Q&A 痛風には意味がある〜検査値を下げても健康にならない〜
武田邦彦先生のこんなお話が動画で挙げられていました。
一言で言うと「痛風には意味がある」ということ。男性ホルモンが高い人の体がわざと尿酸値を高めることで癌を防いでいるのでは?というお話。
☝️は癌患者は尿酸値が高く、尿酸値が高い癌患者は予後が悪いという痛風尿酸財団のニュース。だからクスリで尿酸値を下げろ、と言うのは原因と結果を間違えた本末転倒です。体は必要だから尿酸値を上げているだけなのです。
抗尿酸薬を使った人は発癌が増えます。
このアロプリノールは尿酸を作る酵素を阻害します。尿中に尿酸排泄を増やすのではありません。尿中に尿酸が増えたら膀胱癌が増えたのではなく、尿酸を作れなくしたら膀胱癌が増えたのです。
添付文書を見ると、『重要な基本的注意』として以下のようにあります。
痛風の薬なのに、なんと痛風発作を悪化させるというのです。
さらに、腎障害のある患者に使うと死亡することもあると。では、腎障害のない患者に使えばいいかというと、つづく副作用の欄には以下のようにあります。
このクスリ自体が、腎障害・腎不全を起こしうるのです。
痛風の合併症として痛風腎といって腎障害があるので、それを防ぐことが尿酸値を下げる目的の一つのはずです。それなのに、このクスリの副作用に腎不全があるのです。
アロプリノールだけではありません。フェブキソスタットも尿酸生成酵素阻害剤。
添付文書には、同様に痛風発作を誘発すること、肝障害・甲状腺障害・心血管系の障害への注意が書かれています。副作用には腎障害もあります。
また動物実験で膀胱腫瘍が増加したとの記載もあります。
そんな恐ろしいクスリはすぐやめればいいかと言うと、そうもいきません。急に服用をやめると心臓の筋力低下を起こして死亡リスクが上がるという報告もあるのです。段階的に少しずつ、心臓の具合を見ながら減らしていく必要があります。
この話をFacebookに挙げたところ、こんな質問をいただきました。
Q
(食事に気をつけたと言うのは、具体的に何をどのくらいの期間どう変えましたか?)
(痛風発作などの症状がありますか?血液検査で腎障害は出ていますか?他の薬は内服してますか?)
A 尿酸は大切な抗酸化物質です。
問題の本質は、尿酸が悪いものだと思い込んでいることです。尿酸は強力な抗酸化物質です。私たちヒト科を含む霊長類の直鼻猿亜目ではビタミンCことアスコルビン酸を合成する酵素を失い、より強力な抗酸化物質である尿酸を使っているのです。
ヒトは腎臓でわざわざ尿酸を回収して、尿酸が排泄されてしまうのを防いでいます。それだけ尿酸が大切なのです。
腎臓の尿酸回収能が低く尿酸が尿に流れ出てしまうため低尿酸血症となっている人は、尿管結石を起こしやすくなります。女性に多く、遺伝的に日本人とユダヤ人に多いとも言われます。(これも後で述べる検査偽病かもしれません。女性の尿酸値が低いのは自然であり、日本人で低尿酸が多いのは欧米より肉食が少なく、抗酸化物質をよく食べるからと考えられます。低尿酸で尿管結石ができやすいとしたら、脱水による濃縮尿や酸性化を改めればよいのです)
さらにヒト科は尿酸を分解する酵素を働かなくしてしまいました。遺伝子は持っているのに、酵素を作るのをやめたのです。
これは、ヒトでは尿酸を分解する必要がなくなったから、言い換えれば、それだけ尿酸の必要性が増したからでしょう。
まず基本的に、尿酸はとても重要な物質であり、体が必要としているのだと知ってください。
尿酸値が上がっているとしたら、それは体がそれだけ抗酸化物質を必要としている、強い酸化ストレスに晒されているということなのです。
それなのにクスリで尿酸を下げるなど、火事の時にせっかく集まった消防車を破壊するようなものです。それは癌も増えるし、腎臓も悪くなるし、心臓も血管も肝臓も傷つくでしょう。
同じような話、私の読者の方はどこかで聞いたことありませんか?
