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日経BPさんのプロモーションにあえて乗っかってみる

『ファクトフルネス』。日経BPさんからnoteタイトル画像まで提供されている。まんまと誘導されている気がしないでもないけど、それに乗ってしまってもいいかなと思える。良い本です。

いつも書店のランキングコーナーに積んであって、「売れているものにはすぐに飛びつかない主義」の私としては、なかなか手が伸びなかった。

それでも我慢しきれず半年以上前に購入していたのだが、実は、4章まで読んでほったらかしていた。内容はうんうんなるほどと思ったのだが、自身の問題意識とも重複するところがあり、それほど真新しい視点とは感じなかったからだ。

今頃になって「#読書の秋2020」の課題図書になっていることに気づいて、せっかくだからと読み終えた。

参りました。

6~8章が私にとってメインイベントだった。浅生鴨さんやらヤンデルさんやら、いろんな人が高評価してオススメするわけだ。まいった。謙虚にやり直します。

こういう本がちゃんと売れているのは、嬉しい。


6章「パターン化」や7章「宿命」、8章「単純化」は、実は効率的な学習方法でもある。たぶん中高で真面目に勉強してきた人ほどそういう思考が身についているのではないか。ただし、その思考が正しいといえるのは、ペーパーテストのように答えがひとつと決まっている場合だ。身につけた学習方法が、認識の固定化をもたらしているということもあるだろう。

そういう私も同じ思考回路に陥っていることを思い知らされた。


本書の素晴らしいところとして、平易でわかりやすいところや、説教臭くないところもあげられると思うが、著者の体験談がふんだんに挿入されているところも見逃せない。

特に心にグサッときたのはアフリカでの講演後の反省談である。

夢にまで見た晴れ舞台でここいちばんの講演をしたつもりが、自分が相も変わらず上から目線の考え方にとらわれていたことに気づかされた。

エピソードの詳細は本書に譲るが、自身が最も見えていると思っていたことが、そうではないと気づかされた時の衝撃と苦しみ。専門家ほど陥りやすい思い込み。まるで自分がガツンと殴られたような気がした。

モザンビークやコンゴのエピソードも強烈である。本書の完成を待たずに主著者が亡くなっていると「おわりに」で知り、その魂を感じるような気がして目頭が熱くなった。


さて、本書の感想文といっても、何を書けば良いやら困っていたら、「訳者あとがき」にこんなコメントがあった。

もし、本書の感想をどこかで書いてくださるのであれば、あなたが以前、本能に支配されてしまったエピソードを添えてみるのはいかがでしょうか。

!!!

はじめから感想文を書いてもらう気、満々やんけ。

だがしかし、確かにそういう感想文は私も読んでみたい。

私も間違いはたくさん犯していると思うけれども、残念ながら、いや都合の良いことにすぐには思い出せない。あとで落ち着いて振り返り、思いついたら改めて書いてみようかしらね。


うん。オススメ。