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質問はむつかしい

質問はむつかしい。日本人は質問をするのが苦手だそうだ。まさに私のことでもある。ありがたい講演会の後、華麗に質問を繰り出す人たちを尊敬する。いま聞いた話に、そんなに改めて尋ねることがあったのかとすら思ったりする。

ただ、話す側からすれば、一生懸命説明したのに、リアクションがないと感じるかもしれない。

後援者が双方向の対話を求める場合だとか、もっとこの人の話を聞きたい、もう少し深い話を聞きたいという場合には、やはり質問することが大事なのだろう。

そういう意味では、質問がないと言うことは、もう貴方の話はじゅうぶんですという態度なのかもしれない。


だけど、質問をするには、話を聞いている段階から、必死に考えなければとヘンに身構えてしまう。疑問に思ったことでも、話の後段で講演者自ら説明されることが少なくない。そうなると改まって質問することは一層ヤボである。質問できそうなことがあったのに消えてしまったと思い、ますます焦り、質問しにくくなる心理状態に深入りする。

質問しない側にもそれなりの理屈というか心理があったりするのだということを、ぶつぶつと、ひとりごちる。


ノウハウ本のようでありながら、実はすばらしい引用に満ちた対話本の読み方指南であった。最後の〆に世界的な文豪を持ってくるところ、もう、参りました。

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