2021年の仕事を振り返る前に自己紹介

まずはじめに。

僕は実業之日本社という一応老舗(創業は1897年、明治30年)出版社で働いています。書店勤務を経て、2018年4月に入社して以来、販売マーケティング本部で、文芸書・文庫の販売促進を担当してきました。
ちなみに、初めて販促を担当した作品は、似鳥鶏さん『名探偵誕生』でした。

3年くらい、いろいろな作品の販促を担当したり、営業をしたり。規模が大きな会社ではないので、リソースが限られている、というのもあるのですが、幸運にもいろいろな仕事を任せてもらう機会に恵まれ、成長ができた3年間だったな、と思っています。

そんな僕ですが、そもそも書店から転職しよう、と決意した理由は、編集者になって自分で本を作ってみたい、と思ったから。
きっかけは、書店員時代の編集者の先輩方との出会いでした。
ところが、編集者未経験採用なんて、してもらえない世の中。
書店員経験を活かして、販売としてなら、ということで飛び込んだ弊社でした。

「編集者になりたい!」という想いは、入社以来ず~っと上司には伝えてきていました。しかし、販売として成長するにつれて、
逆に、編集部のみなさんから「抜けられたら困る!」と言われる始末……。
「販売で経験を積んでいるのはいずれ編集部に異動した時に活きると思っているからであって……」

――じゃあどうしようか……。

実業之日本社はとても変わった会社で(版元の中でも緩い方かも……)、

「どこの部署にいても企画を出して編集をやってもいい」

と言われていました。(たぶん今も)
“マルチタスク”という言葉が経営陣は大好きなようです。(事実は未確認)

ただ、もちろん編集部の許しは得たうえで進めないといけないのですね。
編集部から企画を出すにあたって課された条件は、

「販売の仕事を120%やったうえで、編集の仕事をする」こと。

一見、厳しいなと思われるかもしれないし、僕も最初率直に言って厳しい、と思いましたが、今考えると社内のいろいろな目を考えたうえでの親心みたいなものだったのかな、と思っています。(ありがとうございます)

条件をクリアすべく、販売の仕事をバリバリやりながら、少しずつ企画を進めていました。
(あ、僕がやりたいのは小説の編集だったので、進めていた企画もすべて小説の企画です)

2021年はチビチビ進めていた企画がやっと結実し始めた年で、3月には初めて編集を担当した作品を単行本で発売させていただけました。
※担当書は別記事で紹介します!

その他にも夏までに3作の担当本の刊行が決まっていて、企画を進めていました。

ところが、2021年5月に青天の霹靂が!!!!!

「向こう数年は絶対にないだろう」

と思っていた文芸出版部(文芸ジャンルの編集部)への異動の辞令が出ました。予想外すぎて、思わずいろいろな毒気が抜かれてしまったことは、今でもよく覚えています……。

「……。でも、まだ後輩も育っていない状況で異動してしまって大丈夫なのだろうか……?」

という疑問はすぐに湧いてきました。
すぐ上司に投げかけると、

「うん。だから、完全移籍という形ではないです。
新たな試み、としてジャンルの販売・マーケティング担当を、
編集部内に置き、編集も販売もどちらもやる新しいポジションです」

という答えが返ってきました。
※言葉はニュアンスくらいしか合っていないと思われます。

前置きが長くなりましたが、2021年5月付で、文芸出版部に異動し、勤務しています。自分の企画としての小説の編集業務と、文芸出版部から刊行される作品の販売マーケティング業務を担当しています。
面白い働き方をしている人だな、と思ってもらえたら、嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?