昨日、ラ・プラタの森で
昨日、ラ・プラタの森で
かわいい少女に会った
はにかむ白い笑顔
かわいい少女はなにか迷っているようだった
わたしは尋ねた
なにしてるの? そこで
う~ん、この家に会いたいひとがいるんだけど
入っていいのかどうかなって考えてるの
どうして入っちゃいけないの?
だって、とっても大きな家だから、なんか怖いの
なにが怖いの?
う~ん、塀も高いし、門も大きいし
それがなにか?
ちょっと怖いの、こんなおうちに入ったことないから
わたしは少女になにか言ってあげたかったけど
うまい言葉が浮かばなかった
わたしだって怖いから
たぶんあの頃は
緑の雲がいくつも流れた
青い風がなんども吹いた
黄色とオレンジの太陽がぐるぐる照った
かわいい少女はずっとそこで迷っていた
やがてその少女は大きくなって匂いで誘い、すてきな騎手と結婚した
そして、かわいい少女とよく似たかわいい女の子を産んだ
昨日、ラ・プラタの森でそのかわいい少女のかわいい娘に会った
そのかわいい少女のかわいい娘は何かを迷っているようだった
わたしは尋ねた
なにしてるの? そこで
う~ん、この家に会いたい人がいるんだけど
入っていいかどうかなって考えているの
わたしは、入ったらいいよ、とってもすてきな騎手がいるから
と、教えてあげたかった
でも、黙っていた
私はいつも
そばにいる
陣太呂
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