漂泊の歌人に出会った夜

高瀬甚太
 
 多賀惣吉は、一世を風靡したミュージシャンであった。今でこそ名前を聞くことすら珍しくなっているが、当時、彼の人気はすさまじいものがあった。心に響くギター演奏と切なく哀しい歌声は、高度成長期の狭間で揺れ動く日本人の心を捕らえて離さなかった。
 物の価値観が大きく変わろうとしていた時期であった。生活が豊かになり始め、文化的な営みが当たり前のようになった頃、多賀惣吉の歌声はピタリと止み、彼はいずこともなく消えた。
 当時、私も多賀の歌声にしびれた一人で、彼の歌に感化されてギターを手に夜ごと歌を歌って、母や近隣の人に怒鳴られた記憶がある。その頃はまだ中学生だった。
 時代と共に歌も変遷を繰り返し、それにつれて多くのミュージシャンが台頭したが、多賀のような歌い手は未だに現れない。
  
 大学進学を控えた高校時代、最後の年、友人の井田康則は多賀惣吉の音楽について、ことあるごとに私に話して聞かせ、その歌を常に絶賛していた。井田と私は同年代であったが、多賀のファンという点では、私は彼に大きく劣っていた。私の場合はミーハー的なノリで、流行り歌を聴くような感覚で多賀の歌を好んだが、彼はそうではなかった。多賀の歌を一種の哲学として捉えていたようなところがあった。多賀の歌には思想がある。彼は、多賀の歌を聴くたびに私に熱くそう語った。
 しかし、時代が一変し、進学や就職、競争の時代に突入すると、私の中で、多賀に対する興味が一瞬のうちに消え失せてしまった。それは私だけでなく、多くの者がそうであったに違いない。井田もまた然りで、高校を卒業するころには、ほとんど多賀のことを口にしなくなっていた。
 結局、多賀は全盛期を五年ほどで終え、それっきり歌わなくなった。すっかり消えてしまったのはそれから一年後のことになる。
 以後、多賀は表舞台から忽然と姿を消し、時々、懐かしがられるだけの存在として、さまざまな人の人生に残された稀有な思い出の人物となってしまった。
 
 私が時折訪れる居酒屋が、梅田からほど近い場所にあった。閑散とした場所で、夜など寂しいところで、店を訪れる客もそれほど多くはなかった。20席ある席に、五、六人ほどしか入っていない。時間帯の関係もあるのかと思ったが、そうでもなかった。満席になったことなど一度もないと、店主が自慢しているのを聞いたことがある。
 しかし、店の料理は秀逸だった。手が込んでいないくせになぜかおいしい。材料もそれほどいいわけでもなかったし、こだわりなど何もないように思えるのに、なぜかおいしく感じられるのだ。しかも値段が他の店に比べて格段に安い。そんなこともあって、私は事務所から30分ほどかかるこの店に足しげく自転車で通っていた。
 日曜日の夜のことだ。私は、その日もまた、自転車を走らせて居酒屋に向かっていた。近道を通るためには、どうしても人通りの少ない暗い夜道を走らなければならない。居酒屋に近い場所に公園があった。夜などほとんど人が通らない静かな場所だ。公園の中央に差し掛かったところで、私は自転車を急停止した。
 私の耳を捉えたのは懐かしい歌声だった。心に染み入るその歌声は多賀惣吉の歌によく似ていた。誰かが多賀の歌を歌っている。そう思った私は興味をそそられて、歌声の聞こえる場所に近づいた。
 浮浪者風の男がベンチに座ってギターを奏で、歌っていた。本物の多賀惣吉と思えるほど卓越したその歌声に私は聞き入り、歌が終わった途端、思わず拍手をした。
 ギターを奏でていた男は、一瞬、顔を強張らせて私を見た。髪の毛が茫々に伸び、髭が顔を覆っていた。痩せ細った体は、何かしら弱々しく見え、ギターさえなければ幽霊のように見えた。
 「お上手ですねえ」
 お世辞ではなく、本心で褒めた。男は照れ臭そうに下を向き、
 「ありがとう」
 と小さな声で言った。その声と照れるしぐさに、何となく見覚えがあった。
 「もしかしたら多賀惣吉さんではありませんか?」
