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人間関係におけるgive and takeのバランス

年を重ねるごとに損得勘定で判断することが増えた。
子供の頃は純粋に「好き・嫌い」、「幸・不幸」、「快・不快」など感情で判断することが多かったのだが、成長と共にその判断軸だけでは自分が損や失敗をする場合があるということを学んだのだ。

ところが大人になって「損・得」「メリット・デメリット」の軸だけで考えるようになると、これまた寂しい人生になることも学ぶ。
なんというか、それだけだとロマンや情に欠けてしまうのだ。

人生においてこの損得と感情のバランスが悩ましい。
その最たる悩みが人間関係である。

人間関係の厄介なところは、物理的にも精神的にもgive and takeで成り立つというところだ。

わかりやすくいうと、誕生日プレゼントを交換し合うことは、わかりやすい物理的なgive and takeである。
精神的なgive and takeは悲しい時に励ましてくれたとか、話を聞いてくれたとか、楽しませたり、楽しまされたりとかそういうことを相互的に行うことだ。

例えば毎年友達と誕生日プレゼントを交換していたとする。
お互い交換することが共通認識としてある場合は良いが、一人が仮にそれを忘れたり意図的にやめた時、もらわなかった方は「giveしたのにtakeできなかった」という相手への不満が募る。(もしくは、1万円のプレゼントに対し500円のお返しに不満を持つ人もいるかもしれない)

ただ、ここで「プレゼントはtakeできなかったけど、いつもお世話になっているから良しとしよう」であったり、「以前、辛い時に誰よりも味方して、励ましてくれた」みたいな精神的なtakeを感じることができれば、(多少制度に疑問は抱きつつも)満足できる場合もある。

もちろん「物なんていらないから、これからもこの人との人間関係を続けていきたい」と思う人だって一定数存在するだろう。「いっそプレゼント交換という制度をやめてしまおう」と新しいアイディアを出す人もいるかもしれない。

他人である以上、なるべく物理的・精神的give and takeの感覚が近しい人と関係を築くか、話し合いなどで認識や価値観をすり合わせ相手に寄り添っていくしかない。

寄り添うにはある程度の時間とエネルギーが必要になるので、果たして寄り添う価値があるかどうか見極めることも重要だ。特に日々忙しない大人は。

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