宇宙って感じたことある?
「どういうこと?」
「ない?そんな風に思ったこと?」
「ないよ」
「本当にない?」
「んんん、そういえば、.....」
「なになに?」
「ああ、なんか、木漏れ日で、たくさんの葉のシルエットの隙間から、ちらちら光の様子が見えるみたいな感じの?」
「ああ、いいね、続けて....」
「海に入った時に、なんかうまく表現できないような安らぎを感じる瞬間な感覚とか?」
「そうそう、他には?」
「ないよ、そんなに要求されても」
「 "インターステラ" って観た?」
「観てない」
「そっか、じゃあ、2001年宇宙の旅とか...止めた、こっち方面のハナシは」
「そもそも、そんな問いかけするのって、あなたなんかあったんでしょ?」
「バカにしない?」
「しない」
「こいういうジャンルの話すると、絶対気取ってとか嫌味とか言われる気するんだけど」
「そもそもそれ話したいから振ったんでしょ?しなきゃ」
「そうね。ある人に貰ってね。シャンパンって飲んだの。
フランスのジャック・セロスって人の作ったやつ。なんかもうすごかったの。
飲んだ瞬間ね。自分が、小さくなったり、大きくなったり、床がストーンって落ちて、
登っているような、落ちているような、今だったり、過去だっ李、いろんなものが一気に迫ってくような感覚で、」
「?」
「そんなの、ねえ、分かる?」
「わからない」
「そうよね、私自身もよくわかんない感覚に襲われて、きっとこれがね。いろんな感覚が、もう幾層にもなって現れて、自分がどこかしらに繋がっているような、ふくまれているような感じで。よくわかんないからこそ、こう名付けるしかないのかな、これって、宇宙なんだって」
「あなた、大丈夫、熱でもあるの?それかもうお酒とか飲んで酔っ払ってんの?」
「ああ、やっぱりやめればよかった。きっと、そんな風に言われると思ったの、しなきゃ、よかったこんなはなし」
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