 あてずっぽうで言ったつもりが見事に当たっていた。男がコクリと頭を垂れ、「はい」と言って頷いた。
 私が、あなたのファンです、と興奮して話すと、多賀は恥ずかしそうに、
 「でも、今はホームレスですから」
 と、弱々しく笑った。
 衣服も姿も、ホームレスそのものであったが、ギターだけはかなりの高級で、新品に近いもののように見えた。そのことを指摘すると、多賀は、
 「狙われて困ります」
 と弱々しい声で言った。
 私は多賀を居酒屋に案内した。店内に入ると、店主が一瞬、顔を歪ませたが、臭気が少ないことを知って、何も言わず、私と多賀を席に案内した。日曜日の居酒屋は平日よりさらに閑散としていて、客は五人ほどしかいなかった。
 席に着いてすぐに私は生ビールを二つ注文した。多賀は私と対するようにして座り、視線を下に向けたまま、何も言わなかった。
 「多賀さん、よかったら何でも食べてください。この店は安いので遠慮はいりません」
 多賀は曖昧に笑い、相変わらず無言でいた。
 ビールが届き、いくつかの酒の肴がテーブルを賑わせた。だが、多賀はビールに口を付けず、酒の肴にも一切、箸を付けなかった。
 「どうぞ、温かいうちに食べましょう」
 どのように促しても、多賀は箸を付けず、ビールも口にしなかった。私は段々、恥ずかしくなってきた。ホームレスに酒を恵み、食べ物を恵んでやっている。多賀は、そんなふうに感じたのかもしれない。多賀をこの店に連れて来たことを後悔した。
 多賀がギターを手にして私に言った。
 「ご迷惑でなければ歌を歌いましょうか? 歌を聴いていただいたら、歌の料金分だけ呑ませていただき、食事をさせていただきます。何もしないでご馳走になるのは少し抵抗があります」
 多賀の提案に私は乗った。早速、店主に相談をした。店主は最初のうち気乗りがしない様子だったが、粘り強く交渉すると、渋々承諾して納得してくれた。
 店内にいる客は、店主の説明に快く了解し、嫌がる人は誰もいなかった。多賀は、店の中央に椅子を置き、そこに座ると、ギターを鳴らし、切々と歌い始めた。
 何と言う声量だろう。透き通った声がギターの調べに乗り、店内を流れて行く。多賀の歌はこんなにもすごかったのか、私は改めて驚嘆した。中学、高校と聞いた多賀の歌声とはまた違った凄味のようなものが今の多賀の歌にはあった。
 店主は、うっとりとした表情で多賀の歌に聞き入っている。五人の客もそれぞれ多賀の歌う世界に引き込まれ、中には涙を流している人さえいた。
歌い終わると、一瞬の静寂の後、高らかに拍手が鳴り響いた。総計七人、少ない人数なのに、その拍手は大きく激しいものがあった。
 歌い終えた多賀に、店主が、
 「もう一曲お願いできませんか」
 と申し出た。多賀は快くそれを受け、再びギターを手に歌い始めた。
 私の脳裏を、中高校生の日々が過った。多賀の歌はまさしく私の青春の歌だった。
 歌を聴きながら、私は思った。多賀はいったいどのような人生を送って来たのだろうか。脚光を浴び、多忙な日々を送り、称賛を浴びてスターとして生きた日々、そして、今の現実――。
 二曲目の歌を歌い終えた多賀は、再び私の前の席に座り直すと、おいしそうにビールを呑み干し、から揚げを口にした。
 その夜、私は多賀と共に一晩中、公園で呑み明かした。
 太陽が昇り始めるのと同時に私は多賀と別れた。去って行く多賀の後姿を目で追ううちに、スーッと街の中に多賀が消えて行くような、そんな錯覚を覚え、なぜか私は戦慄した。
 
 多賀に会って、私は井田のことを思い出した。私よりさらに多賀に執着していた井田のことだ。私が多賀と共に呑んだことを話すと、きっと羨ましく思うに違いない。そう思って久々に電話をした。
 学生時代、学生運動に熱心だった井田は、運動が下火になるといち早く方向転換し、外資系の企業に就職し、現在は営業課長として活躍していた。
 井田の携帯に電話をすると、三回目の呼び出しで井田が出た。忙しいのか、慌ただしい口調で電話に出た井田は、
 ――おうっ、早川か。珍しいな、何の用だ?