そうコレステロールと全く同じです。
コレステロールは体の細胞やホルモンの材料となる最も重要な物質なのに、医療ビジネスによって悪者にされました。コレステロールを悪者にし、高脂血症・脂質異常症という「病気」を捏造することにより、膨大な数の健康な人にクスリを売りました。コレステロールを下げることによって、癌・脳卒中・心臓病・うつ病・認知症その他多くの病が増え、それはまた医療ビジネスの売り上げになりました。
高血圧・糖尿病も同様です。
どこも具合の悪くない人の検査値を異常だということで「病気」をでっちあげてクスリを売り本当の病気にする『検査偽病』の手口です。
高尿酸血症も検査偽病の一つなのです。
でも痛風は痛いよ!
痛風に苦しんだことのある人はそう言うかもしれません。でも待ってください。
痛風は本当に尿酸値が高いせいですか?プリン体を食べたせいでしょうか?ではなぜ尿酸を下げるクスリを飲んだら痛風発作が起こるのでしょうか?なぜ武田邦彦先生はビールを飲んだら痛風発作が改善したのでしょうか?
それはむしろ、尿酸が足りなかったから痛風発作が起きたと考えた方が理解できます。え?尿酸値が「高い」のに尿酸が足りなかったって?
「高い」ってそれは全ての人を一律にした基準値と比べての話です。
借金が膨らんでいる人は、多めの収入があっても生活が苦しいように、酸化ストレスが大きい人では尿酸値が基準値以上でも足りなくなるのです。
痛風発作の人の体では酸化ストレスが高まっているので、より多くの尿酸その他の抗酸化物質を必要としているのです。抗酸化物質が足りなければ、特に足などの血流が少なく衝撃を受けやすい末梢組織は活性酸素にやられやすくなります。すると体は尿酸をそこに集めて酸化を止めようとします。結果、炎症部位では尿酸が濃くなり、一部は結晶化します。尿酸は炎症の原因では無く、炎症を止めるために集まったのです。
これはアテローム型動脈硬化した血管にコレステロールが沈着しているのをコレステロールが動脈硬化の原因だと言うのと全く同じ濡れ衣です。コレステロールは炎症を起こした血管を修復するために集められたのです。
コレステロールを悪者にするのは、火事の後に立て直す材木を集めたら火事の原因は材木だと言うようなものです。
痛風発作を起こさない?
では、痛風発作を起こさないにはどうしたらいいでしょうか?
酸化ストレスを減らせばいいのです。酸化ストレスが減れば、それほど大量の尿酸は必要ではなくなります。尿酸値は下げようとせずとも自然と下がります。
酸化ストレスを減らすにはどうしたらいいでしょうか?
酸素を吸って生きている限り、酸化ストレスをゼロにはできません。人生のあらゆる活動は酸化ストレスになります。
しかし、なるべく酸化ストレスの少ない生活を選択することはできます。
1 運動
運動は酸化ストレスです。しかし、運動不足も毛細血管の血流が低下することによって酸化ストレスとなります。血流が滞らぬよう、座りっぱなしなどを避け、適度に体を動かすことが酸化ストレスを減らします。
人生の活動全ては運動です。仕事も運動です。酸化ストレスを減らすには無駄な運動を減らすというのはあるでしょう。好きな運動、自分や好きな人のためになる運動・仕事に専念することです。
2 炎症を減らす
炎症が起こると大量の活性酸素が出ます。つまり炎症は大きな酸化ストレスになります。炎症は感染症でも起こりますし、アレルギーでも外傷でも起こります。牛乳や小麦は人によっては腸や全身の炎症につながります。
タバコは気管支や肺に慢性炎症を起こします。過度のアルコールは消化管に炎症を起こします。
3 食事
酸化された食事は酸化ストレスになります。一方で抗酸化物質を多く含む食事は酸化ストレスを減らします。
牛乳は酸化ストレスになります。牛乳のカゼインは尿酸排泄を増やしますが、腸の炎症の原因にもなります。人によっては鼻詰まりも起こします。酸化ストレスを減らさずに尿酸値を下げることは、クスリ同様、良いことではありません。また牛乳はカルシウムが多いため、尿中の尿酸とカルシウムが濃くなる結果、尿管結石が増えます。
抗酸化物質には、ビタミンC、鮭などの赤い色素アスタキサンチン、玉ねぎのケルセチン、ビタミンA、ビタミンE(サプリでなく食事で)などがあります。
どんな抗酸化物質も脱水になれば血流が滞り届きにくくなりますから、水分はしっかり摂る必要があります。
ビタミンDも尿酸値を下げることがわかっています。ビタミンDは尿酸合成を妨げるのではありません。ビタミンDは免疫細胞の正常な分化や各種ホルモンの正常な分泌を促します。炎症や癌化を防ぐことで酸化ストレスを減らすことで尿酸の必要量を減らしてくれると考えられます。
(追記)コメントでいただいたように、血液をアルカリ化することも尿酸やシュウ酸の結晶化を防ぎ、痛風発作や尿路結石が起こりにくくします。
野菜や果物などのアルカリ食品、梅干しや柑橘類などに多く含まれるクエン酸などは血液をアルカリ化してくれます。
4 呼吸
呼吸が不十分だと酸欠・高炭酸ガスになります。酸素が足りないと酸化しないかというとそうはいかず、逆に酸化ストレスが増え炎症や癌化が起こりやすくなります。
また鼻呼吸をすると副鼻腔で強力な抗酸化物質である一酸化炭素がつくられるのに対し、口呼吸ではつくられません。
眠っている間の睡眠時無呼吸、大口開けてのいびき呼吸は酸化ストレスになります。
またマスクをしているとほとんどの人は口呼吸になり、酸欠・高炭酸ガスになっています。
口呼吸を直すには、口テープが効果的です。しかし鼻が詰まっている場合には窒息してしまうので、先に気道や腸の炎症を取り除いて鼻詰まりを解消しなくてはなりません。
5 睡眠
睡眠ホルモンであるメラトニンも強力な抗酸化物質です。睡眠不足、不規則な生活も酸化ストレスをあげます。(と言いながら夜中に書いています)
6 心理ストレス
体だけでなく、心理的なストレスも酸化ストレスになります。
おっさんの尿酸値が高いわけ
こうしてみると、大人の男性、いわゆるおっさんの尿酸値が高い理由がわかるのではないでしょうか。よく働いて、様々なストレスに耐え、糖質や揚げ物をもりもり食べ、野菜はあまり食べず、タバコを吸い、アルコールを飲み、いびきをかいて寝ているのですから、もう酸化ストレスはオッサン化ストレスと呼びたいくらいです。
酸化ストレスが強いから、尿酸値が高いのです。
高い尿酸値が必要なのです。
なぜ男はこうなるのか?それは男性ホルモンが高いからです。中でも男性ホルモンの高い男の中の男とも呼ぶべき歴史上の英雄たちの多くが痛風に悩んできました。
女性にも男性ホルモンはあります。ヴィクトリア女王くらいになると痛風になります。それはプリン体が含まれた贅沢な食事をしたからではなく、逆に男性ホルモンが高く尿酸を必要としているから、プリン体を含む食事が食べたくなるのです。(食べた方がいい)
女性では筋肉も運動量も少ないことが多いため酸化ストレスも比較的小さいことが多く、また女性ホルモンには抗酸化作用があるため、男性に比べ尿酸の必要量は低くなります。
痛風の芸能人にも男性ホルモン・酸化ストレスの高そうな人が並びます。中にはノンスタイル石田のような例外もいますが、うつに悩んだりもしていたようで、そうしたクスリの影響、またビタミンD欠乏が疑われます。
以上、痛風や高尿酸血症に悩む人へのおすすめは、
1 尿酸を下げるクスリは飲まない(止めるのは段階的に)
2 酸化ストレスを下げる。
となります。
ただし、男性ホルモンの高い男たちというのは、生活を改め酸化ストレスを下げることが最も難しい種類の人々です。
まず人の言うことを聞くのが嫌いです。逆に酸化ストレスになるような不摂生は大好きです。酒量や徹夜を自慢したり、酸化ストレスの多さを誇りさえします。あえてそうしたストレスを抱えて生きることで男性ホルモンを高めているようにも思われます。(示威行為の一種です)
逆にこうした男たちが大人しく言うことを聞くようになったら、男性ホルモンが下がってきたのかと心配した方がいいかもしれません。
彼らは高い男性ホルモンを保つことに生きがいを依存しています。それにはストレスなどおかまいなしで戦い続け、勝ち続けなくてはなりません。
少なくとも自分は勝っているのだ、特別な強い男なのだと思い込み、周りに誇示し続けないと生きていけないのです。
以前、男の癌化について書いたとおりです。(抗尿酸薬や抗コレステロール薬を飲んで癌化したのかもしれませんが)
本当は、酸化ストレスを下げる痛風対策は美味しいものを我慢する必要は全く無く、むしろ快適なのですが、問題は男性ホルモンが高い男どもをうまくそちらに誘導できるかどうかです。(彼らの多くは頭が硬く権威主義的なので、何も考えることなく権威あるエラい医者の出すクスリを飲むが大好きです)
本質的には、ビタミンDやオキシトシンを高めることで男性ホルモン依存の生活から脱却することが重要ですが、それはまた別の機会に。
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