![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/12439564/rectangle_large_type_2_37ac646c2ac44c5972bfcbfa0b5f9d1f.jpeg?width=800)
[映画]『海獣の子供』理屈じゃない凄味(原作既読済)
映画「海獣の子供」、原作全5巻を再読した上で鑑賞。
分かり易い面白さを求めている方にはオススメ出来ないけど、理屈じゃない凄味のある作品。よくこれをアニメ化したなと。
アニメーション向きとは思えない五十嵐大介先生の絵柄のタッチはそのままに、絵がついて動いている様に序盤はただ感動。予告編観た段階でこの絵を動かすなんて正気の沙汰じゃないと思っていたので。
観終わった後に受けた印象としては、これまで観た映画では「2001年宇宙の旅」が一番近いかな。
以下ややネタバレ。
内容は改変も加えつつ、主に琉花の視点での物語を中心に再構成されていた。
敬遠されがちな描写はカットされたり変更が加えられ(琉花の体に入った隕石から水が溢れて口から溢れ出る描写はかなりマイルドに)、絵的な面白さのある部分はより印象的に強調されたり(海辺で料理作る所なんて楽しげで良かった)。
他の登場人物のエピソードなども大部分カットされていたけれど、削ぎ落とされた分、実は物語的には原作よりも複雑さが薄まり、一種のジュブナイルもののような印象が強まった。
これは海というキャラが原作より人懐っこく、原作では声が出なくなった辺りから完全に理解の外にいるかのような存在になったのに対して、映画では終盤まで大きく掛け離れず、(割と原作準拠の)琉花との2人のエピソードが中心に構成されていることが大きな要因だと思う。
鑑賞後よく分からないという感想を言っていた人も散見されたけど、分かり易くし過ぎると原作の味も損ねられるので、ギリギリのラインでの映像化だったと思う。
気になる方は是非。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?