 と早口で聞いた。
 井田とは三年ほど会っていなかった。それでも時々、電話で話をすることがあった。だが、いつも短時間なので、現在の井田の様子を掴めるところまで行っていない。
 「実はなあ、驚くなよ」
 と前ふりをして、多賀惣吉と会ったこと、一緒に呑み明かしたことを話した。
 ――……。
 井田からの反応は一切なかった。
 ――おい、聞いているのか?
 ――ああ、聞いているよ。
 ――学生時代、俺たち夢中になって聞いていただろ。あの多賀惣吉に会ったんだぞ。
 念を押すようにして言うと、井田は、
 ――井森、多賀惣吉は五年ほど前に亡くなっている。公園で行き倒れになっているところを発見されて死亡が確認されたんだ。俺はそのニュースをこの目で見て、ひどく落ち込んだ。お前の会った多賀は、別人じゃないのか?
 ――そんなニュース、おれは知らない。だが、昨夜、会った多賀はまさしく多賀だった。歌も多賀そのものだった。様子は変わっていたけど、あれは別人ではない。
 と、断言した。
 ――そうか。わかった。
 井田はそれだけ言うと電話を切った。
 勘違いをしているに違いない。そう思った私は、インターネットで多賀惣吉を検索した。検索すると多賀のページが出て来た。出身地、生まれた年が書いてあってその隣に享年五八歳となっていた――。
 再び井田に電話をした。忙しくて電話に出られないだろうと思ったが、井田は案外早く、電話に出た。
 ――どうした?
 ――お前の言う通り多賀は五年前に亡くなっていた。しかし、おれは確かに昨夜、多賀に会った。多賀に会って、一緒に酒を呑み、多賀の歌も二曲聞いた。心に染み入る歌だった。おれは五年前亡くなった幽霊に会ったんだろうか……。とても幽霊のようには見えなかった。ショックだよ。
 ――今日の夜、どうしている?
