8.乳がんの原因はビタミンDの不足
ポイント 乳がんの原因はビタミンD不足。
乳がんを減らす行動 ビタミンDを補い、乳腺に届け、細胞が使えるようにする方法を知る。
ズバリ、
乳がんの第一の原因は、ビタミンD不足です。
それが、乳がんと乳がん死を減らすという「目的を達成する」レベルでの答えです。
言いかえれば、
「乳がんとは、乳腺細胞のビタミンD欠乏状態」なのです。
クルマに例えれば、女性ホルモンがアクセルなら、ビタミンDはブレーキやハンドルの役割を果たします。
ブレーキやハンドルがなくてはドライブできないでしょう?
女性ホルモン(エストラジオール)は乳腺細胞に
「増えろ増えろ、とにかく分裂しろ」
というメッセージを与えます。
ビタミンDは
「ストップ!増えなくていい」
「道を外れてるぞ!戻ろう」
などと、乳腺細胞が分裂するのを抑え、癌細胞化しようとする細胞を修正するよう促すのです。
2007年、ノートルダム大学のウェルシュ先生はビタミンDによる乳がん予防のメカニズムについてまとめました。(参考文献1)
ちょっと専門用語が多くなるので、難しければとばしてもらっていいですが、まとめると、
①乳腺細胞は、細胞核内にビタミンD受容体を持ち、ビタミンDから活性型ビタミンDを作れる。
②活性型ビタミンDや血液中のビタミンD(カルシジオール)は乳腺細胞の増殖を抑制する。
③活性型ビタミンDは女性ホルモンによる乳腺細胞の増殖や分化を抑制する。
④ビタミンD受容体を無くしたマウスの乳腺細胞ではアポトーシスが抑えられ細胞の増殖が過剰になってしまい、発がん物質などによってがん化しやすくなる。
⑤日光、食事、サプリメントからのビタミンD摂取量と乳がんリスクは明らかに反比例の関係にある。
⑥血液中のビタミンD(カルシジオール)濃度が低い人ほど、乳がんのリスクが高い。
⑦乳がん細胞ではビタミンDを活性化する酵素が増加している。
簡単に言えば、ビタミンDがあるほど乳がんのリスクは減り、ビタミンDが少ない人ほど乳がんのリスクが増えるということです。
乳腺細胞はビタミンDがあれば女性ホルモンがあっても癌化しにくく、癌化した乳腺細胞(乳がん細胞)はビタミンDを他の細胞よりも活性化したがっている、つまり癌細胞はビタミンDに飢えているのです。
より詳しく日本語でまとめてくださったのが、
「がん予防に実は『日光浴』が有効なわけ ビタミンDの驚きの効力」(平柳要著 講談社)(参考書籍1)
です。本当に名著です。amazonでは現在、電子版か中古しか手に入りませんが、ぜひおすすめです。
乳がんの原因がわかったところで、次からはいよいよ乳がんと乳がん死を減らす具体的な方法をお伝えします。
👇につづく
(参考文献1)Welsh J. Vitamin D and prevention of breast cancer. Acta Pharmacy Sin 2007;28:1373-82
要約 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17723171
フルテキスト https://www.nature.com/articles/aps2007170.pdf
(参考書籍1)「がん予防に実は『日光浴』が有効なわけ ビタミンDの驚きの効力」(平柳要著 講談社)
(Facebook 2018年10月29日より)
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