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#----/・・--/----/-・---/-・-・/-・-・・ /・--・/・・/・-/・-・-- あなたが攻撃した街があなたの未来かもしれないって ぐさん

どんなに煮込んでも灰汁が出ない。それがぐさんという人の特徴だと思う。

#----/・・--/----/-・---/-・-・/-・-・・ /・--・/・・/・-/・-・-- あなたが攻撃した街があなたの未来かもしれないって(角川ネット歌枕発掘プロジェクト最優秀作品)

やりたい放題やったみたいなことを呟かれていたし、やりたい放題やったと誰しもわかる作品ではあるが、灰汁が出ていない。人間誰しも灰汁がある。その人の個性というか、思想というか、滲み出る劣等感みたいなものが詩を描いた時には灰汁として浮き上がってくる。それがぐさんにはない。もしくは灰汁が凄まじく透明感を持っているのかもしれない。

ぐさんを初めて知ったのは2018年くらいだったかな。一句一遊を高頻度で聴いていた頃、組長がぐさんのことを無茶苦茶ほめていて嫉妬した記憶がある。その時の俳句は断片でしか覚えていないが、(たこ焼きの句で、「ほふほふ」のようなオノマトペが使われていて、爆弾と形容していた気がする。誰か知っている人は教えてください。)次々とヒット作を繰り出してくるKポップアイドルみたいな存在感だった。

ポップである、即ち灰汁が出ない。(←これはぐさんの評としてはまだ不完全である)

ぐさんの代表的な句と思われるものをいくつか。
⚫︎月光に痺れて足はひれのやう (俳句生活2020年兼題「月」)
⚫︎貝ひらく小春の角度知るやうに (俳句ポスト2021年兼題「小春」)
⚫︎雛祭さくらでんぶにある浮力 (俳句ポスト2022年兼題「雛祭」)

最近のぐさんで、一番僕の求めているぐさんを出してきた句。
⚫︎ゐんゐんと月に余寒の響きあり (2024年俳句ポスト兼題「余寒」)

僕の中で、いつき組を名乗られてきた人の中で、巨匠と呼べる存在が2人いる。それが一阿蘇鷲ニさんと、ぐさんだ。これは今でも僕の芸術闘争本能を掻き立てる存在だ。

久しぶりのnoteの記事がまた支離滅裂になりかけている。

ぐさんの句は灰汁がないという点ではKポップだと言ったが、Kポップの中でも名曲と呼ばれるものには毒があるように、ぐさんの句にも毒を感じる。はっきり言ってX界隈に溢れている毒のないシティポップのような俳句は面白くない。文語であれ口語であれ全て既視感でしかない。僕がひっそりとぐさんに期待しているのはその面白くない俳句たちへの返答だ。シティポップを踏まえたKポップの返答なのだ。

ぐさんの句はポップで、ぐさんは気づかれないように毒を盛る。(←今のところのぐさん評の完成系)


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