 井田が訊かれたので、私は相変わらず暇しているよ、と答えると、井田は、
 ――じゃあ、今日、昨日、多賀と会ったその店に行こう。
と言った。
 井田が私の事務所にやって来たのは、午後7時を少し過ぎた時間帯だった。井田はひどく疲れた顔をして、元気がなかった。
 事務所の私のデスクの隣の椅子に腰を下ろした井田は、タバコを吸い、ため息ともつかない声を煙と共に吐き出した。
 「どうしたんだ。元気がないぞ」
 と言うと、井田は、タバコの火を灰皿でもみ消しながら、所在なさげに笑った。
 「おまえがうらやましいよ」
 大企業の第一線で働く営業課長に、うらやましいと思われるような仕事をしていなかった私は、
 「おまえこそうらやましい。高給をもらって、いい家に住んで、美人の嫁さんをもらって、幸せを独り占めしているじゃないか」
 と冷やかした。井田に比べると私など哀れなものだ。貧乏ライターであくせく働いて、家もなければ嫁もない。幸せとはまったく縁遠い位置にいた。
 「大企業の営業課長といっても、所詮は雇われの身だ。上に立つ者が誰になるかで簡単に運命が変わってしまう。家庭だってそうだよ。何もかもが砂の器だ。波に洗われたらすぐに消えてしまう。その点、おまえはいいよ。好きなことをやって、好きなように生きて……。おまえ以上の人生はない」
 井田が謙遜して言っているのだと思った私は、彼の背中を叩き、
 「さあ、行こうか」
 と促した。
 一人なら自転車で走るのだが、井田と一緒だとそんなわけにもいかない。国道へ出た私たちは車を拾って、居酒屋に向かった。
 居酒屋は相変わらず空いていた。それでも七人ほどはいただろうか。私が顔を覗かせると、店主が顔をほころばせて近づいてきた。
 「早川さん、昨日はどうもありがとうございました。あの後、どうされたんですか?」
 席を見つけ、井田を座らせたところで、店主に答えた。
 「一晩中、公園で呑み明かしましたよ」
 店主は、
 「一晩中ですか!?」
 と驚きながら、
 「いいですねえ、私もご同行したかった」
 と、残念そうな口ぶりで言った。
 注文を告げ、店主が厨房に戻って行くのを見ながら、私は井田に言った。
 「な、嘘じゃなかっただろ。多賀は間違いなく昨夜、この店に現れたんだ」
 井田は無言で居酒屋の店内を眺め回すと、
 「だが、多賀惣吉は間違いなく五年前に亡くなっている。おまえの見たのは幽霊だ」
 と断言した。
 「仕事柄、いろんなものを見てきたが、あんな幽霊は見たことがない。しかもおれだけでなく、店にいた客と店主が確認している」
 「だが、どのように考えても多賀であるはずがない。幽霊でなければ別人だ。おまえの中の多賀に対する憧れのようなものが、別人を本物と勘違いさせたのだろう。――だが、それでもいいから、おれも会いたかったなあ」
 それが井田の本音であったのだろう。しみじみとつぶやくような声で言った。
 昨夜の多賀を思い出し、私は感慨を新たにし、グラスの中のビールを一息に喉に流し込んだ。
 「多賀惣吉の歌は素晴らしかった。幽霊であれ、別人であれ、理屈じゃなく、心で聴ける歌だったよ。改めて彼の凄さを感じた」
 私の感想に呼応するかのように、井田がグラスを手にかざしながら郷愁に駆られた表情で言う。
 「あの頃はよかったな。いつだって精一杯自分を表現しようと頑張っていた。自分の好きなように生きられた、唯一の時間だった」
 井田の口ぶりから現在の井田の置かれている状況が一瞬、垣間見えたような気がした。だが、そのことには一切触れなかった。友だち同士であっても、どこかで一線を引かなければ、真の友情は保てないからだ。
 店主が私に近寄り、一枚のレコードを私に見せた。
 「昨日、多賀さんの歌を聴いて、大昔に買っていたレコードアルバムを思い出して、一晩かかって探し出しました。今朝、もう一度聞きましたがやっぱりよろしいなあ。安っぽい感傷ではない、本物の人生の悲哀が感じられて、心が洗われた気分になりました」
 店主が手に持つレコードを見て、井田が言った。
 「そのレコード、よかったら今ここでかけていただけませんか」
 店主は、快く井田の申し出を受け、
 「一緒に聴きましょう」
 と店の奥に向かった。店内に曲が流れてきたのは、その少し後だった。
