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派遣でwebコーダーをしてみて気づいたこと。

協力隊から帰国後、派遣のwebコーダーとして4ヶ月間(2020年10月〜2021年1月)働いた。次の私の就職に生かすための備忘録として、また「web業界に就職したい」「派遣でまずはやってみよう」と思っている方の、少しでも参考になればと思う。

仕事の概要

勤務先はとあるメーカーで、web担当のアシスタントとして採用された。100人規模の会社で、web担当は1人だった。その方の指示を受けて業務を行っていた。
ECサイト(CMS)とコーポレートページ(wordpress)の2サイトをメインで運営しているのに加えて、AmazonやYahooショッピングにも出店していた。

派遣会社からもらった就業条件明示書という書類には、このように書かれていた。
令4条1項16号:広告デザイン業務
主たる業務:WEBコーディング
その他業務:付随するWEBデザイン 事務業務 (社内会議有)

会社が運営していたサイトは主に三つ。
・ECサイト
・コーポレートサイト
・外部のショッピングサイト(Yahooショッピング)

実際に業務の中で触った割合は、感覚的には
ECサイトが80%、コーポレートサイトが10%、外部が5%、その他5%くらい。ほとんどECサイトに関わることだった。全てPC、タブレット、スマホ対応まで行う。PhotoshopやIllustlatorで画像を編集することもあった。またサイトマップの更新作業もあった(XMLファイル、エクセルファイル)。

具体的な作業

メインのECサイトはCMSでページの更新を行った。サイトがリニューアルしたばかりだったので、過去のニュースページを現行サイトに移行する作業から最初は始まった。定期的に新しい商品が出るのでその商品ページやニュースページを作成した。
過去のページを参考にするので、まったくゼロからページをデザインしたり作成するということはなかった。テストアップから本番公開まで行うので、その後に手直しが入る場合は特に、急ぎながらも落ち着いて作業する必要があった。

コーポレートサイトはwordpressで作成されていた。ECサイトと比べるとあまり触ることはなかったが、ECサイトのニュースページのリンクを掲載していたのでECサイトでニュースが出るたびに更新が必要だったり、コーポレートサイト内に英語版サイトがあったので、商品が出るたびに更新する作業があった。
またテスト環境がなかったため、サーバー管理ツールpleskを使って構築した。

YahooのショッピングサイトはYahoo独自のCMSだった。使い方を覚えるところから始まったがわかりにくく戸惑った。マニュアルがあるのだがそれを読み解くのも苦労した。

ECサイトで使う画像の作成のため、PhotoshopやIllustlatorを触ることもあった。仕事で使うのは初めてだったが、使い方を教えて頂いたし、切り抜きや写真に写っている不要なものを取り除く程度のことだったので難しいことはあまりなかった。高度な技術ができるようになることよりも、書き出した画像のファイル名を揃えたり、画像を軽くする処理を忘れずにしたりといった表に現れない部分が意外と大事だった。

言語としては基本的にHTML/cssがメインで、ごくまれにJavascript/jQueryを使うことがあった。サイト内で動画の埋め込みが多かったので、動画の読み込みが軽くなるような処理を書く際にJavascriptが必要になった。また複数の画像をスライダーで表示するために、jQueryのプラグインSlickを使ってページ作成をしたこともあった。

またアクセス解析ツール、Google AnalyticsとGoogle Search Consoleの使い方を多少経験することもできた。私はあまり関われなかったが上司の仕事を見ていると、画面を作れるだけではなく、webマーケティングができることもweb担当者の必須スキルであると感じた。

気づいたこと

コーダーとして特に求められるのは正確性だと思う。とにかくミスがないように何度もチェックすること。本当に大丈夫なのか?と自分を疑うこと。当たり前のことを当たり前にやるために、自分が思っているよりも高い基準でチェックした方がいい。
社会人として当たり前のことかもしれないが、私は協力隊で海外に出ていたから、日本の水準の高さに身体が追いついてなかっただけかもしれない。

また案件によると思うが、派遣だと責任のある仕事を任せてもらいにくく、単純作業ばかりで、技術的に成長している感覚がなかなかなかった。新卒でSEとして働いていたときの方が、辛かったけど学ぶことは圧倒的に多かったと思う。この会社では1年以上働いたら正社員に昇格することもあったそうだが、私は待てなかった。

一番驚いたことはソースコードの書き方が、今まで習ってきたものとかなり違っていた。SEとして働いていた会社で研修を受けたり、オンラインスクールでwebプログラミングの基礎を学んできたが、そこでは「インデントを揃える」「HTMLとcssファイルは別々にする」「HTMLタグに直接cssを書き込んではいけない」といったことが基本中の基本として教えられた。
だが派遣で働いていた会社ではかなり違っていて、担当者が1人しかいなかったからかインデントが揃ってなかったり、HTMLにCSS直書きが当たり前だったりして、ソースがかなり読みにくかった。あまりこのようなケースはないと思うが、実際の現場は時間の制約もあるため、教科書通りのことばかりではないと知ることができた。もちろんソースは誰が見てもわかるように、綺麗なコードを目指すことが一番だと思う。

ネットに出ている派遣の求人情報は、簡単にしか書かれていないことが多い。働くイメージがつくまで、些細なことでも聞いた方がいい。派遣担当者であれば質問もしやすいはず。
また技術以外のことだが、その職場で働いていた前の派遣の人が短期間で辞めていないか、仕事に就く前に確認した方がいいと思う。派遣とはいえ長く働いた方が印象は良いから、「受かればどこでもいいか」とは考えずに慎重に選ぶべき。

いろいろあったけれど私は派遣で初めて、「web担当者」として働くことができた。良い環境に巡り会えたら、長く働けたら正社員の道もあるし、派遣で働くこともwebデザイナーを目指すひとつの手段だと思う。

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