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ここが変だよ民泊新法その12 理想の民泊新法を考える

前回までで、民泊運営をするにあたって起こる問題とその解決方法を、近隣住民・ゲスト・ホストに分けて考えてきました。
民泊新法というのは、民泊というビジネスが広がった事によって発生する問題を解決する為にできた法律なので、まずは問題にアプローチするのが重要です。

今回書いてきた問題は、私が実際に運営してきて体験したものと想定できる仮説なので正直不十分な部分もあるでしょう。

私がこの法律立案の担当者だったら、Airbnbの問題解決センターや、民泊の相談窓口からデータを出させて、実際にどんな問題が何件ぐらい起こってて、それがどのぐらいのインパクトがあるのか、そして行政がやるべき範囲はどこなのか。というのを考えていたでしょう。

事業者もAirbnbの担当者も呼びましょう。法律の影響範囲を考えたら、ホテル運営者も旅館運営者も呼びましょう。そしてとっくりと膝突き合わせて、腹割って話し合いましょうと。そんで時にはみんなでお酒でも飲んでさ、カラオケでもボーリングでもして親睦を深めてさ、でも賄賂はダメだよ。

あくまで「みんなで日本の観光業を良くする!」って共通の目的に向かって法律を作れたら良かったよね。

近隣住民に起こる問題まとめ

騒音 ⇒ Airbnbにマニュアル整備を推奨する
ゴミ ⇒ Airbnbにマニュアル整備を推奨する
チェックイン時の迷子 ⇒ Airbnb側でツール開発

運営者不明 ⇒ 運営者を登録制にする
安全性の確保 ⇒ 消防設備設置の義務化

ゲストに起こる問題まとめ

チェックイン時の迷子 ⇒ Airbnb側でツール提供・改善命令
設備問題 ⇒ 行政側で設備基準を提示、違反時には指導
清潔さ ⇒ 行政側で基準を提示、違反時には指導

ホストと連絡つかない ⇒ Airbnb側に対応窓口設置を義務付ける
安全性の確保 ⇒ 消防設備設置の義務化

ホストに起こる問題まとめ

近隣トラブル ⇒ 運営者登録制・相談窓口を設けて改善命令を出す
         ゲストにもルールを守らせる

器物破損 ⇒ 現状Airbnbが仲介。既存法律で対応
緊急対応 ⇒ Airbnb側に窓口設置を義務付ける
収益性 ⇒ 頑張っていいサービスを提供して下さい

理想の民泊新法を考える

それではここからは、理想の民泊新法を考えたいと思います。「最小の労力で、最大限効果を発揮するルール」というのがテーマです。

第X条 事業者の登録
民泊運営を行うものは、民泊データベースに登録し、発行された番号をリスティングページに掲載すること

ここは行政側で登録フォームを作ります。入力項目は、「代表者氏名(法人の場合は会社名も)」「連絡先」「掲載リスティングのURL」「マイナンバー(納税確認の為)」「代表者の本人確認書類のアップロード」ぐらいでいいでしょう。

全部オンライン完結で。IT先進国エストニアは行政手続きの99%がオンラインで完結できるみたいですね。日本もそうしましょう。印鑑も登記簿謄本も収入印紙も、この機会に全部廃止でお願いします。

申請したら番号が発行され、その番号をリスティングに掲載するようにしておけば、近隣の人もその番号をもって行政窓口に相談できる。問題があるリスティングには、行政指導という形で改善されるまでリスティングの非掲載をプラットフォーム側に指示できるようにします。

第X条 非掲載の命令
運営条件(後述)を満たさない事業者に対しては、改善命令を出し、行政の権限で仲介業者(Airbnb等)に非掲載の命令を出せるものとする

これで、運営レベルが低くトラブルのあるリスティングは改善するまで非掲載にしてしまいます。うん、シンプル。行政側でやろうとすると結構大変なので、プラットフォーム(Airbnb等)側にやらせてもいいですね。幸いAirbnbには優秀な相互レビュー機能があるので、レビューが低いものは検索順位を下げる(すでにそうなってると思いますが)・一時非掲載にするようにしたら、問題は激減するでしょう。

第X条 滞在ルールの設置義務
仲介業者は、宿泊者が騒音・ゴミの問題を出さない為に多言語でのルールを事業者に対して提供する。事業者は、日本語・英語・中国語・韓国語で記載されたルールを滞在先に設置する

前述したように、旅行者がトラブルを起こすのは、故意ではなくコミュニケーション不足が原因の場合がほとんどです。ちゃんとした案内があればゴミも騒音も起こらない。そしてその案内を事業者ごとにやらせようとするからできないし超非効率。Airbnb側に全部用意させましょう。

長くなったので続きはまた次回!全文50000字の新法をどこまでシンプルかつ効果的にできるか!


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