多賀の楽曲は、一貫して孤独と愛をテーマにしていた。悲しみの根源にあるものを追い求めるかのような多賀の歌声を聴くと、聴く人はみな、自身の心の奥底に内在する孤独と愛に直面する。満たされない愛、求める愛、捧げる愛、慈しむ愛――。さまざまな愛をモチーフにした歌声が、聴く人の心を癒す。
 昨夜と同様の状況が店内に起きていた。多賀惣吉を知る者も、知らない者も、多賀の歌声を聞きながら、それぞれ自らの心の深淵を覗き、人生と向き合っているようにみえた。
 歌を聴きながら井田が言った。
 「井森、おれは選択を間違っていたのだろうか」
 「なぜだ?」
 「学生運動に愛想をつかして外資系の企業に就職した。それがおれにとってベストの選択だったかどうか、今となってみたら自信がない。おれは、子供の頃からベーシストに憧れていた。好きなベースを弾いて、一生、楽しく暮らせればそれでいい、そんなふうに思っていた。だが、大学の最終年近くになって、父親に言われた。ベースは趣味にして、家族を養える仕事をしろ、競争社会で生き抜く自負を持て、と。それもそうだなと思ったよ。大した実力もないくせに、何がベースだ、何が音楽だ――。おれはあっさり夢を捨てて、就職した。人より少し要領の良かったおれは、出世しそうな上司に取り入って、とんとん拍子に出世した。その上司の紹介で結婚もした。美人で評判の妻はおれの自慢の種だった。何もかもうまく行きすぎて、おれは、世界はおれのためにあるんじゃないかとその頃は思っていたよ。だが、一つ歯車が狂えばすべておじゃんになる。上司が女性問題のトラブルに巻き込まれて失脚すると、おれの前途は暗転した。おれは来月には札幌支店に追いやられる。おまけに、失脚した上司と、おれの女房が昔、関係があったことまでわかってしまった。おれは上司のお古を回されたわけだ。笑うしかなかったよ。
 今さら会社を辞めることもできないおれは、甘んじて札幌行きを受けたよ。単身赴任にするか、妻も連れて行くか、悩んだ末におれは女房に相談した。女房は言ったよ。上司と私の関係をいつ知ったのかと。おれは、上司が失脚して、初めて知らされたと答えた。女房は、上司に押し付けられておれと結婚をしたわけじゃないと言った。あなたが好きで結婚した。だから、あなたが私の過去を知って、私と別れたいならそれはそれで仕方がない。でも、あなたがついて来てくれというなら、私はどこまでもあなたと一緒に行きます。それが女房の答えだった……。
 おれは、過去など関係ない。おまえを愛している。どうか、おれについて来てくれ、と女房に言ったよ。女房は、札幌は寒い街だから向こうで困らないように、温かい荷物を用意して持っていかないといけないわね、と言って、引っ越しの用意にかかってくれたよ。おれは女房に言った。札幌へ行ったら暇になりそうだから、ベースの練習をしてもいいかなって。結婚してから忙しくて一度も弾いていないから不安だけど、と言ったら、女房の奴、私があなたのファン一号になるわ、頑張って……」
 孤独じゃないのが一番の幸せだよ、と言って、井田は多賀の歌を聴きながら大粒の涙をこぼした。
 多賀のアルバムを聞いているうちに、私は昨夜のことを思い出した。公園で歌っていた多賀、居酒屋で酒と食べ物を前にして手を付けずにいた多賀、ギターを奏でて歌っていた時の多賀――。あれは幻だったのか。私は幽霊を見たのか。考えても考えてもわからなかった。
 しかし、多賀に会ってよかったと思った。井田とも久々に会えたし、井田の内情を知ることができた。井田が不幸なら心配だが、決して不幸には思えなかった。愛する妻が井田を後押ししてくれる。それがわかっただけでもよかった。
 レコードが終了した時点で、私たちは店主に礼を言って店を出た。井田は店を出たところでタクシーに乗った。送って行くから乗るようにと言ったが、私は気分が良かったので歩いて事務所に帰ることにした。
 公園を歩いた。昨日、ここで多賀に出会った。しかし、この日はもう、あの歌声は聞こえなかった。暗い夜道を歩いているうちに、私は一人歌を口ずさんだ。愛する多賀のメロディーを――。
〈了〉


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