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ホラネロ観てみろ聴いてみろ

ホラネロさんのライブに行ってきました。

ホラネロは、オホーツク在住で、地域ならではの音楽を創造している、フルートとギターのユニットです。オホーツク観光大使にも任命されたことがあり、最近は札幌の北海道庁で演奏会をするなど、活動の幅をひろげています。道内ではテレビのBGMでも耳にする機会が増えました。

詳しくは上記公式HPをご参照ください。私ごとですが、ギターの本田さんは水曜どうでしょうのテーマ曲のアレンジとギターを担当されたそうで、もうそれだけで崇拝の対象です(他にも大物ミュージシャンのアレンジなど多数)。そういう人が数十kmもの近くに住んでいるってドキドキしませんか。北海道人の距離感おかしいですか、そうですか。

ライブの進行は、主にフルートの谷藤さんがMCで、演奏する前にそれぞれの曲について紹介してくれます。全ての曲に地域への思いやストーリーが満ちています。メロディーラインが美しく聴きやすいのですが、おそらくコード進行や曲の構成、演奏技術はかなり高度なものと思われます。知らんけど。

ホラネロのライブを観るのは3回目でしたが、これまででいちばん良かったなぁ。曲を聴きながら、いろいろ連想させられたというか、大げさに言えば幻想をみたような。なぜだろう。おふたりが今までよりもリラックスして自然体でおられるような感じはしました。曲のほうも僕にとって馴染みのもの、定番のものが増えてきているようには思います。

それ以上に、僕自身の感じ方が変わったようです。なんとなく、聴きやすい曲だなぁくらいにと思っていたものが、自分の中に幻想を持つことで、一気にその曲に引き込まれるようです。僕の中に幻想を引き起こした理由として、最近読んだ本の影響は間違いなくあると思います。

オオイタドリで作った笛について、ゆくゆくは地域の文化にと、冗談まじりで夢を語る谷藤さんの姿に、「熱源」などで感じた、原風景や自然への豊かな感受性を発露とした音楽のあり方を連想しました。おそらく、アイヌのトンコリやムックリも、地域の生活の中から生まれ引き継がれた楽器でしょう。地域から作り上げる音楽、そう思うと、聴いているイタドリ笛の音も単に「いい音だなぁ」から、郷愁のような感情がわき起こってくるのが不思議です。

熊の曲(上のHPで試聴できるようです)も響いたなぁ。アイヌの狩猟家姉崎等さんの「熊にあったらどうするか」をちょうど読んでいるところでした。熊は本来人間を怖いと思っていること、人間と自然との距離感が変わる中で撃たざるをえない熊が出てくること。そんなことを曲を聴きながら連想していました。そして熊の骨で作った笛の音が美しく切ないんです。グッときました。、、、うん、もっと上手い表現はできないかね。

ホラネロが目指すジオミュージック、単に地域から発信することではない、地域の文化を創造しようとしている意思を深く感じました。

小学生とのセッションはとても良かったです。共演した小学校はリコーダー全国大会の常連で最優秀も複数回獲得している実力校。小学生のソプラノリコーダーと谷藤さんのフルートのユンゾンがビシッと決まっていたところは鳥肌が立ちました。

最後に新曲が披露されました。訓子府の素材で曲を作ってくれていたのは感激です。スケールのあるいい曲だよぉ。



たぶん、僕の今日の感受性には、前日の忘年会でバンド演奏をしたのも影響がある。ギターの音にすごく敏感になっていたと思う。本田さんの一音一音の綺麗さ、ビート感、コードワーク、ああプロの演奏すごい、かっこいい。フルートさんごめんなさい、ギターの音ばかり追いかけてました。フルートの伴奏でギターを堪能しました。

地域に、このようなプロミュージシャンがいて、その演奏を気軽に聴けることはとても贅沢なことだなぁとつくづく。

なお、個人的ハイライトは、谷藤さんから「音があれば本田さんはなんでも曲に出来ますから」と言われて、ムチャぶりを嬉しそうに否定する本田さんでした。


音楽って、いいですね。


そしてなにより、ライブを企画、運営してくださった実行委員会の皆様、ありがとうございます!!