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「戦争をなくす」ことを目指してたどり着いたのは、JINS。メガネで世界平和は実現できるのか? #07

2020年5月、JINSにジョインした鈴木真由。世界中で起こっている戦争や不平等に対し「何かしなくては」と考え続けてきた正義感の強い鈴木は、今、JINSでもその信念のもとにキャリアを築いている。
 
現在、JINSの経営企画本部に所属し、会社の舵取り役を担う彼女が目指すのは、「JINSにたくさんある“個の矢印”を、一つの太い矢印にすること」。
 
その先にある、世界平和とは ──?

「一点の曇りもなく、国連職員になるんだと」

 
大学では国際法を学び、「世界の戦争、不平等をなくしたい」と進学したスイスの大学院在学中に、現実を知ることになる。
 
「国連でポストを得るためにはインターンから入るのが常ですがインターンは無償。希望していたアフリカのポジションへの渡航費、宿泊費も自腹で、なんとかアルバイトで食いつなぐ貧乏学生で当時生きていくこともやっとの自分には手が届きませんでした(笑)。
 
なんとか国連に携わる機会はもらったのですが、これが、国連職員への夢が薄れるきっかけになりました。偉い人が難しい議論をしても戦争は終わらないし、貧困も減らない。であれば、現地で手を動かして直接役に立つ方が早い。」
 
自分の行動で誰かの役に立ちたいと、セネガルの日本大使館職員として勤務を始めた。
 
「管轄していたのは、セネガル、モーリタニアなど、アフリカの中でも特に格差が大きな6カ国。そのうち4カ国で、日本からの出資金で小学校の建設や井戸の掘削プロジェクト等の企画・推進をしてきました。
 
当初はたくさんの人に感謝されて楽しかったんです。でもしばらくすると、『これって、切花を植えているのと同じだな』と思えてきました...。現地に学校を作っても貧しい家族の子供は学校へ通えない。ギフトのような支援では根本の問題を解決できず、そこで途切れてしまうものだと気づいたんです」
 

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セネガルの首都・ダカール

セネガル_小学校建設プロジェクト完了時の子供の笑顔_n

セネガルでの小学校建設プロジェクト完了時の様子
 

持続可能な形で、途上国の生活や経済を成長させていきたい。そこで、当時アフリカ開発に注力をしていた日系商社(在ドバイ)に転職。しかし、ここでも挫折を味わうことになる。
 
「もともと、アフリカを植民地としていたヨーロッパ諸国の方が圧倒的な関係性を持っています。それに、現地のニーズを本社になかなか理解してもらえなかった。こんなビジネスをアフリカで立ち上げましょう!とプレゼンしても、熱量だけでは説得できない。結局、実現に至った事業はなく、注力市場はアジア圏にシフトチェンジすることになりました」
 
もっとわかりやすい資料だったら、もっと心を動かすような説明ができていたら、助けられた命があるかもしれない。誰かの夢を作れたかもしれない。
 
生まれながらの正義感の強さから、鈴木は「基礎力」を磨こうとコンサルティング会社に転職。アフリカでの事業を実現できなかった悔しさが忘れられず、自分をひたすら鍛え直そうと、文字通り激務の日々を7年間走り抜けた。
 
「アフリカでのサバイバル生活よりも、コンサル会社の方がよっぽどつらかったです(苦笑)。サポートする対象がアフリカの人々から、企業になったわけですが、ここでも『切花を植えている感覚』を感じてしまって」
 
妊娠を機に、改めて「自分が目指すものって何だろう?」「心から楽しい仕事って何だろう?」と考え、辿り着いたのがJINSだったのだ。
 

日本のJINSを、世界のJINSに

JINSの印象は?と聞くと、鈴木はこう答えた。
 
「JINSが日本のメガネ業界を切り拓いたな、というのを感じていました。
 
もともと近視でメガネユーザー、ファッションアイテムとしてメガネも好きだったので、
海外生活中、帰国する度にメガネを作っていました。JINSのメガネは、買いやすい価格帯で、日本の滞在期間が短くても店頭で1時間ほどで受け取ることができたので便利でよく使っていたんです。当時海外にはない、日本独自のサービスでした。
 
日本でできた良い事例を、世界に展開するというのがもともとやりたいことだったので、商材をメガネに変えて、それに挑戦してみたい。」と思ったのが、JINSを志望したきっかけでした。

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入社から半年。経営企画本部、経営ブランド戦略本部の担当として、JINSの舵取りを担う鈴木が取り組むのは、JINSの大きな矢印を作ることだそう。
 
「JINSは柔軟に進路を変えていきたいこともあり、中期計画を作成していないんです。
 
それはもちろん良さでも強みでもありますが、現場としては先が見えず不安も感じますよね。JINSって、個の矢印はたくさんあって強いんですけど、競合も増えた今、「個」では大きな壁を乗り越えられなくなってきてもいる。JINSの10年後の姿を描くことでみんなが一枚岩になれるのではないかと。それを皆で考えることと、(難しくとも)それをちゃんと言葉にすることに着手し始めました。
 
一本の太い矢印を作ることに、会社として初めて挑戦しています。そのうえで、10年後、20年後かもしれないけれど、世界のJINSという大きなビジョンに挑戦できるんじゃないかと思います」

目指すのは、戦争も格差も、近視もない世界

 
日々、JINSの経営層と向き合う鈴木は、その特徴をどう感じているのだろうか。
 
「入社前に、田中CEOの本を読んで『ただのメガネ屋である気は、さらさらない』という言葉にすごく共感したんです。JINSは『近視のない世界へ』というメッセージを打ち出し、メガネの会社なのに、メガネが必要なくなることを目指しているんです。
 
そういうビジョンって、私が目指してきた誰かの役に立つことにも繋がっているなと思いました。
 
JINSの経営層はみな共通して楽しそうで明るく前向きなんですよね。意見はバラバラでまとまらないことも多く悪戦苦闘することもありますが(笑)、話すほどに『味があるな』『共感できるな』『あぁ、好き!』と思わせてくれる人たちです」
 
 誰かの役に立ち、誰かの生活を守ること。それは、鈴木が幼少期から目指してきた「戦争も格差もなくしたい」という夢の続きだ。
 
最後に、鈴木自身の「中期計画」を聞いた。
 
「一つ目は、海外進出。
 
JINSは、日本国内の売り上げ比率が8割と高いです。6カ国に進出していますが、まだ市場の獲得に苦戦中。こっそり夢見るアフリカ進出は次の次だなという冷静な自分がいます。
 
世界に発信できるJINSの強みがどこにあるんだろう、という問いを突き詰めて、進出する国やその国の人に喜んでもらえるビジネスを作っていきたい。「JINSの進出がその国の人の暮らしを豊かにする。」と思ってもらえる商品・サービスを作ること、そのために最適なバリューチェーンの構築が必要ですね。
 
世界で戦えるJINSを作るためには、まずは足元を固めることが一番大切だと考えています。
 
二つ目は、太い矢印を作るためのコミュニケーション。
 
執行役員間のコミュニケーションは、ようやく場が温まってきたように感じています。次はその熱を会社全体に広げて、社員間で大きな目線がすり合い、社員それぞれが目標に対しわくわく感を持って動き始められるようになることが、この1年は大事かなと。
 
今まで、全体や部をまたいだコミュニケーションが得意な会社ではなかったので、まだまだ手探りですが...。人の巻き込み方、みんなが納得できる伝え方、心を動かせる伝え方を、日々模索中です。
 
キャリアを振り返って、自分の目標ってブレてるのかな、と思ったこともありましたが、困っている人がいたら一緒に汗をかいて悩み考える。誰かの役に立つことが自分の信念なんですよね。
 
だいぶ遠回りしたけど、今、息子に胸を張って『楽しい仕事だよ』と言えるのは、今までの経験とも、自分の幼少期からの目標とも、ちゃんと“つながり”を感じられているからだと思います」

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JINSから、世界平和は実現できる。誰かの生活を、より良くすることができる。
 
世界で活躍したいと願う人こそ、もしかするとその近道を、JINSで見つけることができるのかもしれない。そして遠回りしていても、その経験が世界とつながる環境が、ここにはある。
 

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