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昆虫を一緒に食べないかと愛する息子に誘われたら。

なんでも息子と一緒に挑戦してきた。なんでも経験を分かち合ってきた。私たちは仲間だ。同士だ。君の喜びは私の喜び。君の笑顔は私の笑顔。君の幸せは私の幸せだ。

そんな愛する息子からここ一年くらい「一緒に昆虫を食べようではないか」と執拗に誘われている。

大きくなった息子が久しぶりに母を必要としている。いや、だがしかし。

彼は生まれながらに好奇心旺盛で、知りたいことはトコトンまで追求しなければ気がすまないタイプである。幼少の頃より車、電車、動物、爬虫類、魚類など、図鑑や本がボロボロになるまで読み込むような子であった。

そして恐ろしいことに、次の彼のブームが昆虫になった。年齢はもう幼児ではない。貪欲に学ぶ。専門書を何冊も読み込む。そんな彼が虫に注目した点は「虫は食べられる(食虫)」ということであった。

彼はトコトンまでやる男だ。知識を貯め込んだ彼は、実際に味わってみたくなった。そしてついにイナゴの甘露煮を購入した。彼は本当はもっとすごい虫や虫詰め合わせなどを食べたかったのだが、母親の私が値段が高いと渋ったのと、本気ならまず初歩を超えてから進めと助言したからだ。彼いはく、イナゴの味は小魚の甘露煮などと変わらない、普通の甘露煮だそうだ。ただし見た目は思いっきり虫ではあるが。

親子といえども、私たちは完全なる別人格だ。ずいぶん感覚が違うことに驚くが、何より男子育児は想像を超えることばかりだ。本当に面白い。男子育児は面白過ぎる。

なお、その後虫好きの息子からコロナ禍が落ち着いたらと、東京にある虫を提供する虫カフェと寄生虫博物館を巡るという奇怪なデートに誘われている。そのデートコースを計画する男よ。もしも、夫からそのような誘いを受けたら「は?てめぇ一人で行ってこいや」と一喝するところだが、母は愛する息子のためならば、身を削ってでも行こうと思う。脳みそが、精神が耐えられるかはわからないが。

永遠の恋人である息子の誘いは断れない。「点と点は繋がり、いつしか線となる」という己の信条のためにも(スティーブ・ジョブズの受け売り)。彼の知的好奇心を満たすためならば、私は突き進む。彼とならどんな世界にだって行ってやる。





※息子が「内山先生」と敬愛し、愛読する書籍を参考までにアップしておく。食虫情報を得るため、内山先生のTwitterをフォローしているのだが、プロフィール写真がえげつないほどのサナギかなにかだ。内山先生ぇぇぇぇ!!!

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