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心変わり

私、心変わりします。

前職の上司に「新入社員に質は求めていない。とにかくスピードが大事だ。キャッチボールの回数を増やせ」と言われたことが頭に強く残っていて、これまで仕事はスピードを最優先にしてきました。

転職したいま、担当することが多い「補助金申請書類作成」などの専門家とのやり取りが必要な業務においてはスピードが大事で、いかにキャッチボールの回数を増やすか、いかに自分がボールを持っている時間を短くするか、が質の高い書類への近道だと思っています。

ただ、今年からりんご作りにも本格的に携わるようになって、仕事の種類によって必ずしもスピードが最優先ではないということに気づきました。
…いや、正確には気づかされました。園長である妻に。

永遠の心変わり

園長は業務においては「丁寧さ」「正確さ」「真摯さ」が重要だと考えています。
そして、「損して得とれ」や「急がば回れ」という諺が彼女の仕事における考えにマッチしていると思っています。今まで私は損して得とれの考えや急がば回れについて一向に理解できませんでした(理解しようとしていなかったのかも)
でも、心変わりした出来事がありました。

数週間前まで「摘果(実すぐり)」という、キズがついていたり、変形していたり、これ以上大きくなれなそうなりんごの実を落とす作業をしていました。

私はこの段階でのりんごの品質や、成長したときに枝にぶつからないか、風に揺られたときにりんごの実同士がぶつからないか、など秋の収穫期のことを想像して摘果する能力がまだないので、1本の木が終わるごとに園長に確認してもらってました。
この作業のなかでの気付きは以下。

丁寧にやれば、上の者がみたときに、最終確認するときの時間短縮になることはもちろん、作業者がどういう考えで摘果したかがわかるので、次回ここをこう気をつければいい、というテクニカルなアドバイスも出しやすくなります。
反対に、私のようにスピードを最優先して多少雑にやってしまうと、上の者は一から見直さなければならず、また、頭を使って摘果したわけではないので、残した実の規則性や基準が定まっておらず、ここをこう気を付ければ良いという実践的なアドバイスではなく「もう少し丁寧にやってみようか」というテクニック的なアドバイスではなく基本中の基本のアドバイスしか出せなくなります。それだと技術の習得は遅くなるのは一目瞭然。

早くやったつもりが結局遅くなって、ゆっくり丁寧にやった方が結局早く終わるということになります。

この出来事を経験して、私のレベルは少しアップした気がします。
今後は業務の内容によって、スピードを優先すべきか、丁寧さを最優先にすべきか、まずは一旦考えてから作業に取り掛かることにします。

「急がば回れ」

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