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アメリカのリージョナルシアターで客席案内のボランティアをしてきた話


※2020年2月に書いた記事です
※リージョナルシアター:ローカルな非営利の劇場

わりとよく行く劇場でボランティアの客席案内(Usher)を募集していて、躊躇しつつずっと気になっていたのをこのたび勇気を出して申し込んでみました!今回ボランティアをしたのはこちらの劇場です。
Lyric stage company
Volunteer Ushering
ボストンの中心地であるCopley駅から歩いて10分もかからなくて、Copley squareで割引チケットが買えるブースもあるので観光に来た際お芝居に興味がある人はぜひぜひ。
私はたまたまこの劇場の公演を調べてる時にボランティア募集してるの!?ってびっくりして気付いたんですが、実はローカルな劇場ってわりとボランティアが手伝ってること多いみたいですね。あとで書きますが、一緒にボランティアした人にSIXが好きで~っていう話をしたら、私はA.R.T.(SIX上演してた劇場)でボランティアアッシャーやってたからタダで見たよーって言われて「マジで!?!?」ってなりました。(調べたらほんとに募集してました)SIXはチケット完売でロッタリーにも毎週毎週応募しては外れてたのでボランティアの倍率も高かっただろう…と自分を慰めています。
そう、ボランティアやりたい人ってけっこういるんですよね。リージョナルシアターは寄付金とか、1シーズン分のチケットをシーズンが始まる前に買ってもらったりして(シーズンパトロン)運営が成り立ってて、企業からの寄付ももちろんあるんだけど地域の人が劇場運営に協力してるんだな~というのを色んな劇場に足を運んで感じました。開演前に監督が出てきてシーズンチケット買ってくれてる人?って聞いてけっこう手を挙げてる人がいるんですよ。なので確かにボランティア募集してたら応募してくる人がそれなりにいるわけです。私は当初、劇場に協力できるなら…的な気持ちで応募のメールを送ったんですが、応募者が多数いるので一人一公演までというルールですって言われて人手不足どころか大人気じゃん!!!(笑)ってなりました。

応募メールを送ると、PDFでボランティアアッシャーの仕事についての案内と、Code of Conduct(行動指針)が送られてきて、ボランティアをやりたい日にちを教えてくださいと言われました。行動指針については主にハラスメントについての内容で、この劇場はハラスメントを許容しないこと、どのような行為がハラスメントにあたるかの具体例(性別、人種や宗教、障がい、性的指向、年齢に関するハラスメントそれぞれ)、ハラスメントに遭遇したらどうすればよいかなどが書いてありました。これらを読んで理解したこと、ボランティアを希望する日にちの選択肢をいくつか送ると、では〇月〇日の公演△△にサインアップしましたと送られてきて申込みは完了です。ちなみに服装は動きやすい白か黒の服でということで、スニーカーもOKでした。

当日は開演の1時間前に集合して、仕事内容のオリエンテーションがありました。その日のハウスマネージャーという人がいて、その人が説明してくれて何かあったらその人に相談してくださいという感じでした。明朗快活な若者で頼もしかった…!その日のボランティアは私含めて6人で、年配のご夫婦が1組、お友達同士の年配の女性が1組、あと私と同世代~ちょっと上かな?の女性が1人でした。その中で経験者はご夫婦とお友達の片方の人、残りは私含めて今回が初めてです。仕事は劇場がホテルの2階にあるので1階で案内する係が1人、チケットのスキャンが2人、劇場内で客席に案内する係が4人でした。今回ボランティア初めての年配女性は客席の配置を全然知らないからとスキャン係に立候補してて確かにな~と思いました。私がこのボランティアに応募したのは客席が250席くらいで配置も大体わかるから席案内くらいはなんとかなるだろうと思ってのことだったので逆ですね。
会場5分前に客席内に入ってスタンバイです。お客さんが入ってくるまでの時間、他のボランティアの人たちと舞台の話ができたのも嬉しかった!待機中もロビーで公演情報がモニターで流れてるので、この前のオリエンタル急行殺人事件見ました?セットがよかったですよね~みたいな話をしたり、ボランティア経験がある人は本当にこの劇場の公演大体チェックしていて詳しい……!アメリカに来て私よりリージョナルシアターの公演をチェックしてる人としゃべったの初めてだったのでそれだけで応募してよかったなと思いました。
客席狭いし配置も大体わかってるから案内いけるだろうと思ってたものの、最初に案内したお客さんは緊張してて逆サイドに連れていってしまいすいませんでした。「お席に案内します」っていう英語のフレーズもぐぐって準備してたんですが、そんな余裕なくてほぼ単語しか言えてなかった気がします。あと隣のブロックに案内しかけて途中で気付いて急停止して後ろのお客さんにぶつかりそうになったのもごめんなさい。あとは一応問題なく案内できた…と思いたい……。リージョナルシアターに行ったときに客席係の人が妙に覚束ないな~と思うことがたまにあったんですが完全に謎が解けましたね。すみませんでした。
開演時間になったら撤収して、後方端ではありますがセンターブロックで公演を見られました。いつも買ってる半額チケットだとサイド席(この劇場は三方が客席になってる)ばっかりだったので、正面から見るのやっぱりいいねってなりました。お芝居も面白くてよかったです。
公演が終わったら客席のゴミ拾いをしておしまいです。もっとガッツリ清掃するかと思ったら見つけたゴミを拾って捨てて終わりって感じでした。まあそんなにポイ捨てする人もおらず……。そういえば帰り際のお客さんにセットと一緒に写真を撮って欲しいと頼まれて、思わず引き受けたあと近くのいたマネージャーの方を見たら全然OKっぽかったので撮ってあげたんですが、引き受ける前にマネージャーに確認すればよかったなーと思いました。これも反省ですね。

とまあこんな感じで緊張で身構えていたほどのこともなかったんですが、やっぱりお客さんとして行ってるだけじゃわからないことを色々知れて勉強になりました。来月また次の公演にもボランティア参加予定なので楽しみです。