「シャツを解体してどう縫われているかを見てみよう」という話。

事の発端は、襟元が汚れてるユニクロのビジネスシャツを捨てようとしたときに、手が止まった。

「捨てるの勿体ないし、何かに使えないかな?」

何かに再利用できるわけじゃないけど、このユニクロのシャツの縫製を解いてどうなってるか見てみよう、という経緯。

私は服飾の専門学校で学んだ訳ではなく、独学で服を作ってます。なので、縫い方の勉強も兼ねて記録に残しておきます。

すごいザックリだけども、縫う工程の順番はこんな感じ。

①ヨークと後ろ見頃を縫う
②前見頃と後ろ見頃を縫う
③アームにカフスを縫い付ける
④見頃とアームを縫い合わせる
⑤上衿と台襟を縫う
⑥襟を見頃に縫い合わせる
⑦完成

※気になるとこだけ記録してるので、剣ボロなどは省略してます。

ヨークと後ろ見頃を縫い合わせる

ヨークと後ろ見頃を縫い合わせます。ヨークはこの部分。

ヨークは、タグが付いてる内側の見返し分もあります。2枚のヨークを中表同士に合わせ、その間に後ろ見頃の縫代を差し込みます。

2枚のヨークと後ろ見頃、合わせて3枚重ねにして、縫います。(縫代は基本的に全て1cm幅)

背中の部分は運動量が多く、力が入りやすいので、ユニクロのヨークの縫い目は強化縫いしてありました。

確かに両腕を前に出した時、後ろ見頃の布は体に張り付くようになるので力が入る箇所ですね。

その後、縫い合わせた後ろ見頃を表に返して、縫代を割り、アイロンかけます。

そして表側の段差ギリギリのところに(赤の点線)コバステッチ入れます。

実物で見るとこんな感じ。コバステッチ入れると強度が増すのでマストな処理です。

後ろ見頃と前見頃を縫う

ヨークを縫って後ろ見頃が完成したら、前見頃と縫い合わせます。

こちらも2枚のヨークの縫代に前見頃の縫代を挟み込む形で縫います

ずれそうだったらしつけをしておきます。
(縫いを外しそうなど心配な時は、しつけをすれば本縫いが綺麗にできます)

次はアームホールと縫い合わせます。

見頃とアームを縫う

アームホールと見頃を縫い合わせます。

アームホールと見頃は折り伏せ縫いで縫ってあります。

折り伏せ縫いは、縫代を互い違いに折り伏せながら縫うので、生地の端が中に隠れて綺麗に縫え、且つ合計2回縫うので丈夫に仕上がります。

赤の点線が実際に見える縫い目で、黒い布と青い布の端が相互の折り目に入り込んでいるのがお分かり頂けるでしょうか。

カフスを作る

カフスはこの部分。

カフスを解いてみました。

まずカフスの表側、裏側を2枚重ねて縫い合わせます。

その後、裏返してアイロンで形を整え、赤線のところだけステッチかけます。

その後、袖先の縫代をカフスに入れ込み、太い赤線を縫って、カフスとアームを縫い合わせます。

実物はこんな感じ。図解の通りに、カフスは青い直線までステッチかけてあります。
(カフスの端まで縫ってしまうとアームと縫い合わせる時にステッチ幅×2の長さ分、辻褄が合いません)

上衿を作る

上衿のポイントは、ゆとりを持たせて、襟の先がハネないようにすることです。

シャツがシャツらしくあるためには、襟が重要で、特に上衿が跳ねていたら正直シャツとして見栄えが良くないです。


襟の縫い方は縫製工場さんの動画を見たらよく理解できます。とても丁寧で、同じように縫うには練習あるのみです。(私も精度を高められるよう精進中です)

上衿の接着芯の処理

上衿の内側には接着芯を貼っておきます。

上衿の先端は表に返した時にゴロつかないようにしたいので、画像のように先端だけ接着芯を少し切って貼り付けます。

その後、上衿を表に返してしっかり形を整えます。襟の先端も使わなくなったミシン針等で丸くならないようにしっかり角を出します。

形を整え終わったら、襟の端5mm幅(※お好きな幅)でステッチかけます。

台襟と上衿を縫い合わせる

台襟は上衿と同じように表側と裏側を中表にして縫います。

さっき完成した上衿の中心と、台襟の中心を合わせ、ピン打ちしてズレないように固定します。

ピンでズレないように固定したら、赤の点線を縫います。

その後、表に返してアイロンで形を整えます。

実物はこんな感じ。上衿と台襟を縫い合わせたら、こういう形になります。

襟を見頃と縫い合わせる

いよいよ、襟を見頃に縫い合わせる工程に進みます。

台襟と見頃を縫い合わせる際は特に丁寧に縫っていきたいものです。

まず台襟の内側だけ1センチ折り返し、折り返した側の端を5mm幅目安で縫う。

そして表の台襟と見頃を、中表同士に合わせて縫います。

縫う時は、裏台襟の端、キワキワの赤線を縫います。その後、青の斜線部分を台襟の中に隠すように入れ込みます。

この表台襟の余った1cm分の縫代を台襟の中にしまいます

※今まで解説してた側の襟を全て解いてしまったので、反対側の襟でお届けします。

こんな感じで、しまい込みます。


アイロンで形を整え、ピン打ちかしつけをしてズレないように固定してから、青線の部分にコバステッチ入れます。

襟は顔に近い場所です。縫製が汚いと1番目立つ部分なので、慎重に縫っていきましょう。

台襟のステッチが縫えたらアイロンで仕上げます。

台襟を落としミシンで処理して縫製を目立たなくする方法もあるみたいですが、落としミシンは難しいので、上記の縫い順で進めていくのがやりやすいのかもしれません。

ですが、家庭用ミシンで縫代が重なる固い部分は縫い目が飛んでしまうので、家庭用ミシンを使っている方は落としミシンが出来るようになるといいと思います。(私も頑張ってます)

かなりザックリな説明ですが、また改めて丁寧にお伝えできればと思います。

〈了